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Cooler Master,“R600×3対応”など新作電源ユニットを準備中
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印刷2007/03/19 12:23

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Cooler Master,“R600×3対応”など新作電源ユニットを準備中

Joey Cheng氏(Product Manager, Product Marketing Dep., Retail Product Business Unit, Cooler Master)
 CPUクーラーやPCケースで知られ,ホワイトボックスPC(※大手メーカー製ではないPCのこと)用PCケースでも採用例の多いCooler Master。そんな同社は,最近電源ユニットに力を入れているそうで,このたび,電源ユニット担当プロダクトマネージャーのJoey Cheng(ジョーイ・チェン)氏が,販売代理店などとの協議のため来日した。
 そのタイミングで,4Gamerは氏に今後の展開などを聞けたので,気になる次世代GPUの消費電力の話も交え,直近のロードマップをまとめてみたい。

■R600は「8ピン+6ピン」の最大300W仕様に
■R600 or GeForce×3に対応した1250W電源も予定


 さて,Cheng氏によると,Cooler Masterは,2007年5月以降に,電源ユニットシリーズ「Real Power Pro」の新製品を投入する予定だ。

Real Power Pro 850Wの開発途上サンプル。最終版ではない。モジュラーケーブルがソフトケースに入れられるのは,製品版でも変わらないようだ
 今回,Cheng氏はそのなかから,2007年5月発売予定とされる「Real Power Pro 850W Modular」のサンプルを見せてくれたのだが,これは先に発売された「Real Power Pro 850W」のモジュラーケーブル採用版というだけではなく,新たにPCI Express用の8ピンケーブルを2系統用意しているのが特徴だ。Real Power Pro 850Wでは,6ピンケーブル×4で「GeForce 8800 GTX」のNVIDIA SLI動作をサポートしていたが,この8ピンケーブルはCheng氏いわく「『R600』(開発コードネーム)用」(Cheng氏)となる。

PCI Express用8ピンコネクタ
 氏によれば,R600は8ピン+6ピンという外部電源仕様になるようだ。供給容量は8ピンが150W,6ピンが75Wとなり,PCI Expressスロットからの75Wと合わせて,合計300Wになる計算。R600の消費電力に関しては,300Wであるとか,いやそれは嘘だという噂が一時期飛び交っていたが,少なくとも電源ユニット側の仕様としては,「(PCI Expressスロットの75Wも入れて)300W供給できるものが要求されている」(Cheng氏)とのことである。

Cheng氏は絵を描きながら説明してくれたので,それを基に図を起こしてみた(カードの図はそれぞれイメージであり,実際のデザインとは異なります)


電源ユニットの内部構造を示したスライド。EMIフィルタは2ステージ構成で,日本製コンデンサを採用しているという(出典:Cooler Master)
 なおCheng氏は,GeForceやR600の3枚差しをサポートした定格1250W電源「Real Power Pro 1250」を,2007年6月頃に投入予定とも述べる。同製品では,8ピンと6ピンの排他利用となるケーブル×3に,6ピンケーブル×3を用意し,「6ピン2系統を要求するGeForce搭載カード3枚」もしくは「8ピンと6ピンを1系統ずつ要求するR600搭載カード3枚」による,トリプルグラフィックスカード接続が可能になるとのことだ。
 グラフィックスカード3枚差しに関して,現時点で動作デモ以上の話はとくにないが,電源周りの環境が揃ってくる2007年後半には,何らかの動きが見られるのではないだろうか。

 さて,このほかReal Power Pro 850W Modularについて明らかになっていることをまとめておくと,135mm角ファンを回転数1300rpmで動作させることにより,低騒音を実現したという。電源変換効率は80%を超え,電源変換効率80%以上の製品を認定する北米の独立機関による「80 PLUS」プログラムの認証も取得しているそうだ。

Real Power Pro 850W Modularのユニット本体。サンプルでは,コネクタの色が製品版と異なっており,「凡例として本体に貼られているシールと同じように,6ピンコネクタは緑色,8ピンコネクタは青色になる」(Cheng氏) 1250Wモデルでは,8ピンと6ピンがもう1系統ずつ増える


Real Power Pro 650(左)とReal Power Pro 620 Modular(右)
 なおCooler Masterでは,大容量モデルだけではなく,若干容量の小さいモデルも用意している。Real Power Pro 850に2ラインナップ用意されていることから想像がついたかもしれないが,以下のとおり,一般的な内部ケーブル仕様の製品と,着脱可能ないわゆるモジュラータイプの2ラインで新製品が投入される見込みだ。
  • Real Power Pro 750(定格750W,6月予定)
  • Real Power Pro 700 Modular(定格700W,モジュラーケーブル採用,6月予定)
  • Real Power Pro 650(定格650W,5月予定)
  • Real Power Pro 620 Modular(定格620W,モジュラーケーブル採用,6月予定)
  • Real Power Pro 550(定格550W,5月予定)
  • Real Power Pro 520 Modular(定格520W,モジュラーケーブル採用,6月予定)
 いずれも現時点で価格は未定。120mm角ファンを内蔵する仕様で,電源ユニット側に8ピン出力は持たないとされている。R600などについては「カード側に8ピンの150W入力を作り出すための変換アダプタが付属するので,それを使うことになる」(Cheng氏)とのことだった。

左:Real Power Proシリーズはいずれもシングルファン仕様。外部電源ケーブルを接続する面はメッシュ仕様になっている
右:重ねて奥行きを比較してみた。850Wのモジュラー仕様では,モジュラー端子の突起込みで185mm,620Wモジュラー仕様は突起がないものの,モジュラー分長くなって150mmとなる。今回比較できたもので最も短かった650W仕様は140mmだ


 ハイエンドGPUの消費電力は右肩上がりで上昇し続けているだけに,グラフィックスカードを久しぶりに買い換えようとすると,同時に電源ユニットの買い換えを余儀なくされるケースもありそうだ。そろそろ足音の聞こえてきたDirectX 10ミドルレンジGPUなどを契機に,グラフィックスカードの買い換えを検討している人は,Cooler Masterが大容量電源ユニットの新製品を用意していることを憶えておくといいかもしれない。(佐々山薫郁)

  • 関連タイトル:

    ATI Radeon HD 2900

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