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    [SIGGRAPH]秀逸な映像作品が集まる「Electronic Theater」レポート(前編)。ゲームからは「DiRT」シリーズのオープニングが入選
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    印刷2012/08/16 00:00

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    [SIGGRAPH]秀逸な映像作品が集まる「Electronic Theater」レポート(前編)。ゲームからは「DiRT」シリーズのオープニングが入選

    画像集#001のサムネイル/[SIGGRAPH]秀逸な映像作品が集まる「Electronic Theater」レポート(前編)。ゲームからは「DiRT」シリーズのオープニングが入選
    Electronic Theater会場となったのはLos Angeles Convention CenterのHall K。収容人数6000人の大ホールだ
     SIGGRAPHにおける看板イベントの1つに「Computer Animation Festival」(コンピュータアニメーションフェスティバル,以下 CAF)がある。
     CAFは,一言で言えば映画祭的な位置づけのイベントだ。初めて開催されたのは1982年なので,すでに30年もの歴史がある。最初期のCAFは発表論文のデモ映像といった趣の作品が多かったのだが,近年では大手CGプロダクションからの投稿や,独特な表現を用いたアーティスティックな作品までが見られるようになった。

     SIGGRAPH会期中,CAF入選作のすべてが会場の小規模シアタールームで公開されているが,その入選作からさらに厳選された優秀作が,巨大スクリーンの設置された大ホール「Electronic Theater」(以下,ET)で上映される。
     昨年同様SIGGRAPH 2012でも,ET上映作品の中から印象深かったものをチョイスして紹介しよう。

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    すでにレポート済みの「Real-time Live!」とは別会場だったが,使用プロジェクタは同じだった。Christie Digital Systems製デジタルシネマ用3板式DLPプロジェクタ「CP2230」である


    Mac ’n’ Cheese

    Tom Hankins氏ほか,The Utrecht School of Arts,オランダ


     最初にお伝えするのは,オランダの学生4人よる,制作期間約5か月のアマチュア作品。だが,そう呼ぶにはあまりにも高い完成度に驚かされるはずだ。
     ゴリラのような巨漢に追われる少年。なぜ追われているのかは分からないが,捕まったら大変なことになるだろうということだけは感じ取れる。少年は果たして巨漢から逃げおおせることができるのだろうか。結末には,この巨漢が少年を追う理由が明らかになるが……。

     グローバルイルミネーションと水彩ペイント風のスタイライズドレンダリングを組み合わせた独特なビジュアルテイストに加え,画角シフトやねじれるような映像変形が面白い。



    Wanted Melody

    Paul Jaulmes氏ほか,Supinfocom Arles,フランス


     CAFの常連となっているフランスのCG関連名門大学,Supinfocom ArlesのArlesの学生による作品。
     今回のETにおいて,最も爆笑を誘ったオゲレツ問題作品だ。いや,芸術大国フランスの作品なのだからこれもアートなのかもしれない。

     舞台は西部開拓時代。美しい歌声を持つ歌手に恋をしてしまったカウボーイは,愛馬にまたがり彼女(?)を追う旅に出る。しかし,ひょんなことから彼は賞金首と勘違いされてしまい,保安官達から追われる立場に。行く手を阻む数々の敵。ときにはネイティブアメリカンに囚われてしまうピンチも。果たして彼は美しい歌声の彼女に会えるのだろうか……。

     と,ストーリーだけを解説すると何の変哲もない西部劇ラブストーリーといった風情だが,そこはSupinfocomの学生,ひとひねり入れている。どういった演出意図がそうさせたのか分からないが,登場人物はなんと全て男性器の形をしているのだ。男性ならば分かる色々な「あんな気持ち」や「こんな気持ち」を,ガンマンがアクションで見せてくれることが大爆笑につながったのであろう。女性来場者も笑っていたように見えたのは気のせいか……。
     
     登場人物(男性器)は,すべてサブサーフェススキャッタリングSubsurface Scattering処理された,透明感ある質感でシェーディングされていたことを付け加えておきたい。

     なお,映像の予告編がSupinfocomの公式サイトにアップロードされており,内容の一部を見ることができる。



    Chevrolet “Joy”

    Psyop,アメリカ


     アメリカのCGプロダクションSyopによる,General Motors(ゼネラルモーターズ)のコンパクトカー「Chevrolet Sonic」(シボレー・ソニック)のTVCMがET入選を果たしている。
     DisneyやPixarのようなデフォルメされた造形ではなく,極めてリアルにモデリングされたCG昆虫達が,走り出そうとするシボレー・ソニックに乗ろうと集まってくるというお話。いざSonicが走り出せば,その素晴らしさに昆虫達はフロントグリルで種の壁を超えたお祭り騒ぎ。ちょうどそこへ,飛んでいたトンボがぶつかってしまうが……。

     ちなみに,Chevrolet Sonicは日本でも販売中だが,このCMは放映されていないようで,少々残念だ。

    Chevy Sonic “Joy”

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    Oh Sheep!

    Gottfried Mentor氏ほか,Filmakademie Baden-Wurttemberg,ドイツ


     ドイツの名門映画学院Filmakademie Baden-Wurttemberg出身のアーティストである,Gottfried Mentor氏による監督作品。
     仲の悪い羊飼い2人が,羊を引き連れて狭い餌場にやってきた。羊飼い同士は仲が悪いが,それぞれが飼っている羊達は仲がよい。2人の羊飼いはそれぞれの羊が混ざってどれが自分のものか分からなくなるのを嫌い,柵を作り始めた。それを見て羊たちが取った行動とは……?
     意図的に世界を狭く見せるようなカメラワークと,コマ撮りアニメ(ストップモーションアニメ)テイストに仕上げている美術演出が面白い。そうした演出意図からか,メインキャラクターの羊達はあえて油粘土のような質感でシェーディングされている。登場するオブジェクトも布や糸くずのような質感で,CGであることを忘れてしまいそうになる作品だ。

     なお,ウェブ上では,本作品の予告編と,Gottfried Mentor氏による最近作のトレイラーが公開されている。



    DiRT 3

    RealtimeUK,イギリス


     カメラが捉え続けるのは,ひたすら走り続けるレーシング仕様のFord Fiesta(フォード・フィエスタ)。アップダウンの激しい悪路を走破していくFiestaだが,遮蔽物を通り過ぎるたびに,その悪路が砂地,雪原,市街地と次々に変化していく。まるでクルマのCMを見ているような格好良すぎる演出のこの作品は,イギリスのCodemastersが開発した人気のラリー&オフロードレースゲーム「DiRT 3」PC / PlayStation 3 / Xbox 360)のオープニング映像だ。
     この映像の制作は,実はCodemastersではなく,同じイギリスのCGプロダクションスタジオRealtimeUKが担当している。

     この「DiRT 3」のオープニング映像はET入選を果たしたが,それに加えて,同じシリーズの作品である「DiRT Showdown」PC / PlayStation 3 / Xbox 360)のトレイラーもCAF入選となり,ダブル入選達成の快挙となった。なお,DiRT Showdownの映像制作を担当するのも,RealtimeUKだ。

    「DiRT 3」オープニング

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    「DiRT Showdown」トレイラー

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    Dynamic Earth:Coronal Mass Ejection and Ocean/Wind Circulation

    Gregory W. Shirah氏ほか,NASA,アメリカ


     CAFでもはや恒例となっているのが,NASAの観測データをビジュアライズしたCG作品群だ。今年も,半ば当然のようにET入選を果たしている。

     今年の作品はコロナ質量放出(Coronal Mass Ejection,以下 CME)が題材だ。CMEは太陽から突発的に放出されるプラズマで,実際に質量を伴うことからコロナ「質量」放出という名称が付けられている。太陽フレアは電磁波エネルギーだが,CMEは力学的なエネルギーを有する点が違う。

     映像では,太陽から放出されたCMEが地球圏に達したとき,その多くが地球を取り巻く磁気圏によってはねのけられることや,地球大気圏に突入した一部のCMEが,地球上の大気運動に影響を与え,ひいては気象にまで影響を及ぼすことなどが解説されている。

     映像の全編はNASAの公式サイトからダウンロードすることができる。

    Dynamic Earth:Coronal Mass Ejection and Ocean/Wind Circulation

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    FOR THE REMAINDER

    Omer Ben David氏,Bezalel Academy of Arts & Design,イスラエル


     イスラエルの美術デザイン学院,Bezalel Academy of Arts & Designの学生の卒業作品。
     自然とも不自然とも言えないような,ランダムな絵筆のストロークが点在する不思議な世界を描いた作品だ。無理にたとえるならば,心理テストのロールシャッハテストに用いるような画がリアルに生命力を持って動き出したテイストと言えばいいだろうか。

     最初はこの作品が何を描いているのか分かりにくいだろうが,物語の中盤あたりから,それが「ある動物」だとが分かってくる。タイトルとなる「REMAINDER」と,この動物を踏まえて作品を見直すと,,今度はなんともいえない「もの悲しさ」を感じ取れるはずだ。

     グラフィックステクニックの視点から見ても,アート作品としても,興味深い作品だといえよう。

    FOR THE REMAINDER

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    Clover “Way Better”

    Passion Pictures,イギリス


     南アフリカの乳製品メーカー,CloverのTVCM作品。制作はイギリスのCGプロダクションPassion Picturesが担当している。

     「クローバー牛乳はどこからやってくるの?」と孫から聞かれたおじいちゃんは,夜空を見上げながら,言葉に詰まることなく流ちょうな語り口で,夢に溢れた嘘八百を並べ始める。そして孫の脳裏には,銀河系の彼方にあるクローバー牛乳製造工場の様子が浮かび上がるのだった。
     「マジメにお馬鹿をやる」といった感じの内容だが,そのCG品質は極めて高い。神秘的な惑星に建造された乳製品工場や,そこで働く妖精のような動物達は緻密にモデリングされ,なおかつ同時多発的に複雑なアニメーションを見せてくれる。短時間のTVCMだが,CGとしての情報量は異常なまでに多いことに感動させられた。

    Clover Way Better

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     今回紹介する映像作品は以上となる。後編は,SIGGRAPHのCAF審査委員会が選んだ優秀作品を中心に紹介していくのでお楽しみに。
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