MSIがブースを構える,TWTC Nangang Exhibition Center
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COMPUTEX TAIPEI 2010の開幕を翌日に控えた2010年5月31日,MSIは報道関係者向けに,ブース展示内容の一部を明らかにした。今回は,MSIへの事前取材で明らかになった注目製品も交え,その内容を「MSIブースプレビュー」としてお届けしたい。
今度こそ製品化にこぎ着けるか?
ノートPC用のGPU拡張ボックス「GUS」
さて,そのなかでも,4Gamerとして大いに注目しておきたいのが,ExpressCard接続で,デスクトップPC用のグラフィックスカードを利用できるようにするという,ノートPC向けの“グラフィックス拡張ボックス”「GUS」だ。
ExpressCard接続のグラフィックス拡張ボックス,GUS。2スロット仕様のカードも装着できるよう,高さが確保されている
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GUSは,「Graphics Upgrade Solution」の略。消費電力90Wまでのグラフィックスカードを差すと,PCI Express x1接続の外付けGPUとして利用できるというボックスになる。GUSの筐体背面には,VESAマウント規格準拠のネジ穴が用意されており,液晶ディスプレイの背面に取り付ければ,必要なときだけ使う拡張ボックスとして,場所を取らないような配慮もなされている。
背面にはVESAマウント対応のネジ穴を用意(左)。右の写真で見えるように,USBポートを二つ備え,USBハブとしても利用できる。USBポートの近くに見えるのは電源コネクタだ
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本体とExpressCardを直結させる設計により,信号の減衰を防ぐ。筐体表面にメッシュのスリットが入っているのは,もちろん吸気用だ
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MSIでグラフィックス製品の企画を担当するProject ManagerのKiner Liu氏は,「ノートPC向けのグラフィックス拡張ボックスではこれまで,ケーブルの品質によってパフォーマンスが左右される傾向が見られた」と指摘。GUSでは,ExpressCardと拡張ボックス本体を直接結ぶことで信号レベルの減衰を防ぐ。さらに「PCI Express x1接続のGUSだが,『GeForce 9800 GT』や『ATI Radeon HD 5670』なら,16レーン接続時比で70%程度のパフォーマンスを出せるようになった」とアピールする。
31日時点で発売時期は明らかになっていないが,北米市場での想定売価は129ドルとのこと。モバイルノートPCなどを持ち運ぶ前提で普段使いしつつ,それを自宅ではオンラインゲーム用として(できれば高解像度のディスプレイと接続して)そのまま使いたいといったニーズは一定数あると思われるだけに,今度こそ日の目を見そうなグラフィックス拡張ボックスの今後を楽しみに見守りたいところだ。
GeForce×Radeonの異種混合マルチGPU環境
ついに低価格マザーボードで実現
P55A Fuzion
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もう一つ注目しておきたいのは,GeForceとATI Radeonによる異種混合マルチGPU動作を可能にする「Intel P55 Express」チップセット搭載の「P55A Fuzion」と「AMD 870」チップセット搭載の「870A Fuzion」,2枚のマザーボードだ。
これは,
1月16日のレビュー記事でその挙動をお伝えした「Big Bang-Fuzion」と同じく,LucidLogix Technologiesの「Hydra 200」ブリッジチップを搭載することによって実現される製品。MSIは当初から,Hydra 200搭載マザーボードを低価格モデルへも拡大する意向を示していたが,ついにそれらが姿を見せたことになる。
870A Fuzion
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MSIでFuzionシリーズの製品企画を担当するAlvin Kao(Project Manager,Product Marketing, Marketing Department, MSI)氏は,「3DゲームではNVIDIA PhysXに対応したGeForceにアドバンテージがある一方,ビデオ再生のクオリティはATI Radeonのほうが高い」と述べ,両方のメリットを同時に享受できる“Fuzionマザーボード”の魅力をアピール。より安価な製品でも異種混合マルチGPUをサポートすることで,同シリーズのインストールベースを拡張していく構えだ。
なお,P55A Fuzionは,PCI Express(以下,PCIe) x16×2,PCIe x1×2,PCI×2という拡張スロット構成を採用しており,異種混合マルチGPU構成への対応を果たした以外は,スタンダードなハードウェア仕様になっているといえるだろう。ただし,最近のミドルクラス製品以上でトレンドのUSB 3.0とSATA 6Gbpsは,いずれもコントローラを搭載することできっちり対応している。
一方の「870A Fuzion」は,サウスブリッジに「SB850」を搭載することでSATA 6Gbpsを標準で6ポート実装。USB 3.0ポートも2系統だ。拡張スロット構成はPCIe x16 ×2,PCIe x1×3,PCI×1である。
こちらは日本でも発売済の「Big Bang-XPOWER」。「Intel X58 Express」チップセット搭載のゲーマー向けフラグシップモデルだ。PCI Express x16スロットを6本備える点や,CPU電源供給コネクタとして8ピン2系統を用意し,液体窒素などを用いた極限のオーバークロックにおいても十分な電力の供給を可能にした点などが大きな特徴となる。もちろん,Big Bang製品らしい,「Hi-c Cap」満載の仕様は健在だ
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Twin Frozr 2搭載のGTX 470&465カードを7月投入
3D立体視対応のオールインワンPCなども
Twin Frozr II搭載のGeForce GTX 470&465搭載カードを展開する
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このほかグラフィックスカード製品では,MSI独自の静音志向クーラー「Twin Frozr II」を搭載した「GeForce GTX 470」搭載モデル「N470GTX Twin Frozr II」と,「GeForce GTX 465」搭載モデル「N465GTX Twin Frozr II」が公開された。
前出のLiu氏は併せて,7月以降,MSIオリジナルデザインを採用したGeForce GTX 470&465ベースのハイパフォーマンスモデルを投入する計画も明らかにしている。
Twin Frozr IIを採用するGeForce GTX 400シリーズ搭載の2製品では,8mm径の「SuperPipe」×2,6mm径×3という,5本のヒートパイプを用いた冷却が行われる(左)。外部電源コネクタは,GeForce GTX 470&465のリファレンスと同じく6ピン×2
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Wind Top AE2420 3D
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ユニークなところでは,24インチ,解像度1920×1080ドットのワイド液晶パネルを採用し,3D立体視表示をサポートするオールインワンPC「Wind Top AE2420 3D」が正式発表されたことも取り上げておきたい。
Wind Top AE2420 3Dは,CPUにCore i7&i5を搭載可能で,GPUには「ATI Mobility Radeon HD 5730」を採用。MSI独自の液晶シャッター式メガネが付属し,標準で3D立体視を利用できるのがウリだ。「THX TruStudio Pro」準拠のサラウンドサウンド機能を搭載し,1080pの解像度で,ゲームやビデオコンテンツを3D立体視で楽しめる製品として,訴求されていく見込みだ。
MSIオリジナルシャッター式メガネが付属する。イメージとしてはNVIDIAの「3D Vision Kit」に付属するものと似た印象 |
Wind Top AE2420の概要。USB 3.0標準対応,サブウーファモジュールの搭載がトピックとして謳われている |
Wind Pad
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会場でガジェット系メディアの注目を集めていたのが,Atomベースの10インチ液晶パネル搭載ピュアタブレット「Wind Pad」である。説明会で「Wind Pad 100」として紹介された製品は,Webカメラやマイク,GPS機能を内蔵しているとのこと。会場ではWindows 7が動作していた。
一方,会場にはもう一つ,よりスマートかつ湾曲した本体デザインのタブレットも用意されていた。このあたりのスペックは,1日以降,ブースで明らかになるだろう。
Wind Pad 100とその製品概要
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会場に置かれていたもう一つのWind Pad。本体背面のカバーを交換できるようだ。木製のカバーも用意されていた
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GT660の量産モデル。GT660は,「Core i7-720QM/1.60GHz」と「GeForce GTX 285M」を搭載する。CPU&GPUのオーバークロック機能をサポートし,USB 3.0インタフェースも装備している
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また,
CeBIT 2010のタイミングで公表されたゲーマー向けノートPC「GT660」の量産モデルが披露され,7月以降に順次市場投入されると明らかになったのはニュースだろう。
なお,
COMPUTEX TAIPEI 2010でライブデモを見せると予告されている「3DMark 11」は,31日の時点ではおあずけ。一部製品とともに,6月1日の開幕を待って披露される予定とのことだった。
説明会では,「ペンタブレットにノートPCの機能を持たせた」と呼ぶのが正しそうなマシン「Sketch Book」も公開された(左)。キーボード部分を180度回転させると,ペンタブレットになる(中央)。右はスライドでのみ紹介された「Wind 3D Armor」。3D立体視対応メガネとヘッドフォン,マイクが一体になった製品だ
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