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[E3 2005#166]PopTopの新作「Shattered Union」は,二度目の内戦に突入したアメリカを再統一する戦略シム
まずは,Shattered Unionのバックストーリーを紹介しよう。
テロの脅威に悩まされたアメリカ政府が,戒厳令を敷いたことを発端にさまざまな事件が勃発する。核攻撃でホワイトハウスの統制力がなくなったことからヨーロッパ連合軍の介入を招き,2013年までにはアメリカが,テキサス,カリフォルニア,シカゴなどの地域国家へと分断されてしまうのだ。こうして南北戦争以来二度目となる,現代兵器を駆使した内戦が巻き起こり,プレイヤーは再統一を目指して奮闘することになる。
Shattered Unionは,ターンベースのストラテジーゲームだ。手持ちの資金で,歩兵やタンク,ヘリ,対空ミサイル砲などを購入し,所属国の領土を拡大するために,近隣の政府の軍と戦っていく。
ゲームのリズムはゲームボーイアドバンスの「アドバンスウォーズ」のような感じで,何かアクションを起こしたときにゲーム画面が切り替わって,映像が見られる。しかし,画面自体は同じゲームエンジンで処理されているために切り替え時の違和感がほとんどなく,また背景が毎回同じ風景になるなんてこともないので,ターンベースのゲームにありがちな"もっさり感"はなく,むしろスピーディに感じるのが好印象だった。
3D化されたグラフィックスは美しく,破壊によって地形も変化するなど,この手のゲームには珍しい派手な演出が随所に見られる。橋を破壊したり,爆破で大きな穴を作ったりできるし,ビルも倒壊したままの状態となる。ミッションが終了する頃には,ボコボコの大地と,がれきの山に変貌しているはずだ。
個人的に興味を感じたのは,このShattered Unionは,今となっては古風なヘックス(六角マス)のグリッドに切り替えてプレイできること。古参のウォーゲームファンには垂涎モノのソフトとなりそうだ。
Shattered Unionの陣営は,大カリフォルニア(カリフォルニアやネバダ,アリゾナなど),アルカディア(ワシントンやオレゴンなど),新テキサス共和国,ハートランド(コロラドやカンザスなど),ディキシーランド(ミシシッピーやアラバマ周辺など),ヤンキー連合(ニューヨーク以北),そしてヨーロッパ拡張部隊となっている。
今回,発売元の2K Gamesのブースで用意されていたものはサンフランシスコ近郊の攻防戦で,都市そのものは4×4ほどのヘックスに収まるほどの大きさに抑えられていたが,周囲にはゴールデンゲートのような名所も緻密に描き込まれていた。
Shattered Unionでは,究極的な攻撃手段として核爆弾も使用可能になっているものの,使用すればReputation値が激減し,四面楚歌の状態になってしまうだろう。このような外交はゲームの重要な要素の一つで,目の前の大きな敵に対して後方支援部隊を送り込んでもらうようなことも可能だという。
詳しくは説明されなかったが,Shattered Unionはマルチプレイヤーモードも制作されている。発売は,北米市場で今秋の予定になっている。(奥谷海人)
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