企画記事
懐かしのMMORPG体験ツアー第4弾。古き良きMMORPGの形が色濃く残っている「RED STONE」を体験する
改めてこの企画を説明すると,黎明期にサービスを開始,現在もサービスが続く4つのMMORPGを,まったくプレイしたことのない編集部スタッフが体験してみるというもの。ちなみに,4回とも筆者が担当しているので,ほんのりMMORPGの経験値が増してきている(気がする)。
第1弾では「リネージュ」,第2弾では「メイプルストーリー」,第3弾では「ラグナロクオンライン」を体験させてもらった。プロデューサーや運営チームに見守られながら,もらった武器を全部蒸発させたり,ガチャを引いたらまったくレアアイテムがでなかったり,初心者なのにガチ指導のもと高速レベリングをしたりと,MMORPGらしい洗礼を十二分に味わってきた。
今回,企画の大トリを飾るタイトルは,2020年2月24日でサービス15周年を迎えた,ゲームオンの「RED STONE(レッドストーン)」だ。
毎度のことで申し訳ないのだが,筆者は「RED STONE」のことをまったく知らない。そもそも,はじめて名前を聞いたのが4Gamerで仕事をし始めてからだ。15年前というと,筆者はまだ学生で,ゲームの情報を得るのはテレビCMぐらいだったため,「RED STONE」の名前はほとんど耳に入ってこなかったのだ。(実は「RED STONE」もテレビCMを放映していたらしい)。
「すみません。全く知らないんですが……」と正直にPR担当に伝えると「ちゃんと遊び方を教えますから」という優しい返事。詳しいゲーム内容もわからないまま,まだ肌寒い2月末に,初めてのゲーム体験が待つゲームオン本社へと向かうことになった。
懐かしのMMORPG体験ツアー第3弾。初心者向け体験ツアーって言ってるのに「ラグナロクオンライン」で超高速レベリングに挑む
日本オンラインゲーム協会が企画した「PC MMORPG 魅力再発見PTツアー」も早いもので第3弾。今回体験するMMORPGはガンホーの「ラグナロクオンライン」だ。初心者向けの体験ツアーだと言われて遊んでみたら,期間限定イベントを利用して超高速レベリングに挑戦することになっていた。
「RED STONE」公式サイト
分からないことが続々登場
あたふたしながらゲーム序盤を進める
今回は,本作のプロデューサー清水 新氏に教えてもらいながら,チュートリアルとメインストーリーを進めて,後半にはパーティプレイを体験してみることになった。
まず,清水氏から「使いたいキャラクターは男?女?」「どんな戦い方が好み?」とざっくりした質問が飛んできた。筆者は,どのゲームでも決まって男性キャラクターを使う。そして,戦闘スタイルは物理攻撃でガツガツ殴るタイプが大好き!!
女性キャラクターを使うと思われていたのだろうか? 清水氏はしばらく考え込んでいたが,“男性キャラクター×物理攻撃”ということで,今回は「剣士」でゲームを進めることになった。
「RED STONE」にもチュートリアルが追加されており,まずは基本的な操作方法を教えてくれる。移動は移動先をマウスでクリック,攻撃スキルは他のMMORPGと同様にショートカットを設定して使用する。
サービス開始当初にはチュートリアルなんてなかっただろうし,テキストでの説明も仕方がないと思うが,いろんなことを一気に説明されるので軽く読み飛ばしてしまった(ごめんなさい)。これがのちのちの後悔につながることになろうとは……。
ゲーム序盤では初心者に役立つアイテムをくれるクエストや,経験値が多くもらえるクエストも用意されている。もはやお約束だが,昔ながらのMMORPGの序盤はひたすらに“お使い”が続く。
初心者向けのクエストを進めていると,「メインストーリーを進めてください」と言われたり「あのクエストをクリアしてきて」と言われたり,結構なマルチタスクになり,序盤から目まぐるしい展開になるのが印象的だった。
そして,初心者向けクエストの中には「パーティを組む」とか「フレンドを1人作る」とか,「ギルドに加入する」とか,ぼっちプレイヤーの筆者が絶句する達成条件のものがいくつか存在する。周りのプレイヤーに声をかける勇気なんてあるわけもなく,震え声で清水氏に「ふ,フレンドになってください」と言うしかなかった。
しばらくゲームを進め,Lv50を超えたあたりから攻撃が全く命中しなくなった。ゲーム内では,ヒントになるようなことが一切書かれていないので,何が原因なんだ? 何をすれば当たるんだ? そもそもこういうゲームなのか? と疑問に疑問が重なってくる。とりあえず,しらみつぶしにステータスの向上を図ってみることにした。
まず,能力値のポイントを一切振っていないことに気づく。それに装備も変えてないし,スキルポイントも振ってない……。「だって,なんにも説明してくれないんだもん」と言い訳しそうになったが,実は最初のチュートリアルで全部説明されていたりする。
能力値を振ろうにも,どれにどれぐらい振ればいいのか分からなくて悩む |
スキルポイントも振ろうと思うが,どれに振ればいいのか分からない |
やり方はなんとなく分かるが,正解が分からない。ゲームの進行途中でアドバイスやヒントなどはほとんど出てこないので,たまらず清水氏にアドバイスを求めたり,ネットで攻略記事を探すことにした。ゲームの進め方を調べるなんていつぶりだろうか……。人に教えてもらったり,自分で調べながらゲームを攻略していく様はイメージしていた昔ながらのゲームそのもので,情報を集める過程もそれだけゲームにのめり込んでいるようで個人的には嫌いじゃない。
それでも結局,攻撃が当たるのは7割程度。ミスるたびに首をかしげながらゲームを進めていくことに。うーん……,難しい。
レベル上げにはやっぱり狩り!
パーティプレイを体験してみる
「RED STONE」は他のMMORPGと違って,序盤で一気にレベルが上がるわけではない。筆者は6時間ほどプレイして,初心者向けのクエストとメインクエストを進めてみたが,やっとLv70になるぐらいだった。ちなみに,現在のレベルキャップは1500で,まだカンストしているプレイヤーはいないそうだ。
クエストを進めるだけでは満足にレベルが上がらないので,ゲーム内で清水氏とパーティを組んで「狩り」に行ってレベルを上げることにした。清水氏に案内され,今回はLv115〜300のパーティーモンスターが出現する狩り場に行くことに。まだLv70ぐらいなのに,また死ぬオチでは? と思ったが,狩りの適正は+Lv20ぐらい,効率的に進めるなら+Lv50ぐらいが目安になるらしい。
今回はここに出現するLv120の「コロッサス」を倒していく。まずは体験ということで,1人で戦闘してみるが,攻撃が当たらない!!! 殴っても殴っても9割攻撃が当たらないって,マジか……。
Lv差があることも大きいが,どうやら能力値や装備の性能が足りていないらしい。ちょっと心が折れかけたが,1回出直して装備を整えることにした。初心者向けのクエストで手に入る「冒険団コイン」を使えば,序盤でも活躍する装備が手に入るそうなので,清水氏オススメの装備に着替えてみる。
攻撃が少しでも当たるように,敵の回避補正値を無視して攻撃できるスキル「サザンクロス」も用意して,再度コロッサスに挑んでみると,攻撃は7割ほど当たるぐらいになった。倒せなくはないが,1対1だとそこそこ時間がかかってしまう。見かねた清水氏が一撃殴ると,コロッサスは瞬殺された。そりゃそうだろうという感じだが,あれだけ苦労していたものを一撃で倒されるとポカーンとするしかない。
上級プレイヤーが狩りの助っ人をしてくれるパワーレベリングが「RED STONE」では有効で,清水氏がフィールドを走り回ってモンスターを片っ端から倒すと自分にみるみる経験値が入ってくる。さっきまでの苦労は一体……。
こうして,パーティプレイ……というより,助けてくれる上級プレイヤーのありがたさを実感して,「RED STONE」の体験ツアーは終わった。
今回体験してみて,「RED STONE」は今までの3タイトルに比べると,一番昔ながらな感じがそのまま残っているように思えた。時々「ああ,15年ぐらい前のゲームってこういう感じだよなぁ」という苦戦するポイントも出てくるが,アップデートで全体的に遊びやすくはなっている。なにより,そういった苦戦するポイントも,誰かと一緒に遊べばなにも問題ないわけで,最近のなんでも「ソロでクリアできる」という考えばかりに捕らわれていてはいけないと思わされた。
余談だが,筆者の見た限り「RED STONE」のアクティブプレイヤーはめちゃくちゃ多い! 最初のエリアにベテランプレイヤーが出入りするので多く見えるのかもしれないが,これまで体験してきた4タイトルのなかで一番プレイヤーが多いのは「RED STONE」だと思う。
これで今回企画されていた4タイトルの体験は終了となった。最初は,修行に挑むような気持で臨んでいたのだが,実際に遊んでみると,ありきたりな感想になってしまうが「普通に面白かった」。
筆者のイメージしていたMMORPGは,操作方法も分からず,すぐ迷子になったり,街を1歩出ればPKされるといった,ネガティブで不安なものだったが,今ではどのタイトルにもチュートリアルが用意されているし,遊びやすいように,そして不条理な思いをしないよう,各所にシステムの追加や改良が加えられている。
いずれもビジュアルやゲーム性がまるっきり違う。今から始めて最前線に追いつけるようなタイトルもあれば,昔ながらのたっぷり時間がかかるゲームもある。一昔前のゲームを「これは新しい!」と紹介することはもちろんないので,ニュースなどではキャンペーンや更新情報が流れるにとどまるが,どれもまだまだ現役タイトルで,遊んでいる人が大勢いる。最近のゲームとは違う体験がしたいと思ったら,こういったゲームも一考してみてほしい。
- 関連タイトル:
RED STONE
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