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NVIDIA,統合チップセット「GeForce 6100+nForce 400」を発表
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印刷2005/09/21 15:56

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NVIDIA,統合チップセット「GeForce 6100+nForce 400」を発表

 NVIDIAは9月20日,nForce2-GT/G以来,約2年半ぶりとなるグラフィックス機能統合チップセット「GeForce 6100+nForce 400」(GeForce 6100 GPU+nForce 400 MCP)シリーズを発表した。
 これは開発コードネーム「Crush 51」として知られていた製品で,AMD64プラットフォーム向け。長らくグラフィックス機能統合チップセットがなく,ローエンドやビジネス向け市場に食い込めなかったNVIDIAにとっては,久しぶりの再参入となる。今回は,プレス向けに行われた事前発表会の内容を中心にお伝えしたい。

 さて,チップセット名を見て不思議に思った人は多いだろうが,新チップセットでは初めて,NVIDIAのコンシューマ向け単体グラフィックスカード用のブランド「GeForce」の名が冠されている。NVIDIAによれば,この命名にはDirectX 9.0とピクセルシェーダ3.0(Shader Model 3.0,以下SM3.0)に対応するGeForce 6の知名度が影響しているとのこと。2005年9月20日現在,唯一のSM3.0対応オンボードグラフィックス機能であることが容易に想像できるという意味で,この命名はアリだろう。

 GeForce 6100シリーズは初登場の型番となるが,これはGeForce 6200 with TurboCache(以下GeForce 6200 TC)に近いコアを搭載する"グラフィックス機能内蔵ノースブリッジ"。TurboCacheの名こそ付いていないが,TurboCacheベースのUMA(Unified Memory Architecture)によって,メインメモリの一部をグラフィックスメモリとして利用する。TurboCacheでは必要に応じて動的に最大256MBのメモリを確保するが,GeForce 6100シリーズでは,マザーボードのBIOSから64/128MBをユーザーが指定する仕様だ。

 なお,GeForce 6100+nForce 400シリーズに"通称"はなく,二つのチップの併記が正式名称なので注意したい。それぞれのチップにはバリエーションモデルがあり,ノースブリッジに相当するGeForceにはGeForce 6150とGeForce 6100,HyperTransportバス接続のサウスブリッジであるnForce 400にはnForce 430とnForce 410が存在する。各チップの詳細はのとおりだ。合計4モデルあるから4パターンの組み合わせがあると考えがちだが,実際にはGeForce 6100はnForce 410とのみ組み合わせられるローエンド向けなので,実際の組み合わせは3パターンになるようだ。



■SM3.0とPureVideoを標準サポートするGeForce 6150
 ここからは,上位モデルのGeForce 6150+nForce 430について,詳細を見ていくことにしよう。GeForce 6150のコアクロックは順に475MHz,425MHzと,GeForce 6200 TCの350MHzより高い。だが,頂点パイプライン数は3分の1,ピクセルパイプライン数は2分の1に減らされているので,パフォーマンス面では五分五分か,それ以下と見るべきだろう。その代わり,チップセットはファンレスで動作する。

 グラフィックスは同時に2系統出力が可能。マザーボード側の実装次第では,標準でDVI-I,あるいはコンポーネント/D出力も行える。別途PCI Express x16スロットを持つマザーボードであれば,オンボードグラフィックス機能とPCI Express x16対応単体グラフィックスカードの同時利用も可能である。

 このほか,GeForce 6150はハードウェアベースの動画再生支援機能「PureVideo」に対応するのも特徴だ。NVIDIAはこれをもって,GeForce 6150はHD対応チップセットと称している。NVIDIAによれば,HDコンテンツ再生時のCPU負荷は,Radeon Xpress 200(RS482)チップセット搭載マザーボードと比べて半分以下になるとのことだ。
 PureVideoに関しては,長らく「NVIDIAのWebサイトから『PureVideo Decoder』を購入しなければならない」という足かせがあった。購入サイトが英語版サイトのみという問題もあったため,日本国内だとほとんど絵に描いた餅だったのは否定できない。

 しかしNVIDIAは,近日中に日本語版のダウンロード販売サイトを立ち上げる予定とのこと。さらに,InterVideo製のDVDプレイヤーソフト「WinDVD 6」「WinDVD 7」が,標準でPureVideoをサポートしているとした。

 現在のところ,パッケージ版とダウンロード販売版にはインバーステレシネに対応していないという制限がある(OEM版にこの制限はない)が,これも近々行われるWinDVDのアップデートによって取り払われる予定だそうだ。WinDVDを購入する必要があるので,追加投資が必要なのは変わらないが,仮にNVIDIAの主張が正しいとすれば,PureVideo導入のハードルはぐっと低くなる。気づかないうちに条件をクリアしていた人も多いと思う。

■nForce 430は充実のRAIDとネットワークサポートが魅力
 nForce 430は,nForce4シリーズらしい豊富な機能が特徴だ。300MB/sの転送速度を持つSerial ATA II phase2に対応するだけでなく,RAID 0/1/0+1/5をサポート。ネットワークコントローラは1000BASE-Tに対応し,ハードウェアベースのネットワークセキュリティ機能「ActiveArmor」も搭載する。ただし,nForce 410はRAID 0/1対応,100BASE-TXまでの対応で,さらにActiveArmorもサポートされない。

■性能不足は否めないが,コンパクトゲームPCなら面白い
 搭載マザーボードやベアボーンはASUSTeK ComputerDFIECSEPoXGIGABYTE TECHNOLOGYJetwayMSIShuttleWalton Chaintechからリリースされる予定だ。また,すでに秋葉原ではBIOSTAR MICROTECH製のGeForce 6100+nForce 410搭載マザーボード「TForce 6100-939」が1万円程度で販売されている。

 GeForce 6100+nForce 410チップセットは,それこそローコスト至上主義の市場に向けた製品。ゲーマーにとっては,GeForce 6150+nForce 430の取捨選択になるが,GeForce 6200 TCよりさらにパフォーマンスが低くなると思われるGeForce 6150のパフォーマンスについては,改めてテストするまでもないだろう。2Dや,3Dでも処理の軽いMMORPGをプレイするというのでなければ,今からわざわざ選択する意味はない。

 だが,まさにそういったゲームをこれから始める人にとっては,コストパフォーマンスに優れるのもまた事実だ。最小限のDirectX 9.0&SM3.0環境でプレイしてみて,不満に思ったら後からグラフィックスカードを買い足せばいい。サウスブリッジの機能充実も魅力である。

 おそらく,GeForce 6150+nForce 430を搭載した小型のベアボーンやショップブランドPCがこれから登場してくるはず。コンパクトなライトゲーム用PCの導入を考えているなら,搭載製品の登場を待ってみるのも手だ。(佐々山薫郁)


  • 関連タイトル:

    GeForce 6100+nForce 400

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