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[E3 2006#101]アメリカ人は本当に好きらしい「Scarface:The World is Yours」の魅力
まずは映画を観ていない人のために,スカーフェイスのあらすじから。1980年,キューバが反カストロ主義者をアメリカへ追放する中,前科者のトニー・モンタナ(アル・パチーノ)は,一攫千金を狙ってキューバからアメリカへと渡った。死に物狂いでマイアミのボスとなり栄光をつかむが,取引相手の麻薬王ソーサを裏切ったことから破滅し,最後はソーサの手下どもに蜂の巣にされるというクライムムービー。
オリバー・ストーン脚本,ブライアン・デ・パルマ監督作品という,面白くないわけがない映画で,アメリカでは義務教育の一環として(?)誰もが観ているほど愛されているそうだ。
さて,いきなり映画のネタバレを書くのはなぜかというと,ゲームのほうは「もし最後,トニーが蜂の巣にされずに生き延びたら……」というifから始まる物語だからである(E3 2005の記事にも書かれているが)。
下品なスラングがやたら飛び交う映画で,主人公のトニーはまさに狂犬といったキャラクター。ゲーム「Scarface: The World is Yours」では,この下品で暴力的な世界が見事に再現されている。
ゲームの目的は,再びマイアミ暗黒街のボスに返り咲いて,麻薬王ソーサに復讐しコカイン帝国を築き上げること。トニーにとっては金が第一であり,金が権力を生み,マイアミ支配につながっていくので,とにかく暴力に次ぐ暴力で金を手にするのだ。うーむ,荒んでいるなぁ。
マップ内にはトニーのマンションがあり,高そうな家具やら像やらを購入して配置していくシーンも見られた。買ったオブジェクトをトニー自ら両手に抱え,どこに配置しようかと家の中を歩き回るといった,家が広いのも考えものだと思わせる一面も。
本作でユニークなのは,「トニー・モンタナっぽさ」を評価する「balls」メーターが存在すること。大仰な仕草で暴言を吐くのが映画におけるトニーの魅力の一つだが,ゲーム中でもこの行為を機能としてフォローしているわけだ。敵の急所を外して撃って,倒れたところにスラングなどを吐きかけると,評価がぐんぐん上がる。もちろん,両腕を広げて「お前は○○な××だ」などと言っている間は無防備になるので,あまり銃を持った人が多いところで使うのも考えもののようだが。
今回は,完全クローズドブースでのプレイ実演公開となり,写真撮影も一切禁止という状態だった。プレイ映像に合わせてゲームの解説をしていたMCのお兄さんが,トニーに負けじとスラング混じりのギャグを連発しており,ささやかな苦笑を買っていた気がしないでもない。
ゲームの発売は2006年秋。ハリウッド映画史において重要な位置を占める作品ながら,日本では必ずしも誰もが観ている映画というほどでもない「スカーフェイス」だが,秋まではまだたっぷりと時間がある。映画で予習しつつ,'80年代のマイアミに思いを馳せよう。(Kawamura)
- 関連タイトル:
Scarface: The World is Yours
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“Scarface” interactive game(C)2005 Universal Studios. Scarface is a trademark and copyright of Universal Studios. Licensed by Universal Studios Licensing LLLP. All Rights Reserved. Sierra and the Sierra logo are registered trademarks or trademarks of Sierra Entertainment, Inc.