Microsoftのブースでは,国内未発売のマウスやキーボードが多数展示されていた。その中でも注目したいのは,同社初のワイヤードレーザーマウス
「Microsoft Laser Mouse 6000」だろう。
Microsoft Laser Mouse 6000については,2005年9月7日の記事で第1報をお伝えしているが,サンプルを触ってみて,意表を突かれたのがマウスホイールである。従来のMicrosoft製マウスと同じような外観のホイールを装備しているので,チルトホイールかと思いきや,上下スクロールのみの対応となっている。しかも,ホイールを回したときに,
カチカチという小気味よいクリック感が指に伝わるのだ。最近の同社製マウスが搭載するチルトホイールは,回したときのクリック感がまるでなく,ぬめっとした感じだが,あれとはまったく異なる。あのぬめっとしたホイールを使いにくいと感じていたゲーマーは少なくないはずで,この点は歓迎されそうである。
この仕様について日本法人であるマイクロソフトのスタッフに話を聞いてみると,チルトホイールよりも,上下スクロールのほうが使いやすく,また,クリック感のあるホイールのほうが,誤動作なくホイールを操作できるからという。ゲーマー向けマウスにおいて,Microsoftがチルトを捨て,Logitech(ロジクール)がチルトを新たに採用したというのは興味深い。
ただし,右利き/左利きを問わず利用できる左右対称デザインで,サイドボタンは左右一つずつ。このため,ホイール上下を除くとボタン数は5個であり,他社製のゲーマー向けマウスとして少ない。これは"乗り換え"を考えると少々不利だろうか。
ちなみに,Microsoft Laser Mouse 6000が持つ「Gaming Toggle」は,単なるキーバインド機能である。Toggle(トグル)という単語からは,ボタンの少なさを切り替えスイッチのようなもので補うかのような印象も受けるが,どうやらそうではないようだ。
WPC EXPO 2005の会場で配布されていたカタログでも,Microsoft Laser Mouse 6000のスペックとして,1000dpiとは謳われていない。6000fpsとも謳われておらず,この点はデータシートと異なるが,これはカタログのミスだろうか
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また,気になる解像度とフレームレートは,順に
800dpi,6000fpsであることが明らかになった。これは,Microsoftが公開している
データシート(クリックするとPDFファイルをダウンロード)からも明らかだが,最新のワイヤードレーザーマウスとしては,他社製品と比べてスペック面で見劣りするのは事実だ。このあたりは,久しぶりのゲーマー向け製品というハンデがあるかもしれない。
米国ではすでに発売されているMicrosoft Laser Mouse 6000だが,国内発売日は「今冬」(マイクロソフト)で,これ以上は明らかにされなかった。また,価格も不明だ。ただし,「マウス製品シリーズとして,価格は3000〜7000円の間に収まる」とのこと。米国価格が54.95ドルであることから,6000円くらいかどうか尋ねてみたところ,とくに否定されなかったことは付記しておきたい。
このほかの製品については,写真とともにざっと説明してみた。気になる製品があれば,WPC EXPO 2005の会場で実際に見てみるといいだろう。(石井英男)
上段左:先に発表された新型マウスの中では最上位に位置するワイヤレスレーザーマウス「Microsoft Wireless Laser Mouse 6000」。解像度は1000dpi,フレームレートは6000dpiだが,こちらはMicrosoft製マウスらしい,ぬめっとした感触のチルトホイールを装備する。27MHz帯を利用し,電波の到達距離は約1.8m。単3電池2本で約6か月の動作が可能という。最上位なので,おそらく7000円程度で発売されるだろう
上段中央:コンパクトなワイヤレスレーザーマウス「Microsoft Wireless Notebook Laser Mouse 6000」。主にノートPC向けで,やはりチルトホイールを装備。電波の到達距離は約1mで,単3電池1本で約6か月動作可能とのことだ。価格は6000円前後になると予想される
上段右:コンパクトな光学式4ボタンワイヤレスマウス「Microsoft Wireless Notebook Optical Mouse 4000」。これも主にノートPC向けで,光学センサーを搭載すること以外の仕様はMicrosoft Wireless Notebook Laser Mouse 6000とよく似ている。こちらは5000円前後の価格になりそうだ
下段左:Microsoft Wireless Notebook Optical Mouse 4000の底面。同製品とMicrosoft Wireless Notebook Laser Mouse 6000では,USB接続のレシーバを本体の下部に装着できる
下段中央:Microsoft Wireless Notebook Optical Mouse 4000では,マウスのおしりの部分から電池ボックスが出てくる構造になっている。Microsoft Wireless Notebook Laser Mouse 6000も同じ構造だ
下段右:エルゴノミクス(人間工学)デザインに基づいて設計された「Microsoft Natural Ergonomic Keyboard 4000」。長時間使っても疲れにくいという。パームレストは革張り調仕上げ。中央にズームスライダを搭載しているほか,上部にユーザー設定ホットキーを5つ装備している。11月4日発売予定で,メーカー希望小売価格は5985円(税込)
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