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「フル スペクトラム ウォリア−2 テンハンマーズ」のファーストインプレッション
よく知られているように,このフル スペクトラム ウォーリアはもともとアメリカ陸軍がゲームメーカー各社に依頼して制作させた分隊指揮官用シミュレータがベースになっている。まあ,本当はもうちょっと複雑な経緯があるので,そのへんに興味のある人は「奥谷海人のAccessAccepted第21回」や,前作のレビューなどを参考にしていただきたい。
ちなみに,メディアクエストから発売された前作の日本語版の表記は“ウォーリア”だったけど,今回のセガ版は“ウォリアー”となっている。書いているほうもときどき,どっちがどっちだが分からなくなるので困るのだが,まあ,そんなことはどうでもいいですね。
ゲーム画面を一見するとまるで「スクワッドもののFPS」のようだが,その実,プレイヤー自身がトリガーを引く場面はない。プレイヤーは姿の見えない分隊指揮官となって,アルファーとブラボーの二つのチームを指揮し,敵の殲滅や味方部隊の救出といった任務を果たすという,つまりはストラテジーなのだ。部下には移動や攻撃,負傷者の救出といった各種の命令を出せるが,戦闘それ自体は彼らが行うことになる。
このテンハンマーでは,その基本ゲームシステムはそのままに,さまざまな要素が付け加えられている。前作ではチーム単位でしか行動できなかったが,本作では1チームをさらに二つに分け,それぞれに移動命令を出すことができる。また,ブラッドレー戦闘兵車やハンビー四輪駆動軽汎用車に乗って,25mm砲やM2重機関銃といった,普通の歩兵には使えないような大きな火力の使用も可能になった。
命令も,ただ攻撃するだけでなく,全員で発砲する全力攻撃と,二人が攻撃し残る二人が周囲を監視する警戒攻撃の二通りから選べたり,負傷者を安全地帯に引きずってきたり,退却地点を設定したりと,かなり種類が増えている。これらを戦況に応じて適宜使い分けなくてはならないわけだ。
マルチプレイでは,前作のCo-opに加えて対戦プレイが用意され,アメリカ軍対ムジャヒディン,傭兵対民兵といった,シングルプレイでは遊べない陣営を使ったプレイを楽しめる。
というわけで,ゲーム全体に細かいパワーアップが施され,結果として前作の持っていたストイックさはやや影を薄め,「ゲームとしての面白さ」が強化されたという印象が強い。テキスト量が多めで,ミッションの目的も次々に変わるため,「英語版じゃつらいなあ」と思っていた人も安心の日本語版であるので,ほかにあまり例を見ないユニークなシステムの本作をぜひプレイしてほしい。(松本隆一)
- 関連タイトル:
フル スペクトラム ウォリアー2 テンハンマーズ
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