海外ゲーム四天王 / 第34回：「Star Trek Online」後編

　前回に引き続き，「Star Trek Online」（以後，STO）を紹介する月曜連載「海外ゲーム四天王」。後編となる今回は，ミッション（RPGでいうクエストのこと）とはどういうものかを紹介しつつ，STOならではの特徴を説明していきたい。

　ミッションは，惑星連邦の宇宙ステーションにいる司令官や上官などから与えられる。宇宙ステーションには，キャラクターの外見をカスタマイズする部署，銀行のようにアイテムを預けられる部署，そしてアイテムの売買ができる部署などが揃っており，今後のゲームプレイにおける中心地になるだろう。

　ステーションから宇宙船への移動は，テレポート装置による「転送」によって行われ，これはスタートレックならでは。いちいち宇宙船ドックまで移動して乗り込むという手間はかからず，ミッションをくれる司令官の部屋から転送ボタン一発で，直接宇宙船に乗り込んで出発できるので便利だ。

　宇宙船で宇宙に出ると，マップ画面になる。基本的にミッションは星系内部で行われるので，まずはマップ上にある目的の星系へ移動しなければならないのだ。星系内部には惑星があり，プレイヤーはそれらの惑星の軌道上に出現して，敵宇宙船と戦ったり，浮遊しているオブジェクトを回収したり，あるいは惑星に上陸したりするわけだ。

　惑星上陸時も転送を使うので，軌道上の宇宙船からいきなり地上へ降りられる。このとき，プレイヤーのお供として副官がくっついてくる。
　このように，STOでは一人のプレイヤーにつき数名の副官が付けられるが，彼らを操作する必要はなく，例えば地上のミッションでは攻撃を手伝ったり回復を行ったりし，艦隊戦においては，副官スキルによってプレイヤーの乗る宇宙船の能力にプラス補正が付けられたりなど，勝手にいろいろやってくれる。いってみれば，一般的なMMORPGにおけるペットのようなものかもしれない。

　副官は，チュートリアルミッションの途中で最初の一人が配属され，その後，ミッションをこなしていくにつれ，その報酬などで数名が手に入る。副官には専門の職業があり，戦闘関連スキルに長けた戦術士官や，サポート能力に長けた科学士官などに分かれている。プレイヤーの足りない部分を補ってくれるほか，スキルポイントを割り振って，プレイヤーの好みに応じた副官を育てていく楽しみもあるのだ。

　序盤のミッションの中で，注意が必要なのが「S.S. Azuraの救出」だ。これは，Orion Raidersという宇宙海賊に襲われ，危機的状況となっている貨物船，S.S. Azuraを助けるという内容。
　まずS.S. Azuraの周囲にいるOrion Raidersの艦船を撃破しなければならないのだが，数隻の強力な敵船が混ざっているのが問題だ。防御シールド，船体ヒットポイントともに強大で，なかなかダメージを与えられず長期戦となる。またザコ敵の数も多めなので，うかつに敵陣の中に飛び込むと集中砲火を浴びて，あっというまにこちらがやられてしまう。ともかく，ザコから順番に片付けるなど，あせらず時間をかけて取り組む必要があるだろう。

　首尾よく敵艦船を撃破すると，今度はS.S. Azura船内でのミッションだ。副官と数名の部下を従えて，敵が待ち構える船内を抜け，ピンチに陥っている乗組員を助けて回らねばならない。敵の数が多いので銃撃戦がたっぷり楽しめるだろう。無事に乗組員を助け出して宇宙船に戻ると，ほっとするのも束の間，また敵船が襲い掛かってくる。これを撃破してようやくクリアという，序盤にしてはやり応え十分のミッションだ。

　バルカン星の外交官を運ぶ「Diplomatic Orders」というミッションも，序盤の面白いミッションの一つだ。
　宇宙ステーションにいるバルカン星の外交官を，とある星まで乗せていくのだが，実はこの外交官，別の次元からやって来た，姿を自由自在に変化させられるエイリアンであり，いろいろあってクリンゴン人と戦闘となってしまう。
　エイリアンにだまされた惑星連邦とプレイヤーが，ヤツらの正体を探るべく大活躍するというミッションで，クリンゴン帝国宇宙船“バード・オブ・プレイ”とのドッグファイトや，次々と現れてくるクリンゴンの兵士との激しい銃撃戦などがたっぷり味わえるホットなミッションだ。

　……という感じで，タイトルがStar Trek Onlineなだけに，スタートレックを知っている人はいいが，まったく知らない人には手を出しづらいタイトルかもしれない。とはいえ，SFをテーマにしたMMORPGとして非常によくできているという印象だ。スタートレックの世界観を知らない人は，ゲームをプレイしつつ，「これはなんだろう？」とか「あれはどういう意味だろう？」と気になったところをドラマや映画で確認するという楽しみ方もあるはずだ。さあ，筆者と一緒に広大な銀河を旅しよう。