プレイレポート
パーティプレイと特殊アイテムの充実が目玉。MMORPG「TANTRA」,大型アップデート「Kathana IV-2」先行プレイレポ&インタビュー
4Gamer:
本日はよろしくお願いいたします。最初に,みなさんのお名前とポジションをお願いします。
Quality Asurence:
TANTRA,QA担当のムン・ウンヒです。
PM:
プロダクトマネージャーのゾン・ヒユンです。
開発チーム長:
開発チーム長のユン・ウギョンです。
運営チーム長:
運営チーム長をしています,ゾン・ウォンホです。
4Gamer:
ではさっそく質問を。TANTRAではこの夏に大規模アップデート「Kathana IV」の第2弾が導入される予定ですが,制作サイドとしてアピールしたい,「Kathana IV」第2弾のポイントを教えてください。
Kathana IV-2の開発でとくに力を入れたのは,ミッションマップ「マラナの地」です。これまでのアップデートでは,マップやアイテムといった個別要素の充実を中心に進めてきたのに対し,Kathana IV-2はコンテンツを増やす方向に注力しました。
低レベルキャラでも高レベルキャラでも楽しめるよう,レベルに縛られない遊び場を増やすのが目的です。これから先のアップデートも,コンテンツの厚みを増すという方向性にしていく予定です。
4Gamer:
オーソドックスな順番でプレイを進めていった場合のコンテンツ総量でなく,対象プレイヤーごとにプレイ要素を増やすということですね。
開発チーム長 ユン・ウギョン氏:
そうです。例えばこれまでのTANTRAのダンジョンには,とくに仕掛けなどがなく,割とすぐに最深部までたどりつけてしまいました。それに対して例えば「マラナの地」は五つの階層で構成されていて,ところどころ,キャラクターが所定の条件を満たしていないと進めないポイントが設定されています。
4Gamer:
コンテンツの種類を増やすということは,TANTRAというタイトルの大枠についてはいったん完成を見たという認識で,このKathana IV-2が一つの方向転換になると考えてよいのでしょうか?
アップデートやバランス調整を重ねるなかで,TANTRAはある程度完成に近づいたと思っています。Kathana IV-2は方向転換と呼べるほど大胆なものではありませんが,さらに前へ進むために新しいコンテンツを追加し,プレイヤーさんに新鮮な感覚を味わってほしいですね。
4Gamer:
韓国でKathana IV-2は3月に導入されたそうですが,プレイヤーさんの反応はいかがでしたか? どのコンテンツが一番好評だったのでしょう。
開発チーム長 ユン・ウギョン氏:
「マラナの地」はいままでにないシステムのうえに,パーティを組まないと生き残るのが難しい場所です。お互いに協力しあってどこまで耐えられるか挑戦できるところがプレイヤーに好評で,導入直後から現在に到るまで,ずっと人気があります。
4Gamer:
ギルド単位でのPvPから,パーティ単位のPvEに関心が広がるというのも,ちょっと不思議な気もしますね。普通はパーティ戦闘が先に発達しそうな気がしますから。
PM ゾン・ヒユン氏:
もちろん普通のフィールドでは,パーティでのプレイが普及していますが,ミッションマップにはパーティを組むことが前提条件のダンジョンがあって,いままで以上に知らない人とパーティを組む機会が増えたということです。
4Gamer:
パーティプレイ必須の要素を入れることで,どんな形のプレイヤー層拡大を狙ったのか,ぜひ教えてください。
開発チーム長 ユン・ウギョン氏:
新規プレイヤーを増やすというよりは,ゲーム内で友達になる,つまり横のつながりを作ることでプレイヤーの定着率を上げることが,主な目的です。
TANTRAは,プレイヤーが最初に選んだ主神ごとや,アシュラム(ギルド)単位での行動が中心でしたが,ミッションマップの実装によって,また新しいコミュニティが形成されるはずです。
ミッションマップへのチャレンジは1日1回という制限がありますので,できればミッションマップでのプレイ目的で毎日ログインしてほしいですね。
4Gamer:
話は大元に戻りますが,韓国のTANTRAプレイヤーの年齢層や男女比などを教えてください。
20代後半から30代が一番多いですね。女性プレイヤーも多めで,男女比は7:3くらいです。
4Gamer:
ミッションマップがレベル帯を問わずパーティで楽しめる内容だとすれば,もう一つの新ダンジョン「地底の渦」は,逆に高レベルプレイヤー向けになるのでしょうか?
PM ゾン・ヒユン氏:
そうです。韓国ではとくに高レベルキャラが多い状態ですから,だいたいレベル100以上を対象としています。レベルキャップはKathana IV-2でレベル129まで開放されました。
4Gamer:
レベル100以上というのは,韓国プレイヤーのうちどれくらいに当たりますか。
運営チーム長 ゾン・ウォンホ氏:
登録アカウント全体で見ると4分の1くらいですが,アクティブキャラクターでは半分近くになると思います。
4Gamer:
「地底の渦」は,韓国ではいつ頃導入され,最初にクリア者が出たのはどれくらいのタイミングでしたか。
開発チーム長 ユン・ウギョン氏:
導入は2007年の12月で,オープン当日にクリアしたプレイヤーが出ました。
4Gamer:
なるほど,クリア自体が難関という位置付けではないわけですね。ところでこの新ダンジョンでは,オプションが付いた装備アイテムがランダムでドロップされるそうですね。それらはやはり,RvRやPvP用と考えてよいのでしょうか。
確かに韓国のプレイヤー間でもPvPは盛んですが,新ダンジョンで手に入るランダムオプション付き装備が,そのためだけというわけではありません。
これまでのTANTRAに登場したオプション付き装備というのは,効果が固定されていて,名前を見るだけで何かすぐ分かってしまい,期待感が薄かったんですね。それが,新システムの導入によって期待感が得られるようになりました。
4Gamer:
どんなアイテムか手に入れてみるまで分からないと。ところで韓国では,主神戦以外のPvPも盛んなのでしょうか?
開発チーム長 ユン・ウギョン氏:
うーん,主神戦以外にも実は二つのPvPシステムを用意しているのですが,残念ながら韓国のプレイヤーは主神戦に集中して,あとの二つはいま一つといった状態です。その二つ,つまり攻城戦と要塞戦を活性化させるために,城を手に入れたアシュラムは村に税金をかけられるといったメリットを追加しました。
4Gamer:
なるほど,いわばテコ入れの真っ最中というわけですね。直近のアップデート内容からは離れた,TANTRAのサービス展開に関することをお聞きします。これから海外でのサービス地域を広げていく予定と聞いていますが,その対象国や,どんなアレンジを加えていく予定なのかといったところを教えてください。
開発チーム長 ユン・ウギョン氏:
どこの国でも,サービス内容を大きく変える予定はありません。海外展開で一番我々が注目しているのは北米と南米,できれば欧州も視野に入れたいところですが,一番可能性があるのは北米ですね。
4Gamer:
欧米でのサービス展開は,TANTRAでは初挑戦ですか?
運営チーム長 ゾン・ウォンホ氏:
実は過去にメキシコに1度進出しているのですが,トラブルでサービスを断念したという経緯があります。
4Gamer:
欧米のプレイヤーにとってヒンドゥー神話はそれほどなじみがない題材だと思うのですが,どんな反応だったか興味深いですね。
メキシコでは正式サービスまでいかず,オープンβテスト段階で現地企業とのトラブルに遭遇してしまって,断念いたしました。メキシコでのサービス準備段階では,非常に期待を集めていただけに,残念な結果となりました。
4Gamer:
考えてみると,いままでお聞きする機会がなかったのですが……どういった経緯でヒンドゥー神話をテーマに選んだのでしょう?
開発チーム長 ユン・ウギョン氏:
TANTRAの開発が始まった当時,韓国ではMMORPGが生まれたばかりで,ゲームの主流は日本やアメリカのコンシューマゲームでした。韓国で開発されるタイトルはRPGといっても西洋ファンタジーをベースにしたものが圧倒的に多く,それらとは違うものを探していたところ,インドの神話に出会い,魅力を感じたというのが経緯です。
4Gamer:
メインシナリオにも今後絡んでくる「闇の勢力」というのは,実際のヒンドゥー神話にも出てくる存在ですか?
開発チーム長 ユン・ウギョン氏:
闇の勢力を率いる神の名前はヒンドゥー神話に実在するものですが,バックグラウンドストーリーについてはオリジナルになります。
4Gamer:
なるほど,今後の展開が読めてしまう心配はなさそうですね(笑)。では,今後控えているアップデート「Kathana V」と,さらに先のアップデート方針などを踏まえつつ,日本のTANTRAプレイヤーにメッセージをお願いします。
開発チーム長 ユン・ウギョン氏:
Kathana Vは,今後の方針としてお話ししたとおり,マップとアイテムの追加に終わらず,ミッションマップのように冒険そのものを楽しめるコンテンツを,幅広いレベル帯に向けて追加する予定です。そのほか,週に1度各サーバーの代表同士で行う「ワールド対抗戦」なども予定されていますので,楽しみにしていてください。
また,日本のプレイヤーの皆様から要望の多い,乗り物やアクセサリーのようなアバター要素を強めて,新規マップについても日本のニーズに合うものを積極的に導入していきたいと考えています。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
しかしながら,韓国の開発チームはコンテンツの拡充,つまりレベル帯を問わずに楽しめる要素の充実が長期的な開発方針と述べ,さらに日本からの要望を重視する旨,明言している。
話の順番は前後するが,そこで重視される日本からの要望の中身を,インタビューの中からピックアップするなら,「原点回帰」をキーワードとして進行し,実現すればドラスティックな変革となるであろう壮大なプロジェクト……の部分が,それに当たるのだろう。例えば,かつての中国マップや日本マップに相当するような新しい冒険要素が,今後のアップデート内容として検討されているのだろうか?
そこについては残念ながらごく一部しか聞けなかったが,明らかにされる日もそう遠くなさそうな印象を受けた。TANTRA全体の方向性にも関わる,今後の展開に期待したい。
- 関連タイトル:
TANTRA
- この記事のURL:
キーワード
(c)2003 HanbitSoft Inc. All rights reserved. (c)2008 GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.