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[TGS 2006#28]Sandio Technologyブースで“3Dマウス”の正体を見る
M-3D1URについて簡単に説明しておくと,これはX/Y/Z軸の移動,あるいはPitch/Yaw/Roll軸の回転を割り当てられる,6軸自由度を持つレーザーセンサー搭載マウスである。ただし,ブースで話を聞くことができた,エレコムの商品開発部 PCD課 主任である寺門修司氏によれば,「割り当てられる」といっても,ユーザー側で好きな操作をバインドできるわけではないという。
「例えばGoogle Earthといったように,『当該アプリケーション用に最適な操作を割り当てた常駐ソフト』により,そのアプリケーションで3D操作を行えるようにします」とのことだ。
プロファイル(=常駐ソフト)に関して寺門氏は「3Dゲームと3D CADの両方をターゲットにしている」という。現在のところ,Sandio Technologyでは「Unreal Tournament 2004」と「Rome: Total War」に対応しているとのことだが,氏は「日本では,この2本では苦しい」と,国内デベロッパやパブリッシャなどとの話し合いを進めていきたいとした。発売まで,そして発売後も,努力を続けていくという。
エレコム一社ではできることに限界がある。プロファイルのSDK(ソフトウェア開発キット)を提供するなどして,ユーザーが自分でプロファイルを作れるようになれば,対応ゲームなども増えそうだ。この点を指摘したところ「そのとおりです。できることなら制約はつけたくない。ただし,エレコムはマスマーケットをターゲットにしている企業なので,『SDKだからサポートしません』というのは,なかなか通りづらい」と,苦しい胸の内を明かしてくれた。ただ,自己責任で動ける人に向けたSDKの提供は検討しているそうなので,今後に期待したい。
■アクションゲームには厳しいかもしれないが
■回転は使い方次第で便利かも
さて,最後に簡単ながら,Google Earthで使ってみた限りの感想を述べておこう。
Google Earthは,FPSに似た一人称視点で,3Dで描画された地球上を移動できるアプリケーションだが,ここでは左右に配置された二つの“方向ボタン”を前に倒すと視点前方向へ,後ろに倒すと後方へ進む。そして,例えば向かって右側を手前,左側を奥へ倒すと,自分を中心に右へ回転する。
ただ,アクションがそれほど求められないタイトルで,さらに画面を回転させることがゲームのプレイしやすさに直結するようなタイトル――MMORPGや,一部のストラテジーだろうか――なら,片手でプレイできることがメリットになる可能性はある。このあたりは,実際にプロファイルが用意される発売時点で,また試してみたいところだ。
なお,ブースには,3Dマウスの次世代コンセプトモックアップもいくつか展示されている。TGSも残り1日となったが,日曜日に参加する予定の人は,チェックしてみるといい。Sandio Technologyのブースはホール2,階段の近くにある。(佐々山薫郁)
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