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レビュー
4月2日発売のPC版「セイクリッド2 日本語版」は,こんなに違うんだから! というわけでPC版レビュー
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本作は「ディアブロ」に代表されるハック&スラッシュ系のRPGだ。ゲームの舞台となるアンカリアという世界は,35平方kmという広大なフィールドからなり,地域ごとにさまざまな種族が生活している。この地には「T-エネルギー」と呼ばれる強大な力が存在し,それらを巡って種族間での戦争が勃発しているが,プレイヤーはこの戦争を「ライト」「シャドウ」という二つの立場で体験でき,どちらにつくかで物語の展開が変化していく。
プレイヤーは,主人公として「シャドウウォーリアー」「セラフィム」「ハイエルフ」「ドライアド」「インキュイジター」「テンプルガーディアン」の6種類の種族の中から好きなものを選び,育てていくことになる。大まかなキャラクターパターンはこの6種類だが,スキルや,種族ごとに用意されたコンバットアーツ(いわゆる必殺技)を習得することができ,この育成の仕方次第でキャラクターはどんどん変わっていくのが特徴の一つといえる。
また,ハック&スラッシュ系のRPGでは,敵を倒したり世界を探索してレアアイテムを集めるのが醍醐味だが,アイテムも膨大にありコレクター魂をくすぐられること請け合いだ。
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2010年2月にはPlayStation 3版,Xbox 360版がスパイクから発売されており,4Gamerのレビュー記事がすでに掲載されているので,基本的なゲーム内容については,そちらも参考にしてほしい。本稿ではPC版に的を絞り,その特徴を見ていきたい。
「セイクリッド2」(PS3/Xbox 360)レビュー
コンシューマ版とは大きく異なるインタフェース
PC版はここが違う
PC版セイクリッド2を実際に遊んでみたところ,基本的な内容はスパイクから発売されたコンシューマ版と同じ模様。メニューまわり,クエストのテキスト部分などが同様にローカライズされており,一部男性NPCのセリフが女性の言葉遣いで違和感があったり,一般のNPCは話しかけてもテキストウインドウが出なかったりなど,翻訳まわりで気になった部分についてもコンシューマ版と同じ。これは筆者の推測だが,ローカライズの作業に使用した素材を,両社が共有しているためではないだろうか。
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難度は「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」「NIOB」(ニオブ)で,これはコンシューマ版と同様。さらにPC版オリジナルの要素として,「ハードコア」というルールが追加されている。これは難度設定とは別物で,ゲーム内でキャラクターが死んでしまった場合にデータの引き継ぎができず,最初からやり直しとなる過酷なモードだ。
難度ゴールドから上は,レベルが60以上必要な上級者向けとなっており,まずは一度プレイし,必要レベルまで上げなければ挑むことはできない。難度はシルバーでも結構歯ごたえはあるので,まずはブロンズで始め,遊びながらゲームのシステムに慣れていくといいだろう。
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さて,PC版のプレイフィールだ。筆者はXbox 360版でも遊んでいたのだが,PC版は最初,画面内にたくさんのボタンがあり,UIの違いに結構戸惑った。基本的な操作方法としては,マウスまたはキーボードでキャラクターを操作し,各種ウインドウにショートカットでアクセスし,マウスでNPCをクリックして会話したり,敵を選択して攻撃したり,というものだ。
キーボード移動は,デフォルトではW/Sで前進/後退,A/Dでカメラを回転させるので,FPSの操作に近い印象だ。マウスのポイントクリックによる移動もできる。普段からPCゲームに,とくにMMORPGなどに慣れ親しんでいる人なら,すんなり溶け込める操作感だ。なかなか使うキーが多く,最初は試行錯誤しながらのプレイとなったのだが,ショートカットを覚え始めた頃から,PC版の操作のほうが快適にプレイできるようになっていった。
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コンシューマ版では「武器(通常攻撃)」「コンバットアーツ」を最大12個選んでボタンに割り当てられたのだが,PC版ではコンバットアーツ専用のスロットが最大で四つ(最初は一つ,レベルが上がることで拡張される),武器スロットが独立して四つ,コンバットアーツのうち「バフ」を装着する専用スロットが最大三つ(「精神集中」のスキルが必要)という形になる。
コンシューマ版では,12スロットのほとんどにコンバットアーツを登録する人が多かったと思われるので,四つまでしか登録できないPC版の場合,「コンボ」(複数のコンバットアーツを組み合わせ,一つのスロットにまとめるというもの)について,頭を使う必要がある。とはいえ,すべてのコンバットアーツをまんべんなく使いたいという人は限られるだろうから,基本的に大きな差はないと考えてよいだろう。
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セイクリッド2では,冒険をするたびにさまざまなアイテムを入手できる。コンシューマ版ではアイテムごとに重量があり,一定量以上を持ち運べなかったが,PC版ではアイテムの重量がなく,代わりにグリッドで管理されている。例えばポーションや指輪などは1マス,鎧やブーツは4〜6マス,大型の武器は6〜8マスといった具合で,インベントリは12×15マスの全180マスしかないので,このスペースに収まる分しか持ち歩けない。
持ちきれないものは,店に売ったりスクラップにしてお金に換えたり,一部の街に設置されている「ヒーローチェスト」(箱)に収納して保管したり,といったことが可能だ。ヒーローチェストには複数のキャラクターでシェアできる共有スペースと,キャラクター専用のスペースが用意されており,こちらはインベントリより広く,それぞれ13×25マス(325マス)となる。コンバットアーツの習得に必要なルーンや,レアな装備品,ポーションなどは共有スペースに入れておけば,キャラクター間で相互利用できるので便利だ。
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また,アイテムにはレアリティが設定されており,コンシューマ版では星の数でレア度を表していたのに対し,PC版ではアイテムの文字色で判別可能になっている。価値の高さは「グレー」→「ホワイト」→「ブルー」→「イエロー」→「ゴールド」→「オレンジ」の順で,ゴールドやオレンジのアイテムはなかなか入手できない。
また「グリーン」で表示されるアイテムは「セット装備」で,単体でも性能がかなり高いが,一式揃えるとさらにボーナスが発生する。これをコンプリートするのはなかなか大変だが,ぜひ一度はフルコーディネイトしてみたいものだ。
筆者のキャラクターで最もやりこんでいるものは,すでに15時間以上遊んでいるのだが,オレンジのアイテムは,とあるクエストのクリア報酬でもらった剣,一つだけである。毎晩,レアアイテムを求めて旅に出,気がついたら夜が明けてたなんてことが多々あり,正直笑えないのだが,アイテム探しはハマったら止められなくなる面白さだ。
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個人的に痛かったのが,ポータルの使用条件だ。コンシューマ版ではマップから起動しているポータルを選択すれば,どこからでもワープできたが,PC版では少々バージョンが古いようで,ポータルまで移動して選択することでマップが開き,そこからアクティブになっているポータルを選ぶという仕組み。近くにポータルがない場合は,そこまで移動しなければならず,ちょっと手間を感じた。PC版でも拡張パックを導入することで,マップから直接行きたいポータルを選択して移動する機能が導入されているようだが,日本語版では現状使えず,その点が残念である。
そんなわけで,ポータルを利用するために頻繁に街を訪れることになるが,ここで気づいたのは街中でのローディングである。コンシューマ版ではHDDにインストールしても街中で一定区間ごとにロードが発生し,ちょっとテンポの悪さを感じていたが,PC版にはそういったことがなく快適に遊べるのは嬉しい。
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ほかに,TABキー(初期設定)を押せば,今いる位置を俯瞰視点で確認できるという,PC版独自の機能がある。これを使えば複雑に入り組んだ場所など,どうやって移動すればいいかを確認できるので,とても便利だ。明るくなっている部分がすでに通った場所,黒い部分はまだ行ってない場所というのも分かるので,マップを踏破するときにも有用だろう。
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GPU PhysXでここまで変化!
PC版ならではのリッチな演出に注目
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GPU PhysXを有効にしたPC版は,風が吹くと落ち葉が舞い上がるなどの自然描写や,コンバットアーツを使ったときや,ボスの攻撃時のエフェクトが,より派手になっているのを確認できる。以下にGPU PhysXを有効/無効にしたときの描写の違いを載せるので,見比べてほしい。なお,本作でGPU PhysXを利用するには,GeForce 8800以上のGPUが必要だ。
1.フィールドへの影響
GPU PhysXを有効にしたとき,まず気づいたのが舞い上がる落ち葉の描写だ。風が吹くと草原が揺れ,落ち葉がヒラヒラ舞い,そこをキャラクターが駆け抜けると,移動時に生じる風で風で葉っぱも吹き飛ぶような演出がされる。
一方,GPU PhysXを無効にすると,落ち葉そのものがなくなっていて,どこか味気ない印象に見えてしまう。Xbox 360版はどちらかといえば,後者に近い。
また,セイクリッド2では天候が変化するシステムもあり,晴天から雷雨になることもあるが,このときGPU PhysXが有効ならば雨と一緒に風で落ち葉が舞い上がり,まるで暴風雨の中にいるかのような演出がなされる。GPU PhysXが無効だと雨が降るだけだ。
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2.コンバットアーツ使用時の演出の違い
コンバットアーツを使ったときにGPU PhysXの効果が現れる例を,いくつか紹介しよう。セラフィムは「ディバインライト」という,空から一点に光を集め攻撃するというコンバットアーツを持っているが,GPU PhysXが有効ならば光が差すと同時に空気の流れに変化が出て,周囲の落ち葉や小石が吸い込まれ,宙に舞い上がるという演出がされる。
テンプルガーディアンの「アンタッチャブルフォース」というコンバットアーツは,自身の周囲にオーラを展開させるのだが,GPU PhysXが有効なら周囲の小石や落ち葉がオーラの干渉によって弾き飛ばされるという演出がされる。
コンバットアーツはPhysXを有効にする/しないで描写が大きく変化する。見た目もより華やかになって楽しいので,ぜひともGPU PhysXを使って遊びたいところだ。
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3.ボスの攻撃時の演出の違い
クエストを進めていくと,道中で数多くのボスが登場するが,その中でGPU PhysXの効果が特に現れているなあと感じたのが,第二章で登場する巨大ゴーレム「ガルコロッサス」と戦ったときだ。ガルコロッサスは地面に拳を叩きつけ,無数の岩を落とす攻撃をしてくるのだが,このときの描写がまるで違って驚いた。GPU PhysXを有効にしていれば,地面を殴ったときに衝撃波が発生すると同時に大量の小石がまき散らされるのに対し,無効にしてた場合は衝撃波が描写される程度。ここまで違いがあるものなのだ。
また,第六章では「渦巻く瘴気」という霧状のボスが登場するが,GPU PhysXが有効ならばボスが気体で空を漂っているという性質上,動くと空気の流れに変化が生じ,瘴気の動きが落ち葉へ影響を与えているというのが分かる。
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「葉っぱや石ばっかりかよ」と思うかもしれないが,この自然描写がプレイ中の気持ち良さに与える影響は,何気にかなり大きい。GPU PhysX対応グラフィックスカードで本作をプレイされる方は,ぜひ実感してもらいたい。
リッチな演出をとるか,快適さをとるか
GPU PhysXを使うと描写に大きな違いが出るということが,上記の画像を見ても分かるだろう。ただしGPU PhysXを有効にすると,描写するものが増えてしまい,フレームレートの低下につながるというのも事実だ。筆者のPCで,「Fraps」による計測を行ってみたところ,GPU PhysXを有効/無効にしたときで,10〜15フレーム程度の差がついてしまっていた。
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なお,PC版セイクリッド2を快適に動かすには,それなりのスペックが必要で,すでにちょっと古めな筆者の環境(CPU:Phenom X4 9550/2.2GHz,GPU:GeForce GTX 260,メインメモリ:PC2- 6400 DDR2 SDRAM 4GB)では,解像度を「1920×1080ドット」,グラフィックスオプションをすべて「最高」にし,アンチエイリアシング設定を「×4」,PhysXを「有効」にしたところ,フレームレートが常時10を下回っており,とてもじゃないが遊べたものではなかった。
ただし最高画質にすれば,グラフィックスがコンシューマ版を凌駕するのは間違いない。ここは性能が定まっている家庭用ゲーム機と違い,パーツで性能を向上させられるPCならではのメリットだろう。
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現在は解像度を1600×900ドットまで落とし,グラフィックスオプションは「レンダー詳細」と「エフェクト」を「高」,「影詳細」と「土のディティール」を「中」に,あとはアンチエイリアシングを「無効」,GPU PhysXを「有効」にした。これで軽いときは60フレームオーバー,重たい場所でも25フレーム前後になり,快適に遊べている。
マルチプレイにももちろん対応
PC版のマルチプレイは,シングルキャンペーンで作成したキャラクターで協力プレイが可能な「協力ゲーム」,サーバにデータが保存される「クローズドネット」,シングルキャンペーンで作成したキャラクターを使用可能な「オープンネット」,LANを利用した「LANプレイ」の四つがある。
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クローズドネットとオープンネットに関しては,ゲームを作成するときにゲームタイプを「キャンペーン」「フリープレイ」「プレイヤー対プレイヤー」から選択可能だ。キャンペーンはクエストの進行状況がセーブされ,最大6人で同時プレイが可能。フリープレイはクエストの進行状況がセーブされず,何回でも同じボスと戦えたりする。プレイヤー対プレイヤーはその名のとおり,プレイヤー同士での対戦が可能なモードだ。フリープレイとプレイヤー対プレイヤーは,最大で16人での同時プレイとなる。コンシューマ版では協力/対戦プレイともに同時接続数は4人までだったので,このプレイヤーの多さはPCならではだろう。なお,プレイヤーキャラクター同士のレベルが10以上離れていると,同じ部屋に入れない点に注意。
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ロビーに接続すれば,そのときオンラインになっているゲームルームを確認できる。サーバーは欧米が中心で,アジア圏では中国と台湾に設置されている。Pingの関係でなるべく近い国のサーバに接続したいところだが,時間帯が悪かったのか,状態のいいゲームルームにはなかなかアクセスできていない。残念。
実際マルチプレイを遊んでみたところ,どこのサーバーにつながっているのかは不明だが,ゲームを進めるうえで致命的なラグというものは見られなかった。ただ,シングルキャンペーンに比べ,攻撃するときやアイテムを拾うときに,若干遅れが出るように感じた。
広大なフィールドに,膨大なクエストの数々
やりこみゲーマー垂涎のRPG
セイクリッド2は先述のとおり,非常に広大なフィールドが舞台になっている。ゲーム内のワールドマップを最大限縮小しても一画面に収まりきらないほどで,とんでもない広さだ。冒険の舞台アンカリアには,人々が集う集落や街が方々にあり,砂漠地帯,光の当たらない地下世界,ジャングルなど,地域ごとにさまざまな顔を持っている。
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訪れた場所はマップが明るく開けていき,自分がどれくらい世界を踏破したかはパーセンテージで示される。この「世界を冒険している感」がたまらなく,今もほぼ毎日のように,新しい街や洞窟を探すのに明け暮れている。飽きるどころか,むしろどんどん世界観の理解が進んでいき,どっぷり浸かって抜け出せないような状態だ。
世界が広いうえ,各地にメインクエストとは関係のないサイドクエストや,種族固有のクエストがたくさん用意されている。その数は合計で500を超え,すさまじいボリュームだ。サイドクエストは子どものお使いを手助けするような簡単なものから,敵から依頼人を守る護衛系のクエスト,指定されたターゲットを始末する暗殺系のクエストなど,バラエティが豊富なのも優れている点といえる。
サイドクエストと種族固有のクエストに関しては,受けたからといっても,必ずクリアする必要はない。ただ,クエストはクリアすれば多くの経験値と,報酬としてアイテムやお金を得られるため,やっておいたほうがキャラクターの成長が早まるし,より冒険が楽になるというメリットがある。
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個人的なお気に入りは,実在のヘヴィメタルバンド「ブラインドガーディアン」の名を冠したクエストだ。これはバンドのボーカリストであるハンズィと話すことで発生するのだが,中身は「メタルファンのアンデッドが俺達の楽器を盗んだから,取り返してくれ」というものだ。
楽器を取り戻すとライブに招待してもらえて,CGムービーでライブを鑑賞できるのだが,屈強なオークなどモンスター達が音楽に合わせて騒いでいる光景は強烈の一言。ライブ終了後は「もうツアー終わるから楽器あげるよ」と,ギターやマイクを模した武器をもらえる。第一章の時点でもらえる武器としては,なかなか性能がいいのが嬉しいところ。ちなみに,ブラインドガーディアンは本作のテーマ曲も手がけているので,メタルファンは要チェックである。
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キャラクターの育成は,本作における楽しい要素の一つ。どのスキルを選ぶか,どのコンバットアーツをメインに使うかで,キャラクターの個性にも違いが出てくる。例えば氷,雷,炎系と複数の属性の魔法を操るハイエルフで「どれか一つの属性に的を絞って育成してみる」とか,弓矢が得意なドライアドで「あえて弓矢を取り上げ接近戦仕様にしてみる」とか,「こう育てなければいけない」というルールはないので,プレイヤーの好みでどんどん突き進めるのが楽しい。
筆者のメインキャラクターであるシャドウウォーリアーは,「接近戦が得意」という種族最大の特徴を活かし,パラメータはすべて筋力に注ぎ込み,メインのコンバットアーツは多段ヒットする乱舞系の技を使っている。集団に囲まれても,持ち前のパワーであっという間に敵を殲滅するので,めちゃくちゃ楽しかったりする。
一つ残念な点は,一度覚えさせたスキルやコンバットアーツのアップグレードは,リセットできないという点だ。お金を払うなどして最初から振り直せるといった仕組みだったら,プレイをやり直す手間が省けて助かるのだが。
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また,装備品で見た目も変わるので,気に入ったコーディネートを見つけるというのも面白い。先にも触れたが,防具の中には「セット装備」と呼ばれるものがあり,筆者は現在これをコンプリートしてやろうと,世界中を駆け回っている。ただしレアなアイテムゆえ,そう簡単には入手できず苦労させられているが,これもやりこみ要素の一つに挙げられるだろう。
ハック&スラッシュ系のRPGファンは必携
ダウンロードコンテンツのローカライズにも期待したい
筆者自身,過去に「ディアブロ2」やXbox 360の「Too Human」など,ハック&スラッシュ系のRPGをやりこんだ経験があるが,セイクリッド2もこれらに負けず劣らず,良くできたゲームだ。すべての種族を一通り触ってみて,プレイ時間はトータルで約30時間といったところだが,もっといろいろなキャラクターを作ってみたいし,まだ手をつけていないクエストも膨大にある。レアアイテムも集めたいし,マップを踏破してみたい……。このように,まだまだ達成できていない目標があり,正直なところ,これ1本であと半年ぐらい余裕で戦えそうな勢いである。
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ちなみに先にプレイしていたXbox 360版のプレイ時間はトータルで70時間ほど。最も進んでいるキャラクターはラスボスを倒し,今はマップ踏破率の実績を解除しようとやっているところだが,歩き回ってるくせに踏破率はようやく40%を超えた程度。どれだけ広いんだ……。
PCゲームゆえに,ある程度のマシンスペックが必要なことがネックではあるが,4Gamerで英語版のデモを配信しているので,興味のある方は,まずはデモが自分のマシンで動くか試してみてはいかがだろうか。
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また,海外ではPC版限定のダウンロードコンテンツとして,「Ice & Blood」という拡張パックが配信されている。こちらは新たなフィールドが追加されるほか,新種族ドラゴンメイジが登場するようだ。今のところ日本版のアナウンスはないようだが,こちらのローカライズにも期待したい。
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- レビュー
- ライター:Chihiro
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