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「GE R 5周年記念オフラインパーティー」レポート。スマホ対応ジモコンにソーシャル要素が追加に,将来的にはグラフィックスエンジン刷新も
プレイヤーと開発スタッフ,クリエイターの交流を重視したイベントに
HUE 代表取締役 CEO キム・ユラ氏 |
IMC Games 代表取締役 CEO キム・ハッキュ氏 |
「プレゼンテーション」のコーナーでは,開発元である韓国IMC Games 代表取締役 CEO キム・ハッキュ氏が,これまでのGE Rをテーマにしたトークを披露。キム・ハッキュ氏は2003年の開発開始当初を振り返り,当時,ここまで来るのに8年もかかると分かっていたらどうしていただろうと述べる。その一方でGE Rの独特なシステムに言及し,2006年のサービス開始から5年の間,プレイヤーからのフィードバックを受けてきたことで,自分が何を作ってきたかがようやく分かってきたとも話していた。
キム・ハッキュ氏は,そうした“いつも未完成”な状態であるのは,オンラインゲームの限界であり宿命であると表現し,今後もプレイヤーとともにGE Rを作っていきたいとまとめた。なお,キム・ハッキュ氏は,この5年間のサービスを通じて,今後5年分のアイデアを得ることができたとも話していた。
まず,現在展開しているヴァイロン編のストーリーが大詰めとなり,いよいよプレイヤーは,宿敵モントロ子爵の待つ「ルシフェル城」に乗り込むこととなる。城の内部はザコ敵ナシで90%以上がボスモンスターのボスラッシュとのことで,中尾氏は城内の構造などを含めて攻略しがいのある内容になっていると説明した。
また,特定のキャラクターの組み合わせで発動する「コンビネーションバフ」がリニューアルされるほか,第9バラックが実装されるなどの既存コンテンツの追加・調整が行われる。中尾氏は,現在,テスト中の「全面派閥戦争」について言及し,プレイヤーからの意見・要望を反映させた形で本実装に臨みたいと話していた。新しいコンビネーションバフは,2人でも発動するようになることで,いっそう使いやすいものになるだろうとのことだ。
さらに,現在,韓国では「5周年記念アップデート」が開発中だという。これは,早ければ10月,遅くとも11月中に実装される見込みだ(10月は奇跡的とのことだが)。
会場で披露された日本語字幕付きのプロモーションムービーからは,「農場システム」や,オルテガの息子ユルケルが異形のものと化した様子,4人の新キャストなどを確認できた。
なお,ヴァイロン編が終わったあとのストーリーは,基本的に本国ベスパニョーラに乗り込む展開となる模様だが,その前に各キャストの故郷を訪れるといった寄り道的なエピソードを挟む可能性もあるとのこと。ベスパニョーラの設定やデザインは,今まで以上に中世ヨーロッパの雰囲気を漂わせているそうなので,GE Rの世界観に注目している人は期待しておくといいかもしれない。
入場時に渡されたカードをほかのプレイヤーや運営スタッフと交換し5枚揃えると,特典アイテムコード付きスペシャルカードがプレゼントされた |
司会を務めた声優の儀武ゆう子さん(左)と,HUE広報の村松直也氏(右)。儀武さんは,5周年記念アップデートで実装される新キャストの一人のボイスを演じることが,ほぼ内定 |
運営面では,引き続き大会イベントに注力する。新たな試みである「データ統一コロニー戦」は,まだ試験的な意味が大きいものの,その結果によっては,党vs党やワールド対抗といったさまざまなコロニー戦大会も開催したいと,中尾氏は意気込みを述べた。なお,小人数による大会も,引き続き開催していくとのことである。
また,FacebookのGE Rファンページでは,具体的な項目を提示してプレイヤーの意見を募っていく。まずは武器/コスチュームについて,例えば季節モノと復刻版のリリースバランスに関する意見や,新シリーズのコンセプト草案などを募集する予定だ。とくに後者については,従来のイラストコンテストなどとは異なり,テキストベースでの参加が可能となる。
ちなみに,ゲームコンテンツやイベントなどの企画書を公開することも検討中だが,いくつか解決しなければならない課題もあるため,現在調整中だという。
一つめは,グラフィックエンジンのアップデートで,これまでの仕様を変更し,グラフィックスのクオリティ向上を図るというもの。要求されるPCスペックが極端に高くなったり,あるいはアップデート時のデータ容量が巨大になりすぎないよう,配慮しながら作業を進めるとのことだ。
二つめは,「GEMOCON」(ジモコン)システムのスマートフォン対応。将来的には,PCからGE Rにログインしていなくとも,さまざまな操作ができるようにしたいとキム・ハッキュ氏は展望を述べる。
また,これに関連して,三つめのポイントとしては,ソーシャルゲームの要素を取り入れることが挙げられた。農場や釣り,あるいは建築や探検といった要素を,ログインしていない間でも進行させ,スマートフォンで経過の確認と操作を可能にすれば,“プレイヤー各自の生活に根ざしたゲーム”というGE Rのコンセプトをより推進できるのではないかと,キム・ハッキュ氏は説明する。
なお,ここで挙げられた3つのポイントは,現在,企画・開発中のため,具体的な実装時期は未定だ。キム・ハッキュ氏は,可能な限り早く実現したいと話していた。
ステージの最中に,久保田さんは,GE Rで一番最初に作曲したという「Aria de Coimbra」のエピソードを披露。なんでも,久保田さんは,コインブラの映像にインスパイアされ,さまざまなアイデアを思い浮かべながら作曲に臨んだそうだが,キム・ハッキュ氏の最初の反応はあまり芳しくなかったという。そのあと,久保田さんが自費で何度も韓国に足を運び,直々にプレゼンした結果,現在の形に落ち着いたとか。
そのほか,久保田さんが韓国の市バスに乗っていたら,ファンに見つかってネット掲示板に「タクシーを使わない。庶民的」と書き込まれたことや,各国の収録現場におけるサポートスタッフの仕事振りの違いなどのエピソードを披露し,会場の笑いを誘っていた。
ボーカルを務めたのはミュージカル俳優の山中美奈さん。このステージでは,彼女のハイトーンボイスを前提に選ばれた曲もある |
ステージのバックを務めた弦楽団「GaQdan」は,イベント中もゲームのBGMの演奏を披露した |
●曲目リスト
1. Aria de Coimbra
2. ピアノソロ(即興曲)
3. die Fuge
4. Ice Simphony 〜 Old Speckle Reel 〜 Temptation
5. Fame or Die
6. Aria de Coimbra(アンコール)
抽選によるプレゼント大会も行われた。賞品はハンビットコイン3万HCやゲーム内アイテム,久保田さんと小林さんのサインが入ったレアグッズだ |
キム・ハッキュ氏に聞く今後のGE Rの展望
イベント終了後に,キム・ハッキュ氏に対するメディア合同インタビューが行われたので,その模様を掲載しておこう。なお,上記プレゼンテーションで発表されたアップデートの具体的な内容については,今後,随時HUEから発表されるとのことで,今回のキム・ハッキュ氏の話は大枠のものに留まっている。
──会場に集まった日本のプレイヤーの印象などを聞かせてください。
キム・ハッキュ氏:
ゲームというものが,多くの人の人生に影響を与えられるものであると実感させられました。弊社IMC Gamesの名称は,“Impress”“Motivate”“Connect”という“人と人の繋がり”を表現しています。今日,GE Rを通じて結婚した,あるいは結婚するという方達と話をしたのですが,嬉しいと同時に誇らしく思えました。
──アップデート情報に関するプレイヤーの反応はいかがでしたか?
キム・ハッキュ氏:
GEMOCONのスマートフォン対応に関する関心が高く,その開発を優先したほうがいいかもしれないと感じました。
また,現在,スマートフォンなどのモバイル端末が普及したことで,無線通信によるゲームプレイが広まっていますよね。そうした傾向をキャッチアップしていく必要から,現在,社内で研究を進めています。スマートフォン対応のGEMOCONは,その最初の成果というわけです。その過程では,自然にソーシャルゲームの要素を融合していくことになるでしょう。
──グラフィックスエンジンのアップデートについて教えてください。
キム・ハッキュ氏:
IMC Gamesでは,新しいタイトルを企画・開発するうえで,“優れたグラフィックスエンジンを開発する”という目標を掲げています。弊社では,現在,UnrealEngineやCryENGINEをベンチマークして,新たなグラフィックスエンジンを作っています。そのテストにGE Rのデータを使ってみたところ,GE Rプレイヤーの皆さんにもぜひ提供したいと思えるようなクオリティが得られました。新しいエンジンでGE Rをプレイするときには,新旧エンジンどちらも選べるような形でプレイできるようなものを提供したいと考えています。
──最後に今後の抱負をお願いします。
キム・ハッキュ氏:
これまでの5年間を踏まえ,プレイヤーの皆さんの支持に報いるべく,着実に開発を続けていきます。
──ありがとうございました。
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