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[COMPUTEX]OCZ,独自の高速インタフェース「HSDL」を公開。PCIe接続の廉価版やUSB 3.0接続のSSDも
今回公開されたのは“HSDLインタフェースカード”で,現時点におけるラインナップはPCI Express(以下,PCIe)x4対応のシングルポートモデルと,PCIe x8対応で4ポートモデルの2種類。同社の担当者によると,HDSLでは,ケーブル間の伝送にPCI Expressのプロトコルを採用し,x1相当で接続しているが、独自の拡張で読み出し930MB/s,書き込み790MB/s,4Kランダム書き込み時のIOPS(Input Output Per Second,1秒間に可能なI/Oの回数)75000を実現できるという。
PI2EQX4401は,PCIe外付け拡張ボックスなどに採用されているチップで,PCI Expressの信号を外部伝送しやすいように分解・増幅する。受信側は,この信号を復号することで,通常のPCIeリンクとして利用できるというわけだ。OCZが公開したインタフェースカードの構成も,すでに存在するPCIe外付けボックスのそれとそっくりである。
同社でマーケティングを統括するAlex Mei(アレックス・メイ)上級副社長は,「HSDLは,PCIeと同じプロトコルを使ってはいる。だが,複数のシリアルチャネルを一つの仮想チャネルとして伝送することで,ケーブルがPCIe x1相当の接続でも優れたパフォーマンスを実現できるようにする」と,同技術について説明する。PCIe信号を複数に分けて一斉送信するので,ケーブル側に存在する,PCIe x1の仕様を超えた帯域幅を実現できる,というわけだ(※実効性能が額面どおり出るかどうかまでは,この時点ではなんともいえないが)。
そして,こういった方式を採るため,HSDLインタフェースの先に接続されるSSDは,HSDLに対応した新設計のものになる。実際,第1弾製品は,SandForce製の「SF-1200」コントローラを2基搭載し,RAID 0を構成した3.5インチモデルになるという。
OCZは,このHSDL技術を,主要マザーボードベンダーやエンタープライズベンダーに提供する意向を示している。独自のSSD高速転送技術を確立することにより,SSDベンダーが乱立する現在の市場から一歩抜け出し,かつて持っていた市場におけるリーダーシップを奪還したい考えだ。
PCIe x4接続の拡張カード型SSDや
USB 3.0対応の外付けSSDも
廉価版Z Driveという位置づけのRevo Drive。SandForce SF-1200を2基搭載し,カード上でRAID 0を構築する |
SF-1200チップ。OCZは,SandForce社の出資者でもある。ちなみに写真で左上に見えるのが拡張用コネクタ |
「Revo Drive」は,SF-1200×2を搭載し,カード上でRAID 0を構成するSSDだ。読み出し540MB/s,書き込み530MB/sで,4Kランダム書き込み時のIOPSは75000を発揮するという。
カード中央部分にはコネクタが見えるが,これは増設用。将来的に容量を増やしたり,SF-1200×2を搭載した拡張カードを追加することで4クラスタによるRAID 0を実現したりといったことが可能になるようだ。
OCZはRevo Driveを,「Z Drive」の廉価版と位置づけており,容量120GBモデルでは500ドルを下回る価格帯を実現すると息巻く。なお,市場投入は早ければ7月中になる見込みである。
Enyo |
Vertex 2とOnyxの1.8インチモデル |
また,従来どおりの2.5インチSSDにも,新製品が投入される。新世代のエントリーモデルとして,INDILINXの「Barefoot」(※キャッシなし)を搭載し,読み出し125MB/s,書き込み70MB/sを実現する「Onyx」を追加。容量32・64GBの2モデルが用意される見込みだ
SF-1200搭載のフラグシップモデル「Vertex 2」,そしてOnyxには,1.8インチモデルも追加される。Vertex 2の1.8インチモデルは容量60・120・240GBの3モデル,Onyxは同64GBモデルがラインナップしており,7月には市場へ投入される予定という。
※お詫びと訂正
初出時,HDSLインタフェースカードの接続リンクをPCI x1・x4,Revo Driveをx1としていましたが,順にx4,x8,x4の誤りです。お詫びして訂正いたします。
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