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3Gレーザーセンサー搭載,「Razer Lachesis」ファーストインプレッション
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印刷2007/10/27 13:42

テストレポート

3Gレーザーセンサー搭載,「Razer Lachesis」ファーストインプレッション

Razer Lachesis。正直な話,シンガポールのRazer本社から届いたのは3日前,10月24日である
画像集#002のサムネイル/3Gレーザーセンサー搭載,「Razer Lachesis」ファーストインプレッション
 GC 2007で発表された,Razerによるゲーマー向けマウスの新型「Razer Lachesis」(以下,Lachesis)。「ラキシス」という名のヘビから付けられた新製品は,2007年秋における同社のフラグシップモデルとなる。
 11月の発売が予定されるLachesisについて,4Gamerでは一足早く製品サンプルを入手したので,製品評価に先立ち,まずはどんな製品なのかをチェックしてみたい。


持ちやすいデザインは好印象

スペック面に不満はない


 さて,製品の位置づけや形状については2007年8月23日の記事で概要をお伝えしているが,あらためて写真とともに確認しておこう。

画像集#003のサムネイル/3Gレーザーセンサー搭載,「Razer Lachesis」ファーストインプレッション
真上から
画像集#004のサムネイル/3Gレーザーセンサー搭載,「Razer Lachesis」ファーストインプレッション
真横から
 Lachesisは,両手のどちらでも操作できる左右対称の9ボタンマウスで,ラバーコートされた大きなメインボタンがそのまま本体を覆うようなシルエット,左右それぞれ2個ずつ搭載する大きなサイドボタンから受ける印象は,さながら「『Razer DeathAdder』(以下,DeathAdder)の両手用モデル」だ。ただし,マウス本体(=メインボタン)の傾斜は非常になだらかで,DeathAdderのつもりで持とうとすると,少々違和感を覚えるはずである。筆者の場合,最初は小指が誤って本体右側のサイドボタンを押してしまうことがあった。

 もっとも,(メインボタンを人指し指と薬指で押し,スクロールホイールを中指で操作する筆者の場合)2〜3分の試行錯誤ですぐ“正しいLachesisの持ち方”が理解できたから,DeathAdderや「Microsoft Habu」(以下,Habu)といった,右手用マウスのイメージを事前に強く持ちすぎたりしなければ,すぐ慣れると思われる。本格的に触り始めてから日が浅いので断言まではしないが,いわゆるつまみ持ちタイプのマウスとしては,比較的持ちやすいほうではなかろうか。

4Gamerの比較用リファレンス「MX510 Performance Optical Mouse」(どちらの写真でも右)と並べてみた。若干小ぶりである。ちなみにスペック上の本体サイズは128gで,ケーブルを含めた総重量の4Gamerによる実測値は132g
画像集#005のサムネイル/3Gレーザーセンサー搭載,「Razer Lachesis」ファーストインプレッション 画像集#006のサムネイル/3Gレーザーセンサー搭載,「Razer Lachesis」ファーストインプレッション

白色LEDが埋め込まれているLachesis。Razerロゴ部分はゆっくりと明滅を繰り返す
画像集#007のサムネイル/3Gレーザーセンサー搭載,「Razer Lachesis」ファーストインプレッション
 スクロールホイールは一周24刻みで,ホイールボタンとして使うことが考慮されたもの。「いつものRazer製マウスと同じ」と言ってよさそうだ。ゲーム用途だと有効な使い方が考案されているとはいい難いチルト機能は,今回も採用が見送られている。
 なお,機能的にはどうということもないのだが,今回シンガポールから送られてきた個体は白色LEDを搭載していた。製品版では白と青,2色のLEDが用意されているので,この点は付記しておきたい。

Razer 3G Laser Sensor周辺。センサーが新しくなったから……かどうかは分からないが,使っていると温かくなってくるようなことはない
画像集#008のサムネイル/3Gレーザーセンサー搭載,「Razer Lachesis」ファーストインプレッション
 “数字関係”も,ざっと押さえておこう。解像度設定に関しては後ほど詳しく述べるので,ひとまずここではさらりと流しておくが,Lachesisは「Razer 3G Laser Sensor」と名づけられた第3世代のレーザーセンサーを搭載しおり,最高では4000dpi設定が可能になっている。2007年9月21日に発売されたLogitechの「G9 Laser Mouse」,そしてDeathAdderとの違いはにまとめたが,じっくりとテストする必要のあるレーザーセンサーを除くスペックに,不満を感じるような部分はないといっていい。

※1 「幅広グリップ」装着時
※2 「ドライグリップ」装着時
画像集#009のサムネイル/3Gレーザーセンサー搭載,「Razer Lachesis」ファーストインプレッション


大きく変わった設定周り

Razer Synapseの積極活用が使い勝手を変える?


 Lachesisの場合,どうしても第3世代レーザーセンサーが注目されるが,むしろそれ以上に大きなトピックといえそうなのが,専用コントロールパネル「Razer Configurator」を中心とした設定周りである。とくに印象的なのが以下の3点だ。

  1. 解像度設定は内蔵フラッシュメモリ「Razer Synapse」に保存
  2. キーバインド設定「Profile」もRazer Synapseに保存
  3. Profileはアプリケーションの起動に合わせた自動切り替え対応

 まあ,いってしまえば「他社製品ではすでに実装されていた便利な機能が,ようやくRazer製品にも実装された」だけ。しかし実際に使ってみると,やはり便利だったりするのである。
 例えば解像度設定は,専用コントロールパネルに用意された「Dpi Switcher」を利用して,125dpi刻みの目盛りから5段階をプリセットする仕様になっている。段階を増やしたり減らしたりはできず,常に5段階。その5段階を125〜4000dpiの中からあらかじめ選択するのだが,設定内容の保存先がRazer Synapseになっているというわけだ。

Razer Configuratorのメインウインドウ。左下に見える目盛りと楔(くさび)が解像度変更ツールのDpi Switcherだ。その上に500/1000/1500/2000/4000と見えるが,これが楔によって設定されたDPI設定値で,楔を動かせば値も変わる
画像集#010のサムネイル/3Gレーザーセンサー搭載,「Razer Lachesis」ファーストインプレッション

スクロールホイールの近くに用意された2個のボタンには,標準で解像度変更が割り当てられている
画像集#015のサムネイル/3Gレーザーセンサー搭載,「Razer Lachesis」ファーストインプレッション
 そして設定変更は,スクロールホイールの近くにある2個のボタン――別のボタンにバインドすることも可能だが,変更する理由はとくに見当たらない――から行える。Habuにも搭載されていたこの解像度変更ボタンだが,Razerブランドのマウスが用意してきたのは今回が初めて。従来製品だと,そもそもボタンでは解像度設定を変更できなかったり,変更機能をサイドボタンに割り当てねばならなかったりしただけに,この方針転換は歓迎したい。

 一方,ドライバソフトベースで提供されるセンシティビティ設定周りは,従来と変わらない。要するに初見では何をどう設定していいかさっぱり分からないままなのだが,設定変更に当たって押さえておくべきポイントも変わっておらず,いったん慣れてしまえばまずまず使いやすいのも,これまでどおりだ。いろいろ変更してみたくなったら,下に示す手順で試してみるといいだろう。

  1. メインメニューの左にある「Sensitivity」「Advanced Settings」の「▲」をクリックして両方開く
  2. 下に示したスクリーンショットのような状態になったら,Windowsのコントロールパネルに用意されるマウスの設定項目にある「ポインタの速度」と完全に連動する「Win Pointer Speed」を中央に合わせる
  3. 「Acceleration」の「On」をクリックして緑色のライトを消す。これでポインタの加速がオフになる
  4. 「Sensitivity」を変更する。解像度設定とも連動するので,よく分からなければスライダを一番上に
  5. マウスパッドの形状が理由などで,縦横の感度を個別に設定したい場合は,Master Sensitivity Controlの「on」をチェックして,「X-AXIS」(X=横軸)「Y-AXIS」(Y=縦軸)を変更する
  6. 設定が終わったら必ずメインウインドウ右下の「Apply」をクリック。これで設定が正式に反映される

非常に取っつきにくいセンシティビティ設定周り。スクリーンショットではポインタの加速がオフになっている。オンの場合は「On」の文字が緑色に光る
画像集#011のサムネイル/3Gレーザーセンサー搭載,「Razer Lachesis」ファーストインプレッション

Razer製マウスのユーザーにはお馴染みのOn-the-Fly Sensitvity。専用コントロールパネルの「Sensitivity」と連動する
画像集#012のサムネイル/3Gレーザーセンサー搭載,「Razer Lachesis」ファーストインプレッション
 ところでRazer製マウスには,ゲーム中にボタンとスクロールホイールの組み合わせでセンシティビティ設定を切り替える「On-the-Fly Sensitvity」が定番機能として存在する。ただこの機能,全19段階をスクロールホイールで切り替えるという仕様だったため,ゲーム中に思ったところへ切り替えるのはかなり難しかった。
 その点Lachesisではボタンによる5段階切り替えなので,広義のセンシティビティ設定はかなり使いやすくなっている。Razerに確認したところ,同社もLachesisではボタンによる解像度切り替えを推奨するとのことだったので,On-the-Fly Sensitvityを使う機会はまずないのではなかろうか。

 続いてProfile(プロファイル)だが,最大5パターンのキーバインド設定=プロファイルについて,アプリケーションの起動に合わせて自動的に切り替える機能「Auto Switching Override」を併用できるようになったのが大きい。「プロファイル切り替えボタン」を割り当ててそれをクリックしたり,あるいは本体底面に用意された「Profile Button」を押したりすることでも切り替えられるが,ゲームを起動すると,それに合わせて自動的にプロファイルが切り替わるのは圧倒的に便利だ。登録の仕方には少々クセがあるのだが,

  1. メインメニューの中央より下にある細長い枠をクリックして,Profileメニューを開く(※デフォルトはなぜかProfile 2だった)
  2. 任意でProfileに名前を付け(※日本語も付けられるが,メインメニューでは文字化けする)
  3. 必要に応じてアプリケーションの実行ファイルを指定し
  4. 自動切り替えさせたい場合は「Auto Switch」にチェックを入れ
  5. 「▲Profile Selection」を押してProfileメニューを閉じる

メインメニューのProfileが切り替わったら,やっとキーバインドの時間だ。「プロファイル変更→キーバインド」という順番を間違えると設定で混乱しやすいので要注意
画像集#013のサムネイル/3Gレーザーセンサー搭載,「Razer Lachesis」ファーストインプレッション
 といった操作を行うと,メインメニューに表示されているProfileが無事切り替わるので,その後,キーバインドを行って「Apply」を押すというのが正しい流れ。このとおり処理すれば,そう引っかかることなくキーバインドを設定できるはずだ。このとき,Dpi Switcherで緑に光っている解像度が,プロファイル切り替え時のデフォルト解像度になるので,気になる場合は変更しておくのがよさそうだ。
 ただし,今回「Unreal Tournament 3」のデモ版で試したところ,ゲームを起動したとき,プロファイルは自動的に切り替わったり,切り替わらなかったりした。どういう条件で切り替わらない問題が発生するのかはよく分からないが,このあたりはドライバのアップデート待ちだろう。プロファイルの自動切り替えが問題なく利用できるかどうかは,Lachesisの使い勝手を大きく左右すると思われるだけに,早期の完成を望みたい。


現時点では評価できるレベルにない

アップデート&設定ツールの登場待ち


 以上,使い勝手に関する重要なポイントについてまとめたが,ゲーマー向けマウスとしての基本的な部分がどうなのかというと,ドライバ/ファームウェアバージョンともに1.00という現時点において,残念ながらLachesisの完成度はまだ,評価できるレベルに達していない。

現時点でのソフトウェアでは,SteelPad QcK Massで挙動がおかしくなった。一般にバージョン1.00は正式公開版なのだが,Razerの場合は安定するまでもう少しかかりそうだ。深くは触れないが,今回のバージョンではマクロ機能も動作しなかった
画像集#014のサムネイル/3Gレーザーセンサー搭載,「Razer Lachesis」ファーストインプレッション
 そう断じる最大の理由は,やはりというか何というか,レーザーセンサー周りの完成度だ。今回筆者は金属製の「Razer eXactMat」および布製の「SteelPad QcK mass」,2枚のマウスパッドで試したのだが,解像度設定が高い状態で,メインボタンをクリックするとき,その振動にセンサーが反応してマウスカーソルが動いてしまうという問題が後者で発生した。FPSでは照準が狂ってしまい,精密な射撃がまるで行えないのだ。
 ちなみにRazerは「柔らかい素材のマウスパッドと組み合わせて,3000dpi以上の設定を行ったときにこの問題が発生する」と認識しているとのこと。現在,ドライバ&コントロールパネルとは別に,マウスの感度を調整して,ソフトな材質のマウスパッドで使うときにはマウスの反応をやや鈍くするソフトウェアツールを準備中という。発売までにツールがどれだけの完成度になっているのか,非常に気になるところだ。


 というわけで,現時点ではこれ以上踏み込めず,いささか消化不良なのだが,課題は明確。ソフトウェア的にきちんと評価できるレベルで発売されることを期待して待ちたいと思う。


※お詫びと訂正:初出時に「LEDは製品版で白色に変わった」とありましたが,実際には白だけでなく,青色も用意されます。お詫びして訂正いたします。
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    Razer

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