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AMD,ATI買収を発表
合併といっても,実質的にはAMDによるATIの買収。買収金額は54億ドル(約6270億円)で,ATI株主やアメリカ合衆国/カナダ当局の承認を得た後,2006年第4四半期に買収完了となる見込みとなっている。
合併後の新会社では,引き続きAMDの会長兼CEO,Hector de J. Ruiz(ヘクター・ルイズ)氏と社長兼COO,Dirk Meyer(ダーク・マイヤー)氏の“2枚看板”を継続。本社も現AMDのある米国カリフォルニア州サニーベールに置かれる。 なお,ATIの社長兼CEOであるDave Orton(デイヴ・オートン)氏は副社長(Executive Vice President)として,新設されるATI部門のトップとなる予定だ。
新会社の年間売り上げは73億ドル,従業員の数はざっと1万5000人程度。これによってAMD+ATIは,CPUからチップセット,GPU(グラフィックスチップ),デジタル家電&携帯機器向けシステムオンチップ(SoC)に各種プロセッサといった,守備範囲の非常に広いチップメーカーとなる。
短期的に見て,すぐにでも合併のメリットが出てきそうなのはチップセットだ。消費電力の低さで定評のあるATIのモバイル向けチップセットは,ノートPC市場へ進出しようとするAMDにとって,強い味方となると思われる。さらに,Windows Vista対応の3Dグラフィックスコアまで自前で用意できるようになるわけで,この合併がもたらすメリットは計り知れない。同時に,AMDからしてみると,ファブレス(工場を持たない)メーカーであるATIの買収によって,急激に上がった自社工場の製造能力を生かし切れるようになるというメリットが生まれる可能性もある。
もちろん,別記事で指摘しているように,すべてがうまくいくかどうかはまだ分からない。実際,両社の日本法人である日本AMDとATIテクノロジーズジャパンに問い合わせたところ,いずれも「直前まで知らなかった」「これからじっくりと協議して,今後について決めていく」と口を揃えており,“まず買収(合併)ありき”の雰囲気が見て取れた。合併の具体的な効果がどう現れてくるかは,買収完了後,しばらく経ってからのことになりそうである。
なお,海外のサイトが報じている内容によれば,NVIDIAは今回の件にかかわらず,AMD用チップセットの供給を続けていくとのこと。ただし,残念ながら現時点で同社国内スタッフのコメントは得られていないことは付記しておきたい。(佐々山薫郁)
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