インタビュー
この開発量はおかしい? 「グラナド・エスパダ ルネッサンス」開発のキーパーソンに聞く,5周年記念アップデートから新グラフィックスエンジン投入まで
今回のアップデートに合わせて来日したGE Rの開発元である韓国IMC GamesのGE事業本部長 イ・ヨンシク氏と,企画/QAチーム長 キム・テヒョン氏,そしてハンビットユビキタスエンターテインメント(以下,HUE)のGE R 日本運営プロデューサー 中尾圭吾氏に,5周年アップデートとさらにその先の展開について話を聞いてきた。
若き開発チーム長の登場でコンテンツの量と開発速度が大幅に向上した「ルネッサンス」以降
本日はよろしくお願いします。これまでキム・ハッキュ代表以外のGE R開発スタッフが,日本のメディアに露出することはほとんどありませんでしたので,まずは,お二人の開発チームにおける役割などを教えてください。
イ・ヨンシク氏(以下,イ氏):
そうですね,今までは開発スタッフからというより,本作の方向性を皆さんにご紹介するために,弊社代表からの発表が多かったことと思います。しかし,日本でのサービスが5周年を迎えた今,さらに大きく展開していくGE Rの詳細をお伝えしたいと思いまして,今回ご挨拶をさせていただきます。あらためまして,イ・ヨンシクです。現在,私は開発チームと韓国運営チームの統括,そしてグローバルサービスを担当しています。IMC Gamesに入社したのは2010年初夏ですが,それ以前にも韓国Hanbit Softで長年GE Rに携わっていました。
キム・テヒョンです。私は2010年初頭からGE Rの開発を手がけており,現在は開発チーム長を務めています。
もともとはIMC Gamesの新規プロジェクトに携わっていたのですが,「全面派閥戦争」コンテンツの開発が開始された際にGE Rの開発チームに異動しました。
中尾圭吾氏(以下,中尾氏):
全面派閥戦争の企画は,2008年頃に日本の運営チームからIMC Gamesに送ったのですが,リソースなどの関係でずっと棚上げになっていました。そこで2009年末頃に,私がちょっと強めにプッシュしたところ,キム・テヒョンさんが別のプロジェクトから担当に抜擢されて開発が実現したというわけなんです。
イ氏:
キムは,1日中ずっとGE Rのことを考えているような人間です。朝,出社してすぐにGE Rの話を始めますし,休憩時間にもずっと新コンテンツのアイデアについて話しています。あるときなどは,トイレですれ違ったときにも提案を受けました(笑)。
キムはまだGE Rの開発に携わってから2年足らずですが,それだけの情熱を捧げられる人材で,かつ「ルネッサンス」「悪魔島 ヴァイロン」の開発で実績を上げたところを評価され,開発チーム長に任命されたのです。
4Gamer:
なるほど。一時停滞気味だったGE Rのメインシナリオが一気に進み始めたのは,キムさんの存在が大きいようですね。
ちなみに現在,開発チームは何人体制なのですか?
イ氏:
運営担当やグラフィックスデザイナーを含め,54人体制です。韓国では,オンラインゲームが正式サービスを開始して安定稼動に入ると,開発規模を縮小するのが一般的ですが,GE Rの場合はずっと開発チームの人数を維持しています。
逆にキムのような人材なら,どんどん登用する方針です。そういう意味では,「長年サービスを続けているから,GE Rもそろそろ開発終了かな?」みたいな心配は無用です。
ルネッサンス以降,それまでと同じ人数とは思えないほど開発チームがパワフルになって,期間あたりのコンテンツ開発量が増えています。これはプレイヤーの皆さんも実感しているのではないでしょうか。
また,これからチャレンジしていこうという企画やアイデアもどんどん出てきています。キムさんはアニメなどの日本の文化にも詳しいですから,日本で何が求められているかという部分の理解も非常に速いですし。
イ氏:
キムを見ていると,"情熱は経歴を超える""情熱は周囲に伝播する"ということを実感しますね。
「農場システム」でGE RにSNS的なコミュニケーションを導入。ストーリーはクライマックス直前へ
4Gamer:
ところでお二人とも,2011年8月に開催された「GE R 5周年記念オフラインパーティー」に出席されていたそうですが,そこで実際に見た日本のGE Rプレイヤーにどんな印象を抱かれましたか?
イ氏:
まず私個人は,日本市場に"女性"のようなイメージを持っています。「付き合いたいと思っても,簡単に心を開いてくれない存在」とでもいいますか(笑)。
市場規模や成長性,潜在力という点はもちろん,日本は非常に魅力的な市場です。しかしその一方では,何を望んでいるのか,我々が何を提供すれば喜んでもらえるのか,いつまで経っても掴みきれません。ある一つの部分を理解できたと思っても,すぐまた別の分からない部分が生まれるという状態が続いているような気がします。
4Gamer:
ある意味,日本のプレイヤーに振り回されているところもある,と。
でも……日本市場,そして日本のプレイヤーの皆さんには,「お付き合いしたい!」と思わせる魅力がありますから,我々としては頑張るほかないんですけれど(笑)。
それにオフラインパーティーでは,日本の皆さんが我々の作ったGE Rを本当に楽しんでくださっていると実感できました。日本の皆さんには大変感謝していますし,また今後も引き続き皆さんを満足させるべくGE Rを進化させていきます。
4Gamer:
そのオフラインパーティーでも一部が公開されていますが,2011年10月25日からのアップデートで実装されるコンテンツについて教えてください。
キム氏:
ヴァイロンのルシフェル城は,全部で7つの段階で構成されており,段階ごとにコンセプトが異なります。そのうち地下の部分を進む2つは実装済みです。
今回,実装されるのは城の「庭園」を舞台としたレイドミッションです。マスターユルゲンとの対決ののち,いよいよ宿敵モントロ子爵との対面か!? という演出を施しています。
中尾氏:
当初,話を聞いたときには,子爵との対決までまとめて実装してもいいんじゃないかと思ったのですが,実際に見ると,段階を踏んでいるだけのことはある仕上がりになっています。地下は地下らしく作り込まれていましたが,庭園は一変してゴージャスな雰囲気です。そして城内はさらにゴージャス,モントロ子爵の部屋は当然もっと……? と,非常にこだわりが感じられますね。
そこは,モントロ子爵との対決に向けて盛り上がりを意識しています。
ただ,一つ気をつけているのは,子爵との対決を"最終回"のようにしてはいけないという点です。これまで「悪の象徴」を務めてきたモントロ子爵との対決の熱気が残っているうちに,すぐ次の展開が始まるような演出を用意しています。
4Gamer:
ルシフェル城はGE Rの中でも,9割がたボスモンスターという最高難度を誇るコンテンツと位置づけられていますが,現実問題として,きちんとクリアしてストーリーを楽しめるプレイヤーはどれくらいいるのですか?
中尾氏:
ボスモンスターを倒そうとすると,非常に高難度になります。しかしボスを討伐しないとストーリーが進行しないということはありませんので,ソロの方でもシナリオを楽しめると思います。
4Gamer:
それでは,少し気の早い話ですがモントロ子爵との対決のあとの展開はどうなるのでしょう? オフラインパーティーでは基本的に本国ベスパニョーラに乗り込むけれども,寄り道があるかもしれないという話でしたが。
キム氏:
本国に戻る過程で,GE R内の世界情勢とその背後で何が起こっているのか,あるいはプレイヤーキャラやキャスト達が,なぜ新大陸を目指したのかといった部分が明かされていきます。そもそも,なぜGE Rのストーリーが始まったのかというところを,ようやくお見せできるわけですね。
「覇権戦争」アップデートのインタビューでも少しお話ししましたが,新大陸を巡る複雑な世界情勢と,フェルッチオ・エスパダの遺産を追う根幹のストーリーの関連性も,今後追加されていくコンテンツを通じて少しずつ明らかになります。
4Gamer:
分かりました。次回以降のアップデートに期待しています。
それでは,同じくオフラインパーティーで発表された「農場システム」について教えてください。
これは,GE Rに新たな楽しみ方を加え,さらにプレイヤー同士のコミュニケーションにSNS的な要素をもたらそうという試みです。
農場システムは,シミュレーション要素を持った生活型コンテンツで,作物や動物の育成,釣りなどを楽しむことができます。本格的な農場シミュレーションとまではいえませんが,ある程度きちんと手をかけてプレイしないと,残念な結果になるかもしれません。
また,農場ではさまざまなイベントが発生します。行商人が豆をくれて,その豆を植えると"上に登れる"(笑)ようになったり,あるいはおとぎ話のように"ウサギ"や"亀"がやってきたりもします。
4Gamer:
いろいろな要素が盛り込まれると。今後はハウジングシステムにも発展できそうですね。
キム氏:
現状でも,ある程度まで農場を飾り付けることは可能です。また,ほかのプレイヤーの農場を訪問できるような仕様も企画・検討中です。詳細は未定ですが,それらをさらに発展させて,ハウジングシステムにしてしまうことも不可能ではないですね。
「全面派閥戦争」は鋭意調整中。2012年春頃の完成を目指す
それでは,現在進行中のコンテンツなどの状況を教えてください。
まずは全面派閥戦争ですが,実装されてから長らく調整が続いていますけれども。
キム氏:
さまざまな要素を調整して,当初の仕様とは大幅に変わっています。現在,最も大きな課題は,いかにして戦争に参加する両派閥の人数を合わせるかという部分ですね。
GE Rは,3人のキャラクターを同時に操作するMCCシステムを特徴としてきましたが,全面派閥戦争ではあえて1人のプレイヤーが1キャラクターとして戦いに参加する,という仕様にしたことで,少し違った面白さを提供できたのではないでしょうか。
中尾氏:
参加可能キャラを1キャラに絞ったことで,プレイヤー同士の格差が小さくなりましたね。3キャラをリアルタイムで操作するプレイヤースキル,3キャラ分の装備を揃える手間など,大規模なコンテンツへと参加するためのハードルを低くすることができたと思います。また,MCCの組み合わせに縛られず,自分の使いたいキャラで参戦できる気軽さが生まれました。
また,全面派閥戦争は,党よりも大きな集団である派閥同士の争いです。そこでは普段一緒に遊んでいる党のメンバーだけでなく,より多くのプレイヤーとの交流を楽しんでください。
そういったように,今後も通常のプレイとは異なる全面派閥戦争ならではの面白さを追求していく予定です。
中尾氏:
実際にプレイしてくださっている皆さんの反応を見ると,チャレンジの方向は間違っていないが,調整不足という感じです。ただ,一通りの調整が済んで「これが全面派閥戦争です!」といえる形になるまでには,あと半年くらいはかかりそうです。
キム氏:
完成形とはいっても,全面派閥戦争はプレイヤーの要望に合わせて変化し続けていくべきコンテンツです。例えばコロニー戦は党の権益に関わりますから頻繁に価値を変えることは好ましくないですが,全面派閥戦争は大人数で楽しむことを優先するコンテンツですから,プレイヤーの好みの変遷に合わせて内容を変化させるべきでしょう。
4Gamer:
全面派閥戦争の結果は,メインシナリオにどういった形で反映されるのですか? どちらかの派閥が優勢となると,今後の展開に大きな影響が生じてしまいそうですが。
キム氏:
あまり詳しくはお話しできないのですが,そこは問題なく進行します。そもそも全面派閥戦争は,ガブリエラ姫とシモンの誤解が原因で始まったのですから……まあ,まだ企画段階の部分ですので,今後のアップデート,ストーリー展開を待っていてください。
「週間アップデート」の狙いは新コンテンツ実装後のケアを完璧なものにすること
4Gamer:
次に,2011年9月に始まった「週間アップデート」について教えてください。
これまで数か月のスパンでまとめて行っていたアップデートを,文字通り週間単位で実施しようというものです。これまでだと,一度実装されたコンテンツの不具合修正やバランス調整に,次のアップデートのまでの間,ときには数か月もお待たせしていましたが,週間アップデートなら,より早く対応することができます。また,実装時期による日韓のバージョン差を可能な限り小さくしようという狙いもあります。バージョン差が埋まっていくと,日本のプレイヤーの皆さんの意見をよりリアルタイムで開発へと届けることができ,開発とプレイヤーの皆さんの考えを,より近づけることができます。
4Gamer:
開発チームと運営チームとが非常に密接な関係にないと実現できない試みですよね。日本国内でも,運営・開発双方を同じ社内で行っているタイトルではそういった試みをしている例もありますが,企業間をまたがっているケースでは難しいようです。ましてGE Rでは,開発チームが韓国にあるわけですから,やり取りの苦労は想像を絶するのではないか,と。
中尾氏:
ええ。まさに地獄のような作業量で,休みなく働いています(笑)。
4Gamer:
そもそも,なぜ週間アップデートを始めようと考えたのですか?
ことの始まりは,2011年5月の,キム・ハッキュ弊社代表による「毎週アップデートしよう」という発言でした。「数か月に1回,まとめてアップデートを行って,プレイヤーの皆さんがそれを望んでいなかった場合,また数か月間プレイヤーの皆さんをお待たせしてしまうのか? 誰のためにコンテンツを開発しているのか?」という代表の意図,考えを改めて認識しました。つまり,これからはプレイヤーの皆さんが直面しているニーズを軸に,アップデート後のケアも素早く完璧にしようという話だったんです。
そこで韓国では翌月の6月から,毎週,プレイヤーの皆さんからの意見を吸い上げて,ミッションやキャストなど,なにかしら新しいコンテンツを提供することと並行して,プレイヤーの皆さんのニーズに沿ったコンテンツ全般の調整を施すといったことを始めました。
4Gamer:
週間アップデートに対する韓国のプレイヤーの反響はいかがですか?
イ氏:
「プレイヤー中心のアップデート」というコンセプトを理解していただけて,非常にいい反応が返ってきています。その一方では,「ついていけないので,もう少しアップデート頻度を緩めてほしい」という声もありますが(笑)。開発としては,「もっともっとアップデートを!」と,それまでいつも言われていましたので,この声を聞けたときは少し嬉しい気持ちになりました。不思議な話ですね(笑)。
また実際,売上も従来の35%アップ,プレイヤー数も1.5倍増という大きな伸びを見せています。そこで,これは他国でもいい結果を生むだろうと判断しました。正直,海外運営会社と週間アップデートをやっていくのはちょっと厳しいかな,とも思っていたのですが,ベテランの運営スタッフが揃う日本,HUEとならやっていけるだろうと。そこで,この9月から導入することを決めました。
中尾氏:
実はオフラインパーティーの打ち合わせで,キム・ハッキュさんが日本での毎週アップデート実施について言及していたんですよね。そのときは半年くらい先の話だろうと考えていたんですが,こんなに早く実現するとは……。
実施を早めた理由は,オフラインパーティーでの日本の皆さんの反応を見たからです。あのとき,中尾さんが「5周年記念アップデートは10月頃」と発表したら,客席から「もっと遅くなるに違いない」という感じの声があがっていたんですよ。私は,皆さんがIMC Gamesの開発力に疑問を抱いていることを知って,とても残念に思ったのです。
そこで,なんとかして信頼を取り戻そうと,5周年アップデートは10月中に,こうして週間アップデートも早急に実現したわけです。
中尾氏:
オフラインパーティーの1週間くらいあとに,開発チームから週間アップデートの打診がきたときには本当にビックリしました。が,「休日を削ってもやります! 日本の祝祭日も気にしないでください」って即答しましたね。
アップデート後のケアが素早くできることで,"運営・開発・プレイヤーが一体となってゲームを作っていく"という感覚がこれまで以上に強くなりますから,非常に意味のあるチャレンジだと考えています。まぁ,まだまだいろいろと問題点はありますが(笑)。
イ氏:
現状の週間アップデートは,開発チームと運営チームの手作業で進めています。非常に大変な作業で,本音をいえば中尾さんがいうように地獄なのですが(笑),プレイヤーの皆さんの反響があるから頑張れるんです。
4Gamer:
とはいえ,リソースは限られますから,手作業ではいつか限界がきますよね。
イ氏:
現在,手作業と並行して週間アップデートのシステム化を進めています。システム化が完了すれば,今まで以上にクオリティの高いコンテンツを,より早く提供できるようになるでしょう。
グラフィックスエンジンのアップグレードは2012年前半に実施される可能性も高い!?
4Gamer:
それではオフラインパーティーで,GE Rの将来的なビジョンとして発表された「GEMOCON」(ジモコン)システムのスマートフォン対応や,グラフィックスエンジンのアップグレードについて,進捗状況や実現の時期などを教えてください。
まず,スマートフォンへの対応ですが,実はパーティー当日,弊社代表が発表をするまで開発チームには聞かされていなかったんです(笑)。韓国に戻って,代表の意図や真意を共有し,チーム一同やる価値があると判断し,「やりましょう」という話になりました。そして現在,まさに開発がスタートしたばかりという状況です。
段階的に開発する予定で,第1段階ではGEMOCONにある機能のスマートフォン対応,第2段階でSNS機能の追加を考えています。理想をいえば,最終的に,GE R本体と融合できるアプリに仕上げたいのですが,そこまで到達するには少し時間がかかるでしょう。
4Gamer:
グラフィックスエンジンのアップグレードはいかがでしょうか。
こちらは順調に開発が進んでいます。9月中旬に,韓国公式サイトのプレビューで新グラフィックスエンジンを使ったGE Rのスクリーンショットを公開したところ,爆発的な反響がありました。ちなみに,開発中の段階ですので,まだまだ良くなるはずです。アップグレードが完了したら,GE Rの世界観をより魅力的に演出することができます。
また,今のところ,韓国では,この冬中にアップグレードを実現できるよう作業を進めています。今は日韓のバージョン差が非常に少なくなっていますから,韓国で問題なければ,そのあと日本でもすぐにアップグレードできる見込みです。
中尾氏:
え? それは本当ですか? 私は2013年予定と聞かされていたんですが……これは嬉しいサプライズですね。
実は私たち運営チームでも,この10月に,5年間使っていたGE Rのサーバー機器をすべて新品に入れ替えるんです。パフォーマンスが劇的に向上しますので,グラフィックスエンジンのアップグレードと併せて,皆さんによりよい環境を提供できるようになるはずです。
従来の処理 |
従来版(拡大) |
アップグレード版(拡大) |
従来の処理 |
従来版(拡大) |
アップグレード版(拡大) |
4Gamer:
なるほど。それは非常に期待が高まりますね。
それでは,最後になりますが,今後のGE Rに期待するプレイヤーに向けて,メッセージをお願いします。
イ氏:
日韓の週間アップデート,日本での5周年記念アップデートに向けた作業,グラフィックスエンジンのアップグレードと,非常に忙しい日々が続いています。
しかし私は,HUE,とくに中尾さんにうるさく言われたから(笑)というわけではなく,日本のプレイヤー皆さんのためになら何でもやるつもりでいますので,ぜひ今後のGE Rに期待してください!
開発チームは,自分達が作ったGE Rを遊んでくださる皆さんのためなら何でもやりたいと考えています。その中で私のできることは,こうして日本に来て皆さんの要望を把握し,韓国に持ち帰ってGE Rに反映することです。とくに,最近ではFacebookからも建設的な意見をたくさんお寄せいただいており,嬉しく思っております。ぜひ皆さんのご意見・ご要望をお聞かせください。
GE Rの開発者といえば,日本ではIMC Gamesの代表であるキム・ハッキュ氏がフィーチャーされることが多い。日本のオンラインゲーム業界でも有名な氏が"GE Rの顔"であることには何の疑いもないことだろう。一方で,本作ほどのタイトルを開発し,運営を続けるにあたって,多くの優秀なスタッフが携わっていることは想像に容易い。そこで,今回はあえて現場で指揮を執る2人に話を聞くこととなった。
インタビュー中でも触れられている通り,キム・テヒョン氏はルネッサンス以降のGE R開発におけるキーパーソンである。氏の情熱によって開発チームのモチベーションは飛躍的に向上し,それに伴う成果も高まったとのことで,ともに仕事をしているイ・ヨンシク氏と中尾氏が手放しで賞賛していたのが印象的だった。
従来通りのアップデート内容に加え,新システム導入,週間アップデートと運営・開発両チームとも極めて多忙,かつ当面はゴールの見えない状況が続いていることになるが,サービス5年目で安定稼動しているオンラインゲームタイトルに,ここまで全力を投入するケースは珍しいのではないだろうか。
一般的なMMORPGでは,サービス開始後,徐々に新規開発量は低下し,定期的な大型アップデートとしてまとめて提供されるというものが多い。実際,GE Rもそうだった。しかし,ルネサンスアップデート以降の展開は新しいゲーム開発に匹敵するくらいの内容となろうとしているのではないだろうか。
ルネサンスアップデートの段階で,長年MMORPGの新機軸を模索していたGE Rは,システム面で一つの完成を見たといってよい。しかし,GE Rというゲーム自体,本来,単なる「開拓時代を舞台にしたMMORPG」ではない。歴史の流れを盛り込み,その舞台ごとダイナミックに変動していく展開を指向しているところに,GE Rのもう一つの新機軸があるわけで,それがキム・テヒョン氏という人材を得て大きく進展しつつある。
今後,旧大陸へ乗り込み,おそらくは独立戦争……に向けての動きが見えてきたGE R。ストーリーの進行も活発化し,同時にゲームコンテンツも充実しつつある。今後のアップデートで明らかになるメインシナリオのクライマックスとその先の展開,そしてグラフィックスエンジンのアップグレードにも,その情熱が注がれていると考えると,非常に期待が高まるところだ。
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