2004/08/27 13:26 |
Game Conventionで,「Microsoft Zoo Tycoon 2」がプレイアブルな状態で展示されていた。 前作「Zoo Tycoon」は,リリース当時は評価が分かれた作品だった。すぐに動物が逃げ出すなどパッチ前はバグが多かったが,"The Simsシリーズ"で占拠されていた全米のソフトセールスでは非常に奮闘していたといえる。その後「Dinosaur Digs」「Marine Mania」という二つの拡張パックがリリースされるなどし,その人気も不動のものとなる。「Zoopedia」という電子動物事典も本格的に作られており,教育ソフトとして活用した家族も多かったのだろう。
Zoo Tycoon 2は,グラフィックスが完全3D化され,動物園を立体的に設計できるようになっている。操作性は前作とほぼ同じで,簡単に施設やオブジェクトの設置/移動ができるなど,プレイするうえでまったくストレスを感じない。シミュレーションゲームファンでも,低年齢層のプレイヤーでも,十分に楽しめそうだ。 本作の大きなウリは,動物園の飼育係として,第一人称視点によるアイレベルで自分の作った動物園を確認できること。また実際に動物に近寄って,餌を与えたり檻を掃除したり,ブラシで背中を撫でてやったりできるのも面白い。ただのアイキャンディとして作られたものではなく,来客に話しかけて不満を聞くこともできるし,動物が数日間に渡って空腹状態だったのは係員が少ないから,といった情報を収集するのにも役立つ。
Zoo Tycoon 2に対する不安は,3Dになったことで性能の低いPCやノートPCでプレイしていた前作のプレイヤーにとって,手の届かないゲームになってしまうのではないかということだろう。これは,「RollerCoaster Tycoon 3」のようなゲームにもいえることで,新作のフィーチャーとして3D化を進める代わりに,プレイヤー層の一部を切り離してしまうことになるのは残念である。 E3 2004のときには,Zoo Tycoonの開発チームも3D化におけるパイの縮小は考慮していたようだが,セールスよりもゲームの楽しさや自分達の作りたいものを追及した結果なのだと考えることもできるだろう。
今,Microsoft社はさまざまな理由で過渡期にあり,PCゲームでの新作が少ないのは残念だが,中でも「Dungeon Siege II」と「Zoo Tycoon 2」は,2004年末のゲームシーンを賑わせてくれる作品であるのは間違いない。Game Conventionで紹介されていたデモバージョンでは,評価するには物足りないながらも改良されている部分がところどころに見られ,より洗練されたプレイフィールを期待できるだろう。(奥谷海人)
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