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[E3 2005#055]WWIIを描いた新世代RTS「Company of Heroes」
この作品は,「D-Day」とも言われるノルマンディ上陸からの物語を描いたRTSだ。これまでも第二次世界大戦はRTSで何度も扱われてきたが,Company of HeroesはRTSでは考えられなかったほどドラマチックに一人一人の兵士が描かれており,このジャンルを新たな地平に導きそうな気配。
開発はRelic Entertainment社で,「Homeworld」や「Incredible Creatures」などで常に面白いことに挑戦してきた,カナダはバンクーバーに本拠を置く開発チームである。ここしばらくは沈黙していたが,2004年にはTHQ傘下となって,この作品の開発を続けていたことになる。
初公開となったデモは,開発者の持つゲームのイメージを最大限に生かすためにという理由で,スクリプト化されたムービーでしかなかった。しかし,デモ担当の開発者は,ストーリーの進行やAIなどはゲームそのものであり,カメラの切り替えをドラマチックに見せているだけなのだと強調する。そしてその言葉どおり,ゲームの個々のユニットはお互いの名前を呼んだり,それぞれが状況判断して行動をとっているように見え,かなり高度な技術が使われているのが分かった。
村の入り口に差し掛かったと同時にスナイパーによって数人の兵士が倒れると,カメラは高めに引いて全体像を映し始める。すぐに廃車の後ろに隠れる兵士もいれば,近くの小屋を迂回して別方向に動き出す集団もいる。ムービーではインタフェースは取り払われていたので,どのような操作が行われているのかは分からなかったが,「Commandos」というよりは「Full Spectrum Warrior」のような命令コマンドで操作していくタイプなのかもしれない。
3人の兵士がスナイパーの死角になっている場所から爆弾を放り込み,ビルごと吹き飛ばして憂いを取り去るのだが,倒れた仲間の兵士の中にはもがき続けているユニットもあった。これについて,のちほどRelic Entertainmentのプロデューサーに聞いてみたところ,「ヨーロッパ戦線において,戦場で治療を受けた兵士の死亡率は10%に満たなかったそうだよ。そういう事実も考慮して,このゲームを制作している」とのこと。いずれ,各ユニットの専門職がはっきりと描かれ,ダウンした仲間達を献身的に救助するメディックも登場するのかもしれない。
戦闘はどんどんと激しさを増し,シャーマンでドイツ軍を蹴散らしていたかと思うと,パンツァーの登場で戦局が危うくなるなどのシーンがあった。タンクの操作も,砲撃やガナーなどの役割分担で複数のユニットが行っており,頂上の開閉ドアから顔を出して射撃していた兵士が倒れ込む描写もあった。多くの建物やオブジェクトが破壊可能になっているようで,ドイツ軍が本部にしていたと思われる広場中央の建物が崩壊したところでミッションが終了となったようだが,最後には破壊しつくされた村を悲しげに見るマリア像のシーンが挿入され,どこか戦争の悲哀を物語っているように感じた。
Relic Entertainment社によると,まだCompany of Heroesの発売時期は2006年ということ以上は決まっておらず,今後行うべき作業もまだまだ山積状態のようだった。
今回のデモからはアメリカ軍の一師団の活動を追うドキュメンタリ的な作風も見て取れたが,人以外のリソースマネージメントはなく,これまでの同社RTS作品とはまったく違う新しさがあった。マルチプレイヤーモードは2〜8人に対応させるとのことで,ドイツ軍でもプレイが可能になるようだ。(奥谷海人)
- 関連タイトル:
カンパニー オブ ヒーローズ
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