Logicool G，新型ステアリングコントローラ「PRO Racing Wheel」を発売。ダイレクトドライブ方式採用の高級モデル

　北米時間2022年9月21日，Logitech International（以下，Logitech）の日本法人であるロジクールは，「Logicool G」（日本以外ではLogitech G）ブランドの新型ステアリングコントローラ「Logitech G Pro Racing Wheel」（国内では，ロジクール G PRO Racing Wheel，以下 PRO Wheel）と，フットペダルユニット「Logitech G PRO Racing Pedals」（国内では，ロジクール G PRO Racing Pedals，以下 PRO Pedals）を9月29日に国内発売すると発表した。
　ロジクールオンラインストア限定販売の予定で，税込の直販価格は順に11万9900万，4万9940円となっている。

PRO Wheel

PRO Pedals

PRO Wheel

　PRO Wheelは，PCおよびPlayStation 5，PlayStation 4向けのステアリングコントローラで，Logitech Gとしては初のダイレクトドライブ方式を採用した製品だ。ハンドルに伝わるリアルな感触と，高い耐久性を備えているのが特徴となっている。

　Logitechは，本製品の開発に当たって，長期間に渡ってユーザー調査をしてきたという。その結果，レーシングシミュレータ（以下，レースシム）を熱心にプレイするゲーマーが求めているのは，ハンドルやペダルに伝わるリアルなフィードバックだったそうだ。また，調査に参加した半数以上のゲーマーが，毎日平均3時間以上，レースシムをプレイしているとのことで，高頻度かつ長時間の使用に耐えられる耐久性が必要なことも分かった。
　
　そこでLogitechが採用したのが，ダイレクトドライブ方式だ。ダイレクトドライブは，比較的高価なステアリングコントローラに用いられる駆動方式となる。「Logitech G923 TRUEFORCE Sim Racing Wheel for Xbox, Playstation ＆ PC」（以下，G923）など，既存のLogitech製ステアリングコントローラは，ハンドルの駆動部分に複数の小さなモーターを内蔵しており，ギアと組み合わせることで，発生したフィードバックを増幅して伝えていた。
　それに対してダイレクトドライブ方式は，1基の大型モーターで駆動しているので，強い力のフィードバックが得られるという。たとえば，従来製品の場合，ハンドルにかかるトルクの強さが2.3Nmだったのに対して，ダイレクトドライブ方式を採用したPRO Wheelは，最大で11Nmへと大幅に強くなった。

PRO Wheelは，1基の大型モーターでフィードバックを発生させるDDを採用する。稼働する部品点数も減らせるので耐久性も高い

　競合製品の中には，20Nmという非常に強いトルクを発生できるものもあるが，最大値で使われるケースは少ない。多くのユーザーが，6〜10Nmの間で利用していることから，PRO Wheelでは最大11Nmに決まったそうだ。
　それに加えて，ダイレクトドライブ方式は，大きな力を発生できるだけでなく，非常に小さな力も細やかに伝えられるという。
　その特徴を最大限に生かすのが，Logitech独自の「TRUEFORCE」だ。TRUEFORCEは，G923で採用となった技術である。一般的なステアリングコントローラが取得していないゲーム内の情報を得ることで，よりリアルなフィードバックを伝えるという。
　たとえば，路面の状況や落ちている石を踏んだ感触なども，データとして取得できるそうだ。TRUEFORCEで取得したデータをもとに，PRO Wheelではより細かな感触まで伝えられるという。

PRO Wheelをひと足早く体験した，Sengoku Gaming所属の川上奏選手によると，縁石の感触をリアルに判断できるという。また，既存製品では，ハンドルを動かしはじめたときに，軽くギアに当たる感触があったが，PRO Wheelはスムーズだそうだ

　ハンドル自体にも改良が加えられている。PRO Wheelは，実際のレーシングカーと同じように，ハンドル部分が外せるクイックリリースホイールとなっているのが見どころだ。通常，クイックリリースホイールに対応すると，ハンドルの重量が重くなってしまうのだが，PRO Wheelは比較的軽くなっているという。
　
　ハンドルの裏側に搭載するパドルは，磁気式のスイッチを採用しており，摩耗による劣化を防いでいる。また，Logitech Gの総合設定ソフトである「G Hub」から，パドルに対してシフト操作以外に，アクセルとブレーキといった操作を割り当てられるのもポイントだ。

磁気式スイッチを採用したパドル

なるべく親指だけで操作できるようにしたボタン

　そのほかにも，ハンドルの感度やトルクなどを，ゲームをプレイしている最中に変更できたり，あらかじめ設定したプロファイルを最大5つ保存したりといった機能を備えている。PCやゲーム機などプレイする環境や，操作する車種に合わせて，プロファイルを切り替えることも可能だ。
　
　

PRO Pedals

　一方のPRO Pedalsは，ブレーキペダルが押し込まれた距離ではなく，踏み込んだ圧力を感知するロードセルブレーキを採用しており，実際の車に近い感触を得られるのが特徴だ。

ロードセルブレーキを採用

　カスタマイズ性の高さも特徴となっている。各部品はモジュラー式となっており，簡単にペダルの位置や角度の調整が行える設計になっているという。また，サードパーティー製のパーツと組み合わせて，ペダルをオルガン式から吊り下げ式へと変更できるそうだ。

レールに合わせてべダルの位置を変更できるだけでなく，ペダルの角度調整も簡単に行えるという

　また，PRO Pedalsには，反発力調整用のバネと，ブレーキを踏み切ったときの感触を伝えるエラストマー製のゴムが付属しており，好みに合わせて変更できるとのことだ。

交換用のバネとエラストマー

　Logitechによると，PRO WheelとPRO Pedalsは，既存製品の後継製品ではなく，最上位モデルに位置するものになるという。Logitechにダイレクトドライブ方式のステアリングコントローラを期待していた人は多いだけに，注目の製品となりそうだ。

LogicoolのPRO Wheel製品情報ページ

LogicoolのPRO Pedals製品情報ページ