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「ライズ オブ ネイション:皇帝と革命軍」,新概念「政体」の詳細情報 | - 2004/06/01 23:49 |
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■名作「ライズ オブ ネイション」がどう変わったか まず最初に,簡単に本作についておさらいしておこう。 本作は「マイクロソフト ライズ オブ ネイション 〜民族の興亡〜」(以下,RoN)の拡張版に当たる作品。このRoNはジャンル的にはRTSだが,一般的なRTSのシステムと,(国境や内政制限など)ターン制ストラテジーのシステムの良い部分をうまく織り交ぜたゲームデザインになっており,"戦略性"の高さが魅力で人気を博している。 RoNでの登場民族はマヤ,スペインなど全18種類だったが,拡張パックを導入することで,アメリカ,ラコタ,イロコイ,ペルシャ,インド,オランダの6民族が追加される。中でもアメリカは群を抜いた民族特性をもちながらユニットも強力という,現時点で最強と謳われている民族だ。とはいえRTSはゲームバランスが非常に重要なので,今後調整されるだろう。 また新民族の追加に伴い,新ユニットの追加も行われている。ペルシャには象ユニット,アメリカには海兵隊系ユニットなど,各国の特徴に合ったユニットが30種類以上追加されている。 新要素の追加以外にも,既存の要素の変更/修正も行われるので以下にザッと記載しておこう。主にゲームバランスを尊重した変更が入っているようだ。 ・軍事テクノロジの研究による,輸送船の移動速度ボーナスが廃止に ・イギリスの大弓兵系ユニットの能力が上昇 ・イギリスは,兵舎を建設すると射手が,港を建設すると漁船が自動的に獲得できる ・アステカとローマは,ゲーム開始時に無償で軍事テクノロジを研究できる ・古代に進化するとローマでは各兵舎に無償で重歩兵を獲得できる ・ローマの砦の建設速度が上昇,砦のアップグレードが無償に ・ロシアはゲーム開始時に無償で治政テクノロジを研究できる。また敵が破壊した建物から戦利品を獲得できる ・スペインの廃墟ボーナスが減少。テルシオが弱体化し,視野ボーナスが廃止に ・マヤの建設コストやスピード,ヒットポイントに関するボーナスが減少 ・超衝突型加速器がユニットの研究に影響を及ばさなくなった ・ピラミッドの建設により都市の建設コストが減少する ・クレムリン宮殿とタージマハルの建設できる時代が入れ替わりに。クレムリン宮殿の建設により石油生産量が上昇する ・自走榴弾砲およびロケット弾発射システムの,歩兵ユニットに対する優位性が減少した ・戦車系ユニットの攻城ユニットに対する優位性が上昇した と,多岐に渡るバランス修正が施されている。 しかし拡張パックでの追加要素で最も注目すべきは,"政体"という新システムだ。これは都市の近くに"議事堂"(近くの都市が首都になる特性をもつ)を建設して独裁制,共和制,君主制,民主主義,社会主義,資本主義といった政治体制を選ぶことで,国家の軍事力や経済力に影響を与えるというもの。どの時代でも研究可能というわけではなく,古代,ルネサンス,産業革命時代の3時代でのみ研究でき,生産時には"愛国者"という特殊ユニットが自動的に生産される。この愛国者もさまざまなボーナスをもつ。 今回β版を入手したことでこの政体の詳細が分かったので,次項からはこの新システムについて詳しく見ていこう。 まずは,政体の種類/生産される愛国者を紹介しておく。 「独裁制」(古代) 特徴:軍事テクノロジの研究および兵舎ユニットの作成コストが25%減少する 生産される愛国者:独裁者 ・通常の将軍の力(装甲の強化,特殊能力)をすべて備え,狙撃および買収されない ・補給車の能力をもつ ・広い視野を保持 ・範囲内で破壊した敵の建物からは2倍の戦利品を獲得でき,また敵ユニットからも戦利品を略奪可能 「共和制」(古代) 特徴:経済規模が50上昇する 生産される愛国者:議員 ・通常の将軍の力(装甲の強化,特殊能力)をすべて備え,狙撃および買収されない ・範囲内にある建物の防御力が5上昇する ・スパイと同様に敵ユニットを買収可能 ・友好国の領土内では,議員の範囲内の建物や部隊が回復する 「君主制」(ルネサンス) 特徴:厩舎ユニットの作成ユニットが25%減少し,ユニットの作成速度が上昇する 生産される愛国者:君主 ・通常の将軍の力(装甲の強化,特殊能力)をすべて備え,狙撃および買収されない ・補給車の能力をもつ ・範囲内にいる攻城ユニットの移動と配備スピードが2倍になる ・範囲内にいる騎兵ユニットの攻撃力/装甲が2上昇する 「民主主義」(ルネサンス) 特徴:図書館以外でのテクノロジ研究コストが20%減少する 生産される愛国者:大統領 ・通常の将軍の力(装甲の強化,特殊能力)をすべて備え,狙撃および買収されない ・範囲内にある建物は,ユニットの作成スピードが2倍になる ・範囲内では建設スピードが33%上昇する ・友好国または中立国の領土内では,議員の範囲内の建物や部隊が回復する 「社会主義」(産業革命時代) 特徴:兵器工場,航空基地,港でのユニット作成コストが20%減少し,ユニットの作成スピードが20%アップする 生産される愛国者:元帥 ・通常の将軍の力(装甲の強化,特殊能力)をすべて備え,狙撃および買収されない ・補給車の能力をもつ ・範囲内にいるすべての友好国ユニットの攻撃力/装甲が2上昇する ・範囲内では敵の都市の併合スピードが4倍になる 「資本主義」(産業革命時代) 特徴:石油を500獲得,石油採集量が100上昇する 生産される愛国者:CEO ・通常の将軍の力(装甲の強化,特殊能力)をすべて備え,狙撃および買収されない ・CEOの範囲内では,建物や部隊が回復する。ただし消耗ダメージを受けていない場合に限る ・範囲内にいる友好国ユニットは,買収および狙撃されない ・範囲内にいるすべての友好国ユニットの射程距離が4上昇し,視野が広がる(攻城ユニットを除く)。 実際にβ版で遊んでみたので,早速感想をお伝えしよう。 前述の通り,政体は特定の時代で2種類から選択していく。開始時代を変更していない場合,まず最初に政体を研究できるのは古代だ。古代では"独裁制"と"共和制"の二つが選択でき,研究することでそれぞれ特有のボーナスと"独裁者"もしくは"議員"を獲得できる。 本作の戦闘は兵舎のユニットを軸とすることが多いので,それに関連するボーナスの多い独裁制を選んでみた。その結果,兵舎ユニットをメインに敵国に攻め込み,見事勝利できた。RoNはユニットを作れば作るほど作成費用が上昇するので,テクノロジの研究費や兵舎ユニットの作成費の減少の恩恵は多大なるものだ。 ルネサンスでは君主制と民主主義が選択できるが,ここでも戦闘面に特化した君主制を選んでみた。比較的大規模な戦闘が起こりやすいルネサンスなだけに,ここでも軍事力を強化した結果が出て,次々と敵軍を餌食にできた。といっても,これは騎兵ユニットを作成したことも大きいのだろう。要は使用民族次第といったところか。 ここまでプレイして,このシステムが何かに似ていると感じた。そう,「マイクロソフト エイジ オブ ミソロジー」(以下,AoM)の従神システムを彷彿とさせるのだ。AoMでは時代が進化するときに従神を選ぶシステムが用いられていた。本作の政体システムは時代の進化とは別物だが,その本質はほとんど一緒ではないだろうか。つまりこの政体システムも,その後の勝敗を担う非常に重要な要素だ。 閑話休題。再び新ゲームを開始し,今度は共和制,民主主義と選んで産業革命時代まで進めてみた。産業革命時代では資本主義と社会主義から選択できるが,Age系をよく遊ぶ筆者は資本主義のユニットの"射程距離+4"のボーナスに興味をそそられ,そちらを選択してみた。足の速いCEOという強力な愛国者が生産され,それらの周りのユニットの射程が上昇し,かなり強力だと感じたものだ。弓系のユニットを得意とする民族ならば是が非でも選ぶべきだろう。 と……ひと通り遊んでみた。筆者の選択はあくまで一例であり,違う選択をしていれば,より有利になっていたのかもしれない。しかしとりあえず今回は"自分の戦略通り"の展開で勝利できて,非常に気持ち良かった。 前作の経験者からしてみれば,政体の追加でよりルールが複雑になったと感じるかもしれないが,これは素直に戦略性が広がったと捉えるべきだろう。それぞれの時代で選択できる2種の政体は,それぞれ特徴的なものになっているので,状況に応じて選択する楽しさもある。 ただ,先述のAoMの従神では,世の戦術が進化するにつれてやはり"選ばなければならない"従神が固定化してしまったのも事実。二の舞にならないかな……と余計な心配もしてみたりする。今後に期待というところだろうか。 ともあれ,政体という要素が,RoNシリーズをより魅力的なものにしたのは間違いない。 余談だが,つい先日アメリカでPCショップのゲーム売り上げランキングをチラッとのぞいたところ,人気FPSがズラリと並ぶなか,本拡張パックも見事上位に食い込んでいた(英語版は発売済)。海外での評判も上々のようだ。 最近は少し落ち込み気味のRTS界に活気を取り戻せるか,本作の動向に注目したい。(halen) →「マイクロソフト ライズ オブ ネイション 〜民族の興亡〜」の記事一覧は,「こちら」 →「マイクロソフト ライズ オブ ネイション 〜民族の興亡〜 拡張パック:皇帝と革命軍」の記事一覧は,「こちら」 (C)2004 Big Huge Games, Inc. Portions (C)2004 Microsoft Corporation. All rights reserved. |
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