ニュース
「インペリアルフォース2」などSSアルファー発表会前編
発表会そのものは同社内のミーティングスペースで行われ,常務取締役の宮迫靖氏がメインの司会を務めつつ,作品ごとの発表が行われた。今回発表されたのは「インペリアルフォース2 cosmic interceptor」「沈黙の艦隊2」「スーパーエアーコンバット4」「現代大戦略2005」「大戦略VIII」の5タイトル。さっそく各作品について紹介していこう。
■15年ぶりの続編「インペリアルフォース2」
今回発表された「2」の開発は,2004年にシステムソフト・アルファーと業務提携を行った,イレギュラーズアンドパートナーズが行っており,"切込隊長"の愛称で親しまれる山本一郎氏によって紹介が行われた。
「2」は完全に別のゲームというわけではなく,前作で好評を博した部分を踏襲しつつ開発されているようだった。偵察艦を飛ばしてマップを探索し,艦隊戦や惑星戦を楽みつつ,占領した惑星同士を「リンク」でつないで経済を発展させるSF RTSである。
説明会で最も強調されていたのがAIの話。山本氏によれば強いAIを作りたくて本作を作ったといっても過言ではないそうで,その思考ルーチンにはかなりの自信があるという。AIには6段階の難度が用意されており,ステータスチ−トなどはいっさいなし。現段階のものでも,テストプレイヤー泣かせの強さを誇っているという。
合理的な戦術を採るのはもちろんのこと,撒き餌のような艦隊でプレイヤーの艦隊をおびき寄せ,本体が強襲してくるといった憎い戦術も使ってくるとのこと。これが実現されるのであれば,かなり手応えのある戦術/戦略が楽しめることだろう。
新要素として目立っていたのは「探索の世紀」「国王の世紀」「皇帝の世紀」という三つの時代が用意されること。時代によってゲームシステムの変更も考えているらしい。「探索の世紀」では宇宙を開拓してマップを完成させ,「国王の世紀」では星系間の激しい戦いを,そして「皇帝の世紀」では大兵力による壮大な決戦が行われるという流れになりそうだ。
ちなみにこれは未定だそうだが,「探索の世紀」では,一度探索した場所は地形だけを確定し,こちらのユニットが存在しない場合は敵が通過しても表示しないという形式にしておき,「国王の世紀」以降では,外交などがメインになるので同盟国間で視界の共有をしても面白いかな,と語っていた。時代によるゲームシステムの変化がどうなるか,続報に期待したいところである。
前作から踏襲した点として好印象だったのが,通貨の概念がないこと。それだけだとあまりピンと来ないかもしれないが,一般的なRTSで見られるような,大量の資金投入による急速な軍備の拡大が不可能ということだ。このため,プレイヤーには先を見据えた戦略手腕が必要になるというわけだ。
そうはいっても一度,大兵力を保有してしまえば勝利でしょ? と思う人もいるかもしれないが,実は大兵力の保有には膨大な維持費がかかり,大きな敗北を喫すると"遺族年金"が発生し,国力の低下につながってしまう。大兵力の保有は必ずしも有利とは限らないらしい。
前作で好評だったマップのジェネレート機能も健在で,登場国家は20か国,2600パターンもの艦船のデザインが可能といったように,何度も繰り返してプレイできそうな印象である。発売日は2005年9月末,価格は1万290円(税込)になる。
■3Dで原作のヤマ場を描く「沈黙の艦隊2」
本作は,かわぐちかいじ氏原作の漫画「沈黙の艦隊」を扱ったシミュレーションゲームだ。前作は2004年10月1日にリリースされており,今回の「2」では,3D化された潜水艦「やまと」の勇姿が楽しめるようになっている。
「2」では,原作の第97話から「やまと」がニューヨークに到着するまでの,最もストーリーが盛り上がる部分をゲーム化している。さらに,原作を知らない人のために1〜96話のあらすじを紹介してくれるありがたい演出も盛り込まれている。
ゲームモードは2種類。キャンペーンモードとシナリオモードが用意されていて,キャンペーンでクリアしたシナリオには,シナリオモードで再挑戦できる仕組みになっている。
プレイヤーは海江田四郎艦長となって,原潜「やまと」を操り,米国を相手に戦うことになるが,今回のデモンストレーションでは一般的な潜水艦シムのように,操舵席,ソナー室,魚雷装填室などに出向いて直に機器を操り,直感的に操作できたほか,近くの計器に直接数字を打ち込んで操作することも可能となっていた。臨場感を損なうきらいもあるが,直接数値を打ち込めるという機能は,ゲーム初心者には非常にありがたいだろう。
なお探索方式としては,パッシブソナー/アクティブソナー/曳航ソナーなども用意されており,実際の潜水艦の探索方式を反映していたのは潜水艦マニアには嬉しいところ。
またフィールドは最大表示にすると2Dになるが,近距離のものは3D表示可能で,氷塊の回廊を抜けるシーンなどもうまく再現していた。3D画面ではリアルタイムに艦船の移動や魚雷の動きなども確認でき,臨場感ある操舵が楽しめそうだ。
原作では海江田四郎艦長が原潜「やまと」を独立国家として日本から離反し,世界政府樹立などの壮大なテーマを国連に突きつける,大仰な物語が進行していく。しかし補給が受けられない「やまと」はやがてジリ貧になっていき,このあたりの境遇にドキドキさせられた読者も多かったことだろう。
そこで,そうした物的条件はどの程度まで再現されるのか質問したところ,難易度設定を設けることで多くの人が楽しめるようにするとのこと。初級では圧倒的な量の弾薬を持っているので残弾数を気にせず気楽に戦えるが,上級では原作に近い装備となるので,弾薬の一発一発が非常に貴重になっていくそうだ。
また,シナリオに関して原作と違う行動ができるか? という点については,基本的に原作から外れることはなく,戦う相手の順番くらいは変えられるが,原作と同じ課題に挑戦することになるそうだ。ちなみにゲーム中には原作の表現をそのまま使ったムービーシーンもあり,漫画のコマをスクロールさせたり,カットインさせる演出などは,なかなかの迫力だった。
さらに原作では海江田艦長がモーツァルトをかけながら戦うシーンが印象的だったが,それを受けてモーツァルトの曲が多数収録されている点も好感触。選曲はメニュー上からではなく,海江田艦長のプライベートルームである艦長室で行うというこだわりぶりには,少々感心してしまった。発売日は2005年9月末。価格は1万290円(税込)だ。
■アクアシステムとの共同開発「スーパーエアーコンバット4」
システムソフト・アルファーのフライトアクション最新作は「スーパーエアーコンバット4」。今回は3Dエンジンを「銀翼」や「プチコプター」で知られるアクアシステムが担当していることから,完全に新しい「スーパーエアーコンバット」となっていた。
本作は,従来どおり手軽なフライトアクションという位置づけで開発されており,戦場を転戦するキャンペーンモードと,とにかく連続して敵と戦えるアーケードモードを搭載している。
登場する戦闘機はF-35C/F-35B/F-22/F-18E/F-16C/F-15C/グリペン/ラファール/EF2000/F-2/ハリアーの11機体のほか,隠し機体もあるようだ。本シリーズで隠し機体といえばあの「ミカド」なのだが,今回も登場するのだろうか? 期待したい。また機体のラインナップにはF-35やハリアーといったVTOL(垂直離着陸機)があるのだが,もちろんホバリングが可能で,横滑りからのミサイル発射といった機動が楽しめる。詳細は不明だが,どうやらVTOLを駆使して洞窟内を飛び回るミッションなども収録されるようだ。
アクアシステムとの共同開発であることは前述したが,ゲームデバイスへのしっかりした対応というアクアシステムのこだわりからか,本作ではラダーやスロットルのついたジョイスティックやパッドに対応しているほか,「シンプル」と「テクニカル」という2種類の操作方法が選択できる点も,多くのプレイヤーが楽しめそうで好印象だ。
システムソフト・アルファーは主として軍事資料や設定面を担当しており,大戦略シリーズなどで蓄積した軍事資料を活用しつつ,機体を制作しているとのこと。キャノピーの開閉やエアブレーキの動作,アフターバーナーの燃え方などにはぜひ注目してもらいたいと話していた。
今回のデモでは,地形も砂漠や海上という比較的簡単な場所ばかりで,搭載しているミサイルはダミー,実質上プレαといったバージョンだった。今後より複雑な地形が搭載されていくのだろう。このあたりは"銀翼シリーズ"を開発したアクアシステムだけに,期待してもよさそうである。
個人的に気になったので,使うグラフィックスカードによるグラフィックオプションの変更について訪ねたところ,現状そうした機能を搭載するかは未定とのこと。PCのスペックに合わせてエフェクトのオン/オフや,テクスチャのグレードが変えられれば,より魅力的な作品に仕上がることだろう。
軍事資料や設定はシステムソフト・アルファーが担当し,ゲームエンジン部分はアクアシステムが担当するというスーパーエアーコンバット4,両社の共同作業がどのような形で実を結ぶのか,非常に楽しみである。なお本作の発売日は2005年11月末。価格は1万290円(税込)となる。
- 関連タイトル:
インペリアルフォース2 cosmic interceptor
- 関連タイトル:
沈黙の艦隊2
- 関連タイトル:
スーパーエアーコンバット4
- 関連タイトル:
現代大戦略2005〜護国の盾・イージス艦隊〜
- 関連タイトル:
大戦略 VIII
- この記事のURL:
キーワード
(C) 2005 SystemSoft Alpha Corporation (C) 2005 Irregulars and Partners, Inc. All rights reserved.
(C)かわぐちかいじ/講談社 (C)2005 SystemSoft Alpha Corporation
(C) 2005 SystemSoft Alpha Corporation
(C)2001- 2005 SystemSoft Alpha Corporation