ニュース
新筐体の「カウンターストライク ネオ」をプレイしてみた
そして,約2年にわたるテスト営業の間,改良やチューニングが繰り返されて,2005年7月にはついに新筐体の導入やシステムのさらなる見直しが加えられた新バージョンが登場する。
名称は「カウンターストライク ネオ」となり,現在全国9か所のLEDZONEやプラボ,ワンダーシティなどの施設に設置され,β稼動中である。
アミューズメントマシンショーのナムコブースでは,そのカウンターストライク ネオが出展されていた。PCゲーマーとしては,"日本人が日本人向けにカスタマイズしたCS"というだけでも,かなり気になるはず。そんなわけで,全国にいるLEDZONE未経験ゲーマーのためにも,新しくなったカウンターストライク ネオについてレポートしたい。
筐体は黒を基調としたカラーリングで,17インチの液晶ディスプレイが付き,カード認証システムとコイン投入口が机の中央に設置されている。CPUにはAthlon XPを採用し,OSは主にセキュリティの関係からLinuxが使われているそうだ。
以前の筐体は,ディスプレイにCRTを使い,ボディソニックタイプの大柄なイスと一体だった。それに比べると新筐体は,とくに奥行きが小振りになっている。背もたれがなくなったが座り心地は悪くはなく,長時間のプレイでも大丈夫そうだ。
CRTに比べてコアなアクションゲーマーからはあまり評判のよろしくない液晶ディスプレイだが,この新筐体でざっと遊んでみた感想としては,反応速度も問題なく,プレイ中に残像が気になったり目が疲れたりすることはなかった。
キーボードとマウスはナムコオリジナルとなり,キーボードは東プレのReal forceを採用。カチカチッとした打鍵感が印象的だ。マウスは試遊台ではロジクール製が使われていた。マウスパッドはなく筐体自体がマウスパッドになる工夫がなされているらしい。
カウンターストライク ネオのベースとなったのは,最新エンジンを使った「Counter-Strike:Source」でなく,一つ前の「Counter-Strike:Condition Zero」になる。しかしグラフィック周りはすべて独自に描き直されているため,古さは感じなかった。
また,インタフェース部分やメニューなどはすべてが日本語化され,例えばゲームスタート時の「戦闘開始!」や終了時の「味方全滅!」といったメッセージ,分かりやすい武器購入メニュー,体力や弾薬などのグラフィカルなステータス表示など,細かな気配りが随所に見られた。
本作ではすべてオリジナルマップが使われている。銃器の強さは若干いじっているが,大きく変更はしていないとのこと。一つの武器を強くすると別の武器のファンから苦情がくるため,バランスに関してはだいぶ苦労したらしい。またCounter-Strikeであまり人気のなかったシールドやナイトビジョンといった装備品はばっさりカットされている。できるだけシンプルに遊びやすく,というコンセプトで作られているようだ。
シンプルといえば,ゲームルールに関しても現段階では"爆弾の設置,解除"のみになっている。今後は要望に応じて追加マップや"人質の救出" "VIP救出"といったルールの配信も考えられていて,とくに人質救出マップに関しては要望も高く,もしかしたら早い時期に導入されるかもしれない,とのことだった。
さらに近い将来にはスクリーンショットを撮って持ち帰ったり,ポイントに応じてキャラのスキンを配布したりといった拡張も,も考えられているらしい。
これによって,初心者がお店に来て遊んでみたら,いきなり上級者ばかりのサーバーに回され,勝負にならずガッカリ……といった事態が起こりにくくなっているわけだ。
そうなると,お店の筐体の数にもよるが,どうしても対戦人数が足りなくなってくるゲームも出てくるだろう。その対策としてBOTもきちんと搭載されており,そういった人数の不均衡にも対応できるようになっている。
プレイするサーバーが選べないと逆に不便な点もあるが,それについてもきちんとフォローしてある。例えば,一緒にお店に遊びに来た友人と同じサーバーで遊べるように,知り合いをそのサーバーへ誘う,というコマンドを搭載しているし,遊んでいるメンバーを基準にサーバーを選んだりもできた。
操作方法を習得するチュートリアルもあり(前作のVer.1ではチュートリアルが長く不評だったので,今回は短めにしたそうだ),レーティングが低い初心者にはFF(味方撃ち)をオフにしたり,爆弾設置場所を透けて表示させ,見やすくしたりといった救済処置も考えられているらしい。
このあたりのシンプルさ,遊びやすさはかなり日本のゲーム的で,筆者は前々から,Counter-Strikeは一度遊んでみれば面白いものの,最初のハードルが高いゲームだと思っていただけに,こういった導入のしやすさ,分かりやすさは歓迎したい。
また,誰もが気軽に遊べるように工夫されている傭兵戦モードだが,ガチでクラン戦がしたい人のために,"部隊戦モード"も用意されている。ここでは細かいルールのカスタマイズも可能だった。部隊戦モードはいわばスポーツのような楽しさがあり,仲間を集めてストイックにゲームを楽しみたい人にも対応している。
AMショーでしばらくプレイしてみて感じたのが,とにかくシンプルで遊びやすく,それでいてゲームの根本はCounter-Strikeなので奥も深い,という点だ。骨太さが持ち味だったCounter-Strikeだが,その面白さを損なうことなく,さらに日本人向けにさまざまな工夫が施されている。もっとも,飾りっけのないCounter-Strikeが好きだった人には,ちょっと違和感があるかもしれないが。
まぁとにかく,世界であれほど遊ばれているCounter-Strikeに興味はあるけど,英語だしなかなか手が出なくて……なんて人には,ぜひ体験してほしいゲームだと感じた。
もちろん,Counter-Strikeが大好きなPCゲーマーにも,日本ゲーム的チューニングがされた本作で,別の体験ができるという意味でお勧めできる。カウンターストライク ネオとLEDZONEの今後の展開に注目したい。
なお,「こちら」(43.1MB・1分30秒・MPEG-1)にオリジナルのマップをウォークスルーしてみたムービーも用意したので,ぜひ確認してみてほしい。(三須隆弘)
※当初公開したムービーファイルに一部誤りがありましたので,正しいファイルに改めました。(2005年9月3日3時30分)
「カウンターストライク ネオ」
→プレイムービーのダウンロードは「こちら」(43.1MB・1分30秒・MPEG-1)
- 関連タイトル:
カウンターストライク:コンディションゼロ 英語版・日本語マニュアル付き
- この記事のURL:
(C) 2004 Valve Corporation. All rights reserved. Valve, the Valve logo, Half-Life, Counter-Strike, the Counter-Strike logo and Counter-Strike: Condition Zero are trademarks and/or registered trademarks of Valve Corporation. The Turtle Rock logo and "Turtle Rock Studios" are trademarks of Turtle Rock Studios, Inc. Sierra and the Sierra logo are registered trademarks or trademarks of Sierra Entertainment Inc., in the U.S and/or other countries. Vivendi Universal Games and the Vivendi Universal Games logo are trademarks of Vivendi Universal Games Inc. All other trademarks are the property of their respective owners. L.L.C