インタビュー
サービス10周年を迎える「RED STONE」運営プロデューサーに10周年記念イベントと,今後の運営方針について話を聞いてきた
今回,4Gamerは,そんな10周年記念イベントの内容や,10周年を迎えた「RED STONE」のこれからについて,本作の運営プロデューサー 嶋田真人氏に話を聞いてきたので,その内容をお届けしよう。
「RED STONE」が10年続いた秘訣は,活発なプレイヤーのコミュニティ
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。少し早いですが,「RED STONE」サービス10周年おめでとうございます。
ありがとうございます。
4Gamer:
10周年を迎える,いまの気持ちを教えていただけますか?
嶋田氏:
ゲームオンに入社したころは,コンシューマゲームばかりで,実はオンラインゲームはあまり遊んでいなかったんですよ。ですから,オンラインゲームというのは,こんなにも長く続くものなんだと,いまさらですが実感していますね。
そして,10年も続くというのは「RED STONE」も,そして他社さんのタイトルもそうだと思いますが,続くだけの理由があるからだと思うんです。
4Gamer:
と,言いますと?
嶋田氏:
プレイヤーさんに支えられているというのが一番大きいです。あと,ゲーム自体が飽きられにくいというのがあると思います。正直なところ「RED STONE」のグラフィックスは少し古いといいますか……年季が入っていますが(苦笑)。
4Gamer:
10年前に始まった2DタイプのMMORPGですからねぇ……。
嶋田氏:
ですが,そのようなゲームでも,プレイヤーさんが長く遊んでくれる魅力があるから,ここまで続いているのだと思います。
4Gamer:
いまでもプレイヤーが遊び続けている「RED STONE」の魅力は,どこにあるのでしょうか。
「RED STONE」は,コミュニティが作りやすいゲームだと思っています。コミュニティを通して友達になったり,恋人になったり,なかには結婚しましたという方も多いんです。有志でオフラインイベントが開催されることもあるようで,リアルでもお付き合いを深めている方々がいらっしゃるのが,コミュニティの活性化につながり,ひいてはそれが「RED STONE」を遊び続けてもらえている要因になっているではないかと思います。
4Gamer:
ちなみに現在のプレイヤーの年齢層はどれぐらいなのでしょうか。運営10周年ともなると,年齢の高い方が多いのかなと思うのですが。
嶋田氏:
実は23,4歳ぐらいの方が結構多いんですよ。
4Gamer:
え,思った以上に若いですね。それは,新規のプレイヤーが結構入ってきているということですか?
嶋田氏:
どちらかと言えば,小学校や中学校のころから「RED STONE」を遊んでくださっている方たちです。ノートPCを持っている割合が多くて,低スペックPCでも遊べる「RED STONE」を選んだという経緯みたいです。
4Gamer:
なるほど。小中学生だと両親から譲り受けたPCなどを使っていて,10年近く前に3Dが満足に動くような最新PCを持っていたという人は,そう多くないでしょうね。
嶋田氏:
ええ。また,10周年記念イベントとは別にカムバックキャンペーンも実施していますが,それで戻ってきてくださったプレイヤーさんもいます。
4Gamer:
その年齢層だからこそ,オフラインでのコミュニティ活動も活発なのかもしれませんね。一方で,昨年は公式オフラインイベントがあまり行われなかった印象があります。今年はいかがでしょうか。
嶋田氏:
今年は何回かやりたいと思ってます。「RED STONE」の10年分をプレイヤーさんに還元する……というわけでもないのですが,「これまでありがとうございました。これからもよろしくお願いします」と,直接お礼を言う機会を作りたいですね。
4Gamer:
ちなみに,オフラインイベントでは,どんなことが一番印象に残っていますか?
嶋田氏:
2012年6月に運営プロデューサーに就任しましたが,その少し前の5月に「ゲームオンフェスティバル 2012」というイベントを実施したんですよ。そのときのことが印象に残っていますね。
4Gamer:
たしか……初公開する予定のアニメが届かなくて,ドキドキしたと会場で話していましたよね。
嶋田氏:
そうです!(笑)。いろいろと起きていた事件(?)の一つでしたね。イベント当日の早朝にようやく届いて,胸をなで下ろした記憶が鮮明に残ってます。
4Gamer:
それは残るでしょうね(笑)。運営が10年も続くと,運営プロデューサーの交代もそうですが,ゲーム内容の方向性や運営方針など,変更を決断しなくてはならない場面があったと思います。嶋田さんはどこに力を入れてきたのでしょうか。
嶋田氏:
僕が運営プロデューサーに就任してからの話になりますが,サポート方面にとにかく力を入れてきました。
4Gamer:
それはなぜでしょうか。
昔は,本作のユーザーサポートに対するプレイヤーからの不満の声が多かったと聞いていたからです。そもそも僕の前職はアパレル関連で,お客様とやりとりをする接客業でした。接客業なら面と向かって対応できますが,オンラインゲームのサポートは相手が見えません。そのため,お客様に対する態度が磨かれないと思うんですよ。
4Gamer:
なるほど,そのような経緯があるんですね。では,嶋田さんが運営プロデューサーに就任する前は,プレイヤーと運営との距離が少し離れていたということですか。
嶋田氏:
そういったところがあったと思います。オフラインイベントもほとんどなく,実際にお客さんと会って話して,意見をもらう機会がありませんでした。
4Gamer:
だからこそ,嶋田さんが運営プロデューサーに就任してからは,オフラインイベントを頻繁に行うようになったと。
嶋田氏:
そうです。文章でやりとりするよりも,実際に会って話した方が,熱のこもった意見を言ってもらえることが多いので,オフラインイベントやゲーム内イベントをなるべく開催するようにしました。
もちろん「RED STONE」はゲームですし,楽しんで遊んでもらいたいというのが一番ですから,ゲーム上のイベントも大幅に増やしました。その前は,「楽しんでもらう」という部分も足りていなくて,僕の就任前と後とで,約2倍ほどイベントの数が増えました。それをプレイヤーさんの中でも話題にしてくれるようになったんです。
4Gamer:
はっきりと違ってきたことが実感できるほどだったわけですね。そういえば運営のキャラクターは,多くのMMORPGではGM(ゲームマスター)ですが,「RED STONE」ではEM(イベントマスター)ですよね。
嶋田氏:
はい。「RED STONE」では最初からEMでした。ただ昔は,重大なトラブルや,たまに行われるゲーム内イベントぐらいしか現れなかったと聞いています。
4Gamer:
それがいまは,ゲーム内にどんどん現れて,いろいろとやっていますよね。昨年の専門学校のコンテストでも,EMアースさんが多くのプレイヤーに弄られていたのを覚えています。
嶋田氏:
ありましたね(笑)。あんな感じで,その場にいるプレイヤーの皆さんに喜んでもらいたいし,僕らも楽しみたいですね。自分がプレイヤーだったら,こういうイベントが面白いだろうというものを,いつも考えていますから。
4Gamer:
ニコニコ生放送で配信している番組もそういった考えの一つですか。
嶋田氏:
ええ。みんな(配信に)出るのが好きというのもありますが,基本的には,プレイヤーの皆さんと一緒に楽しみたいんです。
前夜祭終了と同時に始まる10周年記念イベント
ボリューム満点のイベントに4Gamerも参戦!?
4Gamer:
では,10周年記念イベントについても教えてください。
「RED STONE」の8,9周年のときは,1月の終わりぐらいから周年イベントを始めて,誕生日となる2月24日に終える形で行ってきました。ですが今年に限っては前夜祭という形で,2月24日までが前夜祭,その後から10周年記念と,イベントをたくさん走らせる予定です。
4Gamer:
現在開催中の前夜祭イベントがかなり盛りだくさんな気がしますが,10周年を前にネタ切れの心配は……。
嶋田氏:
大丈夫ですよ(笑)。10周年記念イベントの数は,前夜祭と同じか若干少ないくらいで,ただボリュームがかなりありますから。プレイヤーさんからの意見を採り入れたイベントもいくつか実施する予定です。
4Gamer:
それは楽しみですね。ちなみに,10周年記念イベントがスタートする前にやっておいたほうが良いことはありますか?
嶋田氏:
やはり記念指輪がもらえる「10th Anniversaryリングイベント」でしょうか。中級レベルの方の装備としても優秀なので,ぜひ取っておいてください。
4Gamer:
分かりました。では,10周年記念イベントについて,もう少し具体的な内容を教えてほしいのですが。
嶋田氏:
そうですね,たとえば10周年を記念したアイテムがもらえるイベントなどの実施や,イベントだけでなくさらなるサポートの強化といったところなど,「ちょっとしたイベント」から「実はこんなものを作ってた」まで,一気に発表する予定です。詳しくは10周年となる24日の発表を楽しみにしてください。
4Gamer:
なるほど,発表をお待ちしてます。獲得経験値やアイテムドロップがアップするようなイベントもあるのでしょうか?
嶋田氏:
はい,そうしたイベントを2月24日以降に何度か実施する予定です。そのほか,前夜祭イベントでは「EMの宴」というEMイベントが走っていますが,10周年記念イベント期間中は,その豪華版イベントが実施されます。
4Gamer:
イベント期間中はEMも大忙しになりそうですね(笑)。
嶋田氏:
ええ。ほかにも,前夜祭イベントでやっていた「10th Guild Battle Tournament」の決勝戦や,「10周年カウントダウン生放送」,そして10周年にちなんだ「アニバーサリー! 10時間生放送」の配信なども行う予定ですから,大変ですね(笑)。
4Gamer:
イベントの準備はもう完了しているんですか?
嶋田氏:
韓国の開発にも協力をお願いして,ゲーム内イベントをいくつか作ってもらっていまして,(この時点で)全部ではありませんが,準備はほぼ終わってます。良ければ,4Gamerさんもコラボで参加しませんか?
4Gamer:
コラボで参加ですか? 10周年記念イベントとうまく合う形で,何かご協力できそうでしょうか……。
嶋田氏:
いくつかできそうなことがあるので,もしよろしければ具体的にご相談させていただけますか。
※ということで,「RED STONE 10周年×4Gamerコラボイベント」の実施がインタビューの席で決定した。詳細は後日発表する予定なので。お楽しみに
11周年,12周年へ向かう「RED STONE」は
プレイヤー満足度のアップを目標に歩みを進める
4Gamer:
10周年記念イベントを迎えて,当然次は11周年ということになると思いますが,今後の運営目標があれば教えてください。
いままでの「RED STONE」は,サポートという面では以前に比べてかなり満足していただけるようになったと思いますが,プレイヤーさんからの要望を満たすという意味では,まだまだ足りない部分があると感じています。ですから,そこを重点的に対応していきたいです。
4Gamer:
具体的にはどういった部分になるのでしょうか。
嶋田氏:
プレイヤーさんから寄せられた不具合の修正や改善要求などに応えて,コンテンツの穴を塞ぎ,「RED STONE」の土台をしっかりさせることですね。もちろん,新しいコンテンツを取り入れたり,実装したりすることも大事ですが,実は昨年,5都市でファンミーティングを行ってプレイヤーさんからアンケートを採ったところ,新キャラクターを入れて欲しいという意見よりも,実装済みのキャラクターの強化や調整などを望むご意見が思った以上に多かったんですよ。
4Gamer:
アップデートというと新キャラや新マップが望まれそうなものですよね。
嶋田氏:
もちろん,新コンテンツへの要望として新しい狩り場,新マップ実装の希望も多かったのですが,やはり長く使っていて愛着のある自分のキャラクターを,使いやすく,強くしてほしいという要望の方が大きいのだと思います。
4Gamer:
まあたしかに,10周年を迎えたタイトルで遊んでいるキャラクターですから,その愛着はハンパないでしょうね。
嶋田氏:
はい。ですから今年は,これらについて手厚くフォローしていきたいと考えています。
4Gamer:
分かりました。
嶋田氏:
それと先ほども少しお話しましたが,ユーザビリティの強化です。最近はプレイヤーさんからのお問い合わせに対して「返信が早くなった」「テンプレ回答じゃなくなった」という声もあります。ここからさらに,信頼してもらえるようにしていきたいです。
運営がしっかりやってくれているというのが分かると,プレイヤーとしては安心してゲームに集中できますよね。では,2月24日の10周年記念イベントを待つプレイヤーさんに向けて,メッセージをお願いします。
嶋田氏:
「RED STONE」は,2月24日で10周年を迎えますが,これから11周年,12周年と続けられるよう,いま遊んでいるプレイヤーさんだけでなく,離れてしまったプレイヤーさんにも戻ってきてもらえるような環境を作っていきます。日本の運営チームも,もっと良いものをご提供できるように頑張りますので,これからもよろしくお願いします。
そして,いよいよ2月24日から始まる10周年記念イベントですが,前夜祭イベント以上のボリュームと,密度の濃いイベントをたくさんご用意しています。ぜひ,ご期待ください。
4Gamer:
本日は,ありがとうございました。
パーカーや抱き枕,イベントや生放送で嶋田氏が着たコスプレ衣装など布ものも充実。抱き枕は現在も通販で購入できる。Zippoや指輪,懐中時計などのアクセサリー系のグッズの多くは,嶋田氏がプロデュースしたものだという |
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10周年を記念して,“このインタビューのために”特製ケーキも製作したという。RED STONEの卵をモチーフにしたケーキで,左右には砂糖菓子製のサマナーとランサー。ケーキの中身は赤く,ぎっしりと詰まっていて,10周年の重みを感じさせた |
形を保つためか,外側の殻(?)が結構固く,切り分けるのがちょっと大変だった |
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