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Biowareの新作,「Dragon Age:Origins」を最新ムービーとスクリーンショットで紹介。併せて気になる「Dante's Inferno」も
Biowareの新作「Dragon Age: Origins」が
EAのイベントに登場
筆者を含め,すっかり忘れていた人も多いと思うが,4月28日の記事に引き続き,さる4月23日〜24日,北米の大手パブリッシャであるElectronic Artsがロンドンで開催したメディア向け説明会「EU Showcase」のレポートだ。そう,またロンドンである。というわけで今回は,BioWareが開発中のシングルプレイRPG「Dragon Age: Origins」(以下,Dragon Age)を紹介したい。
BioWareといえば,Baldur's Gateシリーズに始まり,Neverwinter Nightsシリーズ,さらには「Mass Effect」など,一般に「ハズレのない,手堅いタイトルを制作するデベロッパ」という評価が高く,それだけに欧米のRPGファンの間では本作に期待する人が多い。
今回のDragon Ageのテーマは,「ダークファンタジー」だ。掲載したムービーやスクリーンショットを見てもらえば分かるように,鮮血噴き出しまくりで人がバタバタ死ぬという,バイオレンス度のかなり高いものになっており,どちらかといえばコアゲーマー向けかもしれない。ストーリーも裏切りや強欲,野心などをフィーチャーした,大人の鑑賞に耐える内容ということで,けしてカジュアルなゲームではないし,といって純粋なハイファンタジーというわけでもないとのこと。ムービーにも出てくるが,ちょっとしたお色気シーンもあったりする。
こうした自由度の高いRPGといえば,大ヒットした「Fallout 3」が思い出されるが,ストーリー展開については近しいものがあるようだ。併せて,高いバイオレンス度というのも共通している。ただ,Fallout 3にあったような激しいゴア表現はないようだ。
まずは下に掲載した,その名も“Violence Traier”をチェックしてほしい。
高いバイオレンス度と戦略を要求されるゲームデザイン
会場の一室では「誰でも入れるビハインド・ザ・カーテン」という,ちょっと不思議な感じのプレイアブルな展示が行われており,短いムービーシーンに続いてモンスターとの戦闘が楽しめた。動いていたのはPC版で,現在,PCをメインに開発されてはいるが,対応機種としてほかにXbox 360とPLAYSTATION 3が予定されている。高解像度でプレイできること以外,PCとコンシューマ機との間でプレイ感覚に違いはないとのこと。
視点は斜め上からの見下ろし型(位置はかなり高い)だが,キャラクターの肩越しの視点に切り替えることも可能で,その場合の戦闘の迫力はかなりのものだ。ムービーシーンでは,悪役とおぼしき丸坊主の男と主人公らのパーティが出会って短い会話を交わすという内容で,その後,お約束のように戦いに突入するわけだ。
パーティは常に四人一組だが,プレイヤーがゲームを進めるにつれてさまざまな人物と出会い,そのなかからパーティメンバーを選んでいくことになるらしい。詳細はちょっと分からなかったが,使わないキャラクターをストックしておくことも可能で,敵のタイプに応じた最適なパーティを組む戦略性もあるとのことだった。
プレイヤーは四人を交互に操作することも,残りの三人をPCに任せることも可能で,定評あるAI技術はさらに高度なものになっているようだ。ちなみにプレイヤーキャラクターの切り替えはマウスホイールで行うシステム。魔法のエフェクトは非常にきらびやかで,ガンガン戦っている様子を一見するとアクションゲームのようだが,スペースバーを押すことでいつでもポーズが可能であり,落ち着いて戦略を練ることもできる。アクションよりも戦略が重要というゲームデザインだ。
シングルプレイ専用RPGとして開発されているため,マルチプレイについては現在のところ未定だが,Laidlaw氏は実装に含みを残していた。いずれせよ,さらに詳しいことは,6月にロサンゼルスで開催されるE3で発表されるとのことである。
激しい流血と大規模な戦闘は個性的だが,ゲームシステム全般は手堅い作りになっているという印象。あとは,どのようなストーリーが展開するのか,あるいはゲームバランスはどうかというあたりが気になるところ。なにしろ,プレイアブル展示されていたシーンは「ゲーム中最難関」(Laidlaw氏)という戦闘で,なんだってメディア向けにそんなところを持ってきたのかよく分からないが,見ている限り,誰も勝てなかったのである。
というわけで,最後に――ちょっと以前のものだが――ティザー&プレイムービーを掲載しよう。ぜひゲームの雰囲気を味わっていただきたい。
大鎌を持ったダンテが地獄の亡者を相手に
大暴れする「Dante's Inferno」
続いて紹介する「Dante's Inferno」は,2008年12月に突然制作が発表された(関連記事)謎のタイトル。その後はあまり動きがなく,ティザームービーが一本公開された程度。というわけで,実際に動いているゲームシーンがメディアに向けて公開されたのはこれがほぼ初めてとなる。対応機種はPCのほか,Xbox 360とPLAYSTATION 3だったが,4月27日の記事にもあるように,その後,PSP版の発売も決定している。
イタリアの詩人,ダンテ・アリギエーリが14世紀頃に発表した長編叙事詩,「神曲」のうちとくに「地獄篇」は,後代の文学作品だけでなく,絵画や音楽など現代までのさまざまなメディアに影響を与えてきた,と述べるのはカンファレンスで本作の紹介を担当したExective Producer,Jonathan Night氏だ。
Dante's Infernoは,そんな地獄篇をゲームの世界に初めて再現にしたものとなり,プレイヤーはダンテとして地獄に赴き,さまざまなモンスターを相手に戦うのだ……って,おい! ダンテが武器を振るって地獄の亡者相手に派手な立ち回りを演じるのは,割と意表を突いた展開だが,ゲーム化にあたっては,さすがにいろいろなアレンジが加えられているとのこと。
9層に分かれ,全体として漏斗状になった地獄のディテールは地獄篇の記述だけでなく,神曲をテーマにしたボッティチェリの絵画などをベースに精密に作られており,最愛の恋人ベアトリーチェを助け出すために,プレイヤーはダンテの描く地獄をめぐることになる。原作に出てきたローマの詩人,ウェルギリウスがときどきヒントをくれたりなど,地獄篇を読んだことのある人は,忠実にビジュアル化された地獄の様子を楽しんだり,あるいは原作との違いにビックリしたりできるだろう。それにしても,ダンテ逞しすぎ。
敵の背後に回って,大鎌で首を切り飛ばすのがダンテの必殺技で,ゴア表現はなかなかのもの。ちなみに開発を担当しているのは,「Dead Space」を作ったEA Redwood Shores Studioで,Dead Spaceと同様,コミックスやアニメなどへの展開も視野に入れているという。
Dead Spaceに続いて再び新たなIPへ挑戦するわけだが,この地獄篇が成功したら次は「天国篇」で,天使を相手に大鎌を振るうわけは……ないか。ないな。
何人かの敵を倒したあと,ダンテはモンスターにまたがって,そそり立つ壁を登っていく。本作に登場する巨大モンスターのいくつかは,別の小さいモンスターによって操縦されており,操縦者を倒せばでっかいほうを乗り回すことが可能になるのだ。
かくして,ダンテは最愛のベアトリーチェの姿を追って地獄の最深部に向かうことになるのだ。個性的すぎるロケーションとキャラクター,そして他に例を見ないような地獄やモンスターのデザインなど,今後のブラッシュアップ次第で,Dead Spaceに並ぶヒット作になる可能性は高いだろう。こちらもまた,6月のE3でさらに詳しい紹介が行われる予定である。
物理エンジンで顔がゆがむマイク・タイソン
ボクシングゲーム「Fight Night Round 4」
最近流行の物理エンジン。建物が派手に崩れたり,車がリアルに衝突したりするのはよく見るが,EA SPORTSが6月に発売を予定しているXbox 360/PLAYSTATION 3向けタイトル,「Fight Night Round 4」(以下FNR4)は,ボクシングのリアリティを生み出すために物理エンジンをフィーチャーしている。殴られて歪む表情,飛び散る汗,筋肉の盛り上がり,崩れるようなノックダウンと,すべてが本物さながらで,最新テクノロジーをこんなすごい表情を作るのに使うかという雰囲気である。アニメーションなし,すべて物理演算。
開発を担当するEA Canadaの担当者によると,本作は「ゲームとして初めてマイク・タイソンをフィーチャーしたものである」とのこと,プレイヤーはタイソンとして数々の強敵を相手に勝ち進んで行かなくてはならないのだ。
モードによっては,過去の名選手が登場するので「最強対決! モハメド・アリvs.マイク・タイソン」などというカードも組める。打撃力や敏捷性などは体格や筋力などから忠実に再現しているということで,ボクシングゲームおよび格闘ゲームファンは期待してほしい。
とりあえず,新しいスクリーンショットを掲載するので,鍛え抜かれた筋肉同士の激突をじっくりと見てほしい。うう,痛そう。
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Dragon Age: Origins
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Dante's Inferno
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ダンテズ・インフェルノ 〜神曲 地獄篇〜
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