光デジタル接続によりPC，PS3，X360完全対応を謳うリアル5.1chヘッドセットがアジア市場で展開開始

X-Tatic Digital

　サウンド出力デバイスとの接続にS/PDIFを採用し，端子として光デジタル角形を利用することで，PCやMacintoshはおろか，PlayStation 3（以下，PS3），Xbox 360にも完全対応を果たしたというゲーマー向けヘッドセット，「X-Tatic Digital」が，ドイツの周辺機器メーカーであるSHARKOON Technologies（以下，SHARKOON）から発表された。
　同社によると本製品は，欧州市場では2006年から販売されているものとのこと。ただし，販売開始後も改良を重ね，今回完成した第4世代品で，アジア市場へも打って出ることになったのだそうだ。現時点での対象地域は香港，台湾，韓国で，残念ながら日本は含まれていないのだが，相当に個性的な製品なので，特別に紹介しておきたいと思う。

Dolbyデコード対応のサウンドユニットと

リアル8chヘッドフォン機能＋マイクのセット

　本製品を一言で説明するのは非常に難しいのだが，誤解を恐れず，ざっくりまとめるならば，「光デジタル入力に対応し，Dolby Digitalビットストリームのデコードに対応した小型AVアンプ『SCU』（Sound Control Unit）と，左右に4基ずつ，計8基のスピーカードライバーを内蔵し，リアルなマルチチャネル出力に対応したアナログヘッドセットのセット」といったところか。
　AVアンプ（＝AVセンター）を所有している人の多くは，PCやゲーム機のサウンド出力を，いったんAVアンプにまとめて，そこからスピーカーシステムやヘッドフォンなどに出力していくスタイルで，部屋にあるゲームサウンド環境を管理していると思われる。X-Tatic Digitalは，そんな環境を，シンプルかつコンパクトにSCUと専用ヘッドセットで実現したものというイメージが，一番近いだろう。

SCU。光デジタル入力端子やUSB標準タイプB端子，給電用端子，各種コントロール用スイッチ＆ボタン，9ピンのヘッドセット専用端子，アナログ5.1ch出力用ミニピン端子×3が見える

ブームマイクは着脱可能

　光デジタル入力をサポートすることで，X-Tatic DigitalのSCUは，PCやゲーム機，DVD/Blu-rayプレイヤー機器など，光デジタル出力をサポートした出力機器であれば，何にでも対応する。SCUはDolby Laboratoriesの認証を受けており，Dolby Digital 5.1のビットストリーム信号を受けてデコードできるほか，2chのデジタルPCMを受けて，Dolby Pro Logic準拠の5.1chアナログサウンドへ変換することも可能だ。
　専用ヘッドセットとは，9ピンの専用アナログケーブルで接続する仕様（※最大2台取り付け可能）だが，別途，ミニピンによるアナログ5.1ch出力も用意されているので，こちらにスピーカーユニットや他社のリアルサラウンドヘッドフォンを取り付けることもできる。

　今回，アジア市場へ投入された第4世代X-Tactic Digitalにおける最大の特徴とされているのが，マイク入力におけるPS3への対応だ。最新世代では，USB接続で，PS3（およびPC）との接続が行えるようになっているとのこと。また，一般的な3.5mm径のピン端子を「Xbox 360 Controller」に用意された2.5mm径のマイク端子に差せるよう変換するアダプタも付属しており，Xbox 360でもマイクを利用可能だという。
　なお，本製品には，ヘッドセット側の9ピンから，3.5mm径のミニピン×3へ変換する「Cable Adapter」が付属しているが，これは「アナログ接続しか持たない，標準的なPCと接続するためのもの」（SHARKOON）。Xbox 360とどうやってマイクを接続するのかは，残念ながら現時点では不明だ。

アナログヘッドセットのケーブル部には，インラインボリュームコントローラが用意される

　また，PlayStation 2やXboxもサポート対象になっているのだが，これらでマイクも含めたフル機能を利用できるかどうかはSHARKOONの製品紹介ページでも表現が揺れており，現時点では判断不能。このあたりは，日本市場に出てきたときのお楽しみ，といったところだろうか。

　いずれにせよ，光デジタル接続である以上，SCUまでとはいえ，ケーブルの取り回しは慎重に行う必要があるわけで，（Cable Adapter経由でアナログ接続しない限り）ヘビーに“使い倒す”ような用途には向かないだろう。その点は注意が必要だが，しかし，S/PDIFを採用することで，ゲーム機にも幅広く対応してきたというあたり，相当に面白い製品なのは確かだ。どこか販売代理店が興味を持ってくれることを期待して待ちたい。
　なお，欧州は特殊な流通事情などもあるため，単純計算で価格を推測する材料にはならないことをお断りしたうえで紹介しておくと，X-Tatic Digitalのメーカー想定価格は99.99ユーロ（約1万3500円）となっている。

●X-Tatic Digitalの主なスペック

• 基本仕様：光デジタル接続ワイヤードタイプ
• 本体サイズ：未公開（※ヘッドセット部），15mm（H）×122mm（D）×56mm（W）（※SCU）
• 重量：未公開（※ヘッドセット部），110g（※SCU）
• ケーブル長：3.6m
• 接続インタフェース：S/PDIF，USB標準タイプB，アナログミニピン
• 搭載ボタン/スイッチ：インラインボリュームコントローラ
• 付属品：Cable Adapter（※ヘッドフォンの専用端子→3.5mm径ミニピン×3），電源アダプタ，マイク接続用USBケーブル（標準タイプA−標準タイプB），Xbox 360用マイク端子変換アダプタ，光デジタル音声ケーブル，8か国語マニュアル
• 対応OS：未公開
• 直販価格：99.90ユーロ
• 発売時期：発売済み（香港，台湾，韓国），未定（日本）

《ヘッドフォン部》

• タイプ：未公開
• 周波数特性：未公開
• 感度：未公開
• インピーダンス：未公開
• スピーカードライバー：直径30mm（フロント），直径27mm（センター），直径30mm（リア），直径40mm（サブウーファー）
• 定格入力：未公開
• 許容入力：未公開

《マイク部》

• タイプ：未公開
• 周波数特性：未公開
• 感度：未公開
• インピーダンス：未公開
• S/N比：未公開
• 指向性：あり
• ノイズキャンセリング機能：未公開

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→SHARKOONの製品情報ページ