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D4エンタープライズ,「1チップMSX」の一般販売を開始 年内にはソフト配信も
釈迦に説法ではございますが一応説明すると,MSXとは1983年にアスキーとマイクロソフトによって提唱された8ビットパソコンの規格だ。当時寡占状態だったNECのPC-8801の牙城を突き崩すべく多くの家電メーカーが参入して各種のハードが販売されたが,そのゲーム機ともPCともつかない中途半端な性格と,下からは任天堂のファミリーコンピュータ,上からは16ビットマシンであるPC-9801の挟み撃ちにあって,逆に突き崩されてしまったという,年季の入ったゲーマーなら思わず目頭が熱くなるマシンである。
とはいえ,販売終了後,現在に至るまでなぜだか根強いファンによるネット上の活動が続いているという不思議なハードでもある。もともとこの1チップMSXも,ファンがFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)という最先端の半導体を使って自作したものだ。いろいろと紆余曲折があって,結局D4エンタープライズが「5000台限定販売」という形で10月,11月に予約を受け付け,予約販売分の発送はすでに終わっている。
その1チップMSXがついに一般販売されるわけだ。
今回も専用サイトによるネット通販が中心となるが,一部店舗での販売も行われる予定とのこと。また,この一般販売に合わせ,D4エンタープライズは1チップMSX用ゲームソフトのダウンロード配信を年内にスタートさせ,さらには,来年の早い時期をメドに多数のMSX用ゲームを集めたパッケージの販売も予定している。詳しくは,近日更新予定の公式サイトをチェックしよう。
次世代ゲーム機だ,次世代Windowsだ,といったゲーム業界の大騒ぎの背後でこっそり盛り上がるMSX。こんな国産パソコン,ほかにはないよという感じで,先行きがちょっと楽しみだ。(松本隆一)
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