インタビュー
プレイヤー海賊に絡む仕様変更も。「大航海時代 Online 〜Tierra Americana〜」の大規模アップデートChapter3“Thanksgiving”インタビュー
プレイヤー海賊にデメリットと目的を追加
ポイントの3点めになるのが,お客様の要望の反映になります。要望の中でも1番大きなものが,プレイヤー海賊に対するものです。Chapter3では,これに対してさまざまな機能追加を入れます。
4Gamer:
前回のインタビュー(3ページ目)で,アンケートの結果としてプレイヤー海賊の仕様変更を考えているという話をしていましたね。
渥美氏:
そうです。プレイヤー海賊の仕様で,ポイントになるのは大きく3つ。まずは,プレイヤー海賊に対するデメリットが少ないのではないかという商人プレイヤーからの意見と,逆にプレイヤー海賊からすると目的となるものが薄いのではという意見があります。さらにプレイを止められた方の声を分析すると,プレイヤー海賊が理由になっているものがあります。Chapter3では,これらに対する対策を行います。
4Gamer:
どのような対策が行われるのか教えてください。
渥美氏:
まず初心者保護ですが,海賊行為ができないレベルを全般的に引き上げています。
竹田氏:
初心者保護の解除を合計レベル30から,レベル50に引き上げます。これが第一段階になります。
渥美氏:
次にプレイヤーキャラクター同士のレベル差が大きい場合に,海賊行為ができなくなるというもので,具体的には双方の艦隊メンバーの中で,一番レベルが高いキャラクター同士を比較したときに,レベル差が2倍以上あると襲えません。加えて,プレイヤー海賊行為に対する総量という条件を加えます。
4Gamer:
総量とは,どういったものですか?
渥美氏:
1日に,ほかのプレイヤーを襲えるのは5回まで,という制限を入れます。
4Gamer:
その回数は,海賊の勝敗に関係なく――例えば逃げられたり,上納品などを使われた場合も1回に入るわけですか?
竹田氏:
逃げられた場合はカウントされませんが,上納品などを使われた場合は,1回として数えられます。
渥美氏:
この総量規制は,いわゆる粘着行為の対応に近いかもしれません。ただ,粘着行為については別の仕様も入れています。
4Gamer:
というと連続で襲われることへの対処ですか?
竹田氏:
そうです。新しい仕様では,同じプレイヤーから連続で襲われなくなります。
渥美氏:
よくあるのが,海賊に襲われて沈み白旗の状態から復活したら,また同じ人から海賊行為を受けるということが繰り返されるものです。
4Gamer:
街まで距離があると,そのまま追走されて襲われますよね。
渥美氏:
はい。ですので海賊行為が1日5回までになることに加えて,この仕様で根本的な粘着行為を防ぐことになりました。ちなみに,1日5回の総量の制限については,海賊島で1杯ひっかけると復活するという仕様も入れます。
4Gamer:
1日5回ということは,無差別に襲っていればすぐに尽きますし,より獲物を吟味するようになるのかもしれませんね。
渥美氏:
はい。つまり海賊側は,海賊島を拠点に,より戦略的な行動を求められるということです。また,これとは別のまったく新しい仕組みも導入します。まずは,賞金首のプレイヤーキャラクターを検索できるというシステムです。
竹田氏:
正確には,“襲われた人”が“襲った人”を検索できるというものです。プレイヤーが誰かに襲われると,内部的に襲った人が記録されます。襲われたプレイヤーは,“賞金首手配書”というアイテムを使うと「○○は△△の街にいます」というように,その海賊がどこにいるのかが分かるという感じです。
渥美氏:
やられたらやっぱり悔しいじゃないですか。ですので,そういった相手を宿命の海賊といった感じで覚えておいて,商会のみんなでやっつけに行こうといったプレイもできるわけです。
4Gamer:
海賊が海上にいれば,その海域の名前になるんですか?
竹田氏:
そうです。
渥美氏:
手配書なので,それをばらまいたら誰か知っている航海者が教えてくれるというイメージですね。
4Gamer:
逆に,そこにはあの海賊がいるから近づかないでおこうという使い方もできますね。
渥美氏:
あとこれも多かった意見ですが,海賊であるにもかかわらず,軍人から戦いを仕掛けられたときに,海賊側がログアウトして逃げてしまうという状況があります。これに関しては,ログアウトを試みた回数を記録しておいて,酒場で弱虫な海賊として噂話になるような仕様が入ります。
竹田氏:
直接的なデメリットではありませんけど(笑)。
4Gamer:
それは海賊に対してのみですか?
渥美氏:
海賊のみです。海賊についてはもう一つ,賞金が未払いになっているケースがあります。これは実際にお金がなくて未払いになっているというよりも,複数のアカウントを保持して,そちらに資金を逃がし,海賊キャラクターにはお金を持たせないから未払いになっているのでは? という疑念を持っているプレイヤーからの意見が多くあります。
これに対しては,賞金の額が足りない状態の場合には,より長い時間,海賊行為ができないようにしようと思っています。
4Gamer:
具体的にはどれくらいの時間になるんですか?
竹田氏:
現在も討伐されて未払いの状態だと,3時間固定で海賊行為ができなくなっていましたが,さらに未払いの金額によって最大12時間のペナルティが発生します。ただ,よほどの大海賊で1D(ドゥカート)も持っていないという状況でなければ,最大にはならないと思います。後々に調整するかもしれませんが,実際には固定の3時間に2〜3時間追加されるというイメージですね。
渥美氏:
ですので,プレイヤー海賊の対策をまとめると,初心者やレベル差が開いているときの対策,粘着関係の対策,海賊に対する仕返しへの対策といった,プレイヤー海賊を受ける側にメリットがある仕様になります。
4Gamer:
分かりました。ここまでは,海賊に対するデメリットでしたが,逆にプレイヤー海賊の目的についてはどうなるのでしょうか。
渥美氏:
専用の称号を追加したり,海賊ならではの宝箱が入手できるようになります。
海賊行為を行ったときに,相手が上納品を使うと戦利品というアイテムが手に入ります。その戦利品を海賊島の道具屋に持って行けばお金に変えられましたが,当然もうお金は必要ないよというプレイヤーもいます。
そこで,海賊島で“戦利品交換”ができるようになり,そこでしか手に入らない“宝箱”が手に入るようになります。中には悪名がないと装備できないような,海賊に準じたアイテムが入っています。これらの中にはすでに存在するアイテムもあるのですが,なかなか入手し辛いものもありましたので,この方法で入手してもらえればと思います。
渥美氏:
次に専用の称号は,“クラニオ・エスパーダ”というものです。ドクロと剣という意味ですね。この称号を付けたときのメリットは,NPC相手の白兵/甲板戦時の収奪率が上昇したり,悪名が下がらなくなったりというものです。これで海賊としての生き方をまっとうしてもらえればと思います。
4Gamer:
まさに海賊旗を掲げるといった感じですね。それに,悪名が下がらないなら,悪名が必須条件のアイテムは使いやすくなります。ちなみにこの称号を付ける条件はどんなものでしょうか。
竹田氏:
まず,戦闘レベルを60以上,悪名を1万,戦闘名声を3万にしたうえで,職業をフィリバスタにする必要があります。この状態で海賊島の酒場に行って,覚悟を決めて(専用コマンドで)“名乗り”を上げるとその称号が付きます。
4Gamer:
覚悟が必要なものなんですか?
竹田氏:
この称号は,メリットとデメリットがはっきりとしている珍しいものなんですよ。やはり海賊として生きるには覚悟が必要です。
4Gamer:
具体的にはどんなデメリットがあるんでしょうか。
竹田氏:
例えば名乗りを上げると,敵対する国の本拠地/領地の銀行や交易所が使えなくなります。さらに,この称号を変更するためには,海賊島の酒場に戻る必要があります。
4Gamer:
プレイヤー海賊は,海賊対策と相まってかなりリスキーな生き方になりそうですが,だからこそ海賊の頂点を目指すという尖った生き方に,挑戦したいという人は出てくるかもしれませんね。
さまざまなニーズに合わせたオプションサービスが追加
このほか,お客様からの要望で次に手を入れないといけないと思っているのは,アイテムのストレージ周りの仕様です。みなさんからは,アイテムの枠が全然足りないというご意見を多くいただいています。この枠の増加については“拡張を予定”していますが,月々のアップデートで対策できるまでは,まだしばらく時間が必要になります。
そこで今回は追加のオプションという形になってしまいますが,アイテム枠を拡張するための有料のオプションサービスを,いくつかニーズごとにバリエーションを持たせて,ご用意させていただこうと思っています。
4Gamer:
どのようなバリエーションがあるのでしょうか?
渥美氏:
まずは,2つめのアカウント共有倉庫を用意するものです。
竹田氏:
1つめと同じ数で,50個分追加されます。
4Gamer:
共有倉庫が単純に2倍の容量になるわけですね。
渥美氏:
次はキャラクタースロットの追加です。すでに行っているサービスですが,さらにもう1キャラクター分のスロットが増えるというものになります。ほかのキャラクターを増設することで,新たな生き方を楽しみつつ倉庫枠の問題も解決したいというお客様からすると,アカウント共有倉庫をもう1個増設するよりもキャラクターを追加したほうが良いかもしれませんので。
さらに,これらとは別に,船内金庫という新オプションサービスをChapter3から追加します。これは船の中の金庫ということになります。
竹田氏:
陸上/洋上を問わずどこでも出し入れできる鞄が1個,30枠あります。
4Gamer:
船内金庫は便利ですね……。銀行の枠もそうですが,なにより自分の鞄がいっぱいいっぱいという状況もありますから,洋上で使う消耗品は詰め込んでおきたくなります。
竹田氏:
当然,使うためには出し入れが必要になりますが,陸上に戻る必要がありません。
渥美氏:
このように,船内金庫をご利用いただくか,アカウント共有倉庫にするのか,はたまたキャラクターの種類を増やせるものにするのかといった選択肢をご用意しました。
竹田氏:
船内金庫は利便性は高いですが,数で言えばアカウント共有倉庫やキャラクターを新たに作成するほうが,多くのアイテムを持てますね。
4Gamer:
船内金庫の30個分,アカウント共有倉庫の50個分,この20個の差と利便性のどちらを取るか……むしろ両方という人もいそうですが。
渥美氏:
そういうお客様もいると思います。このほか,オプションサービスに関しては,スキルノートという新オプションをご用意させていただいています。
4Gamer:
「トレジャーパック 自由の大地」の内容に入っていたものですね(関連記事)。
渥美氏:
はい。改めてこれを導入する経緯を説明します。お客様のアンケートで,一番多いのはアイテム枠が足りないという問題でしたが,その次に多いのがスキル枠が足りないというものでした。
このバックグラウンドにあるのは,サービス開始当初からあるスキル枠の設計が,ある程度そのまま維持されている一方で,いろいろな拡張で必須となるようなスキルが追加されていることにあります。その分,スキル枠が全般的に足らないという声がプレイヤーから届いていました。そこでこのスキルノートを利用することで,スキル枠を5枠拡張できます。
4Gamer:
どのように使うものか教えてほしいのですが,まずノートということで,なんとなくスキルブックを連想してしまいます。ノート上にあるスキルはそのまま利用できるんですか?
竹田氏:
ええ,使えます。しかも,ちょっとだけ有利になるんですよ。
渥美氏:
スキルの熟練度が通常よりも10%多く獲得できます。
4Gamer:
なるほど。ブックのように使うスキルを入れ替えるというものではないんですね。では,このスキルノートに書き込むと言えばいいのか,入れ替えはどこでも自由にできるのでしょうか。
渥美氏:
このオプションサービスが有効なあいだは,スキルを自由に入れ替えられます。
4Gamer:
熟練度を多く得たいスキルを,その都度入れ替えられるわけですね。ちなみにこのオプションサービスが無効になった場合は,スキルの利用や入れ替えはどうなるのでしょう。
竹田氏:
ノートに書かれたスキルは使えなくなりますし,熟練度も入りません。元のスキル枠に空きが必要になりますが,そこから出すことは可能です。
4Gamer:
もともとスキル枠が足りなくて使うわけですから,スキルを出す時はちょっと困ったことになるかもしれませんね。
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