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硬派ストラテジー「ハーツ オブ アイアンII 完全日本語版」発売
本作は第二次世界大戦における,あらゆる戦線でのプレイが可能という超弩級の本格ストラテジー。特定の国や戦場をピックアップしたようなゲームではなく,"第二次世界大戦"という現象全体をParadox風に抽象化した作品だ。
プレイヤーが選択可能な国家は175か国以上で,中心的な大国はもちろん,聞いたこともないような小国でもプレイできる。また,ゲーム中には1万2500人以上の実在の軍人や政治家が,写真および解説つきで登場する。
ゲーム中では四つの大規模な戦役が再現されるほか,ノルマンディ上陸作戦,バルバロッサ作戦,アルデンヌ攻勢を含む15本のシナリオが収録されている。
外交シミュレーションシステムによる,外交面での駆け引きも本作の面白いところだ。大戦中の複雑かつ緊張感溢れる政治的事情を背景に,プレイヤーが担当する国は世界の三大勢力のいずれかに与(くみ)する道をとるか,あるいはどこにも属さずに独自の道を歩むか? そんな選択を迫られるようなプレイも可能。この,緻密かつ膨大なデータを使った歴史実験的な遊び方こそ,Paradox作品の魅力といえるだろう。
マルチプレイモードも搭載しており,LANまたはインターネットを通じて最大32人でのプレイが楽しめる。もちろん全員が別々の国を担当して協力/対戦が可能なほか,複数のプレイヤーが同じ国を共同運営することも可能だ。
歴史ストラテジーを得意とするParadoxが初めて第二次大戦に挑戦した前作「Hearts of Iron」は,ファンから辛口の評価を受けてしまう結果となったものの,この第2作ではその反省点を踏まえて,かなり洗練された内容に仕上がった。また"工業力"と"輸送力"という第二次世界大戦のキーポイントがしっかりと押さえられており,第二次大戦マニアも思わず感心してしまうほどの作品となっている。
第二次世界大戦をテーマとしていることから,Paradox作品としてはゲーム内で扱われる年数が短く,また戦争に特化しているために貿易のルールは比較的シンプル。同社の製品になかなか手が出せなかったという人にも,とっつきやすいのではなかろうか。
"第二次世界大戦"という状況を丸ごと自宅に欲しい,そして歴史的必然に抗う無茶苦茶な遊び方をしたい,という人向けの重厚な本作。第二次世界大戦という比較的よく知られたテーマで,Paradox作品に触れてみてはどうだろうか。(Kawamura)
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ハーツ オブ アイアンII 完全日本語版
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