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印刷2008/02/22 23:32

プレイレポート

サービス開始直前レポート,MMORPG「九龍争覇」ちょっと触ってみました

画像集#028のサムネイル/サービス開始直前レポート,MMORPG「九龍争覇」ちょっと触ってみました
 ロックワークスによるサービスが目前に迫った武侠MMORPG「九龍争覇」。サービス開始直前というあわただしい時期ながら,ロックワークスでプレイする機会が得られたので,そこで見えた九龍争覇の世界をざっと紹介していくことにしよう。

 ロックワークスよりサービスが開始される「九龍争覇」は,韓国のINDY21が開発し,アメリカでも2007年5月に「9DRAGONS」として正式サービスが行われているタイトルだ。
 昨年には,参加者にロックワークス自ら交通費を負担するという太っ腹な先行プレミアム試遊会(αテスト)が行われたので,それを憶えている人もいるだろう。
 ところがその後,大きな動きもなく,動向が気になっていた人も多いとは思うが,今年(2008年)の2月に突然,サービスの開始,それに続く課金アイテムの販売スケジュールが発表され,大きく動き出した。サービス開始直前となるこのタイミングを前に1度触ってみる機会が得られたので,これまで武侠MMORPGであることや,門派が存在する,PvPが可能といったくらいしか情報が出ていなかった本作の内容について,軽くではあるがレポートをお届けしよう。


混じりっけのない生粋の武侠モノ



 ほかのMMORPGと違う点としてまず挙げられるのが,混じりっけのない純粋な武侠世界をバックグラウンドにしていることだ。これまでにも武侠と銘打ったMMORPGは提供されてきたものの,やはりファンタジー要素がどこかに垣間見えるものがほとんどだった。その点,九龍争覇では,建物,風景,人物などは言うに及ばず,登場する武器は刀や槍,円月輪,素手,短剣,法輪具,斧とすべて近接武器で,漢(オトコ)らしい(?)肉弾戦のみ。つまり,弓はおろか,ファンタジー的な魔法の類も存在しないわけだ。

 こんな漢らしい世界の中で,六つの門派が白道と黒道の二つの勢力に分かれて争っており,九龍争覇の軸となる世界観を作っているのだ。
 この六つの門派というのは,丐幇(かいほう),少林寺(しょうりんじ),武當(ぶとう),秘宮(ひきゅう),緑林盟(りょくりんめい),魔教(まきょう)だ。このうち,丐幇,少林寺,武當の3派が白道,秘宮,緑林盟,魔教が黒道となる。
 なお,サービス開始(2月23日)の時点では丐幇と緑林盟の二つの門派でプレイでき,3月1日の課金アイテム実装時にさらに少林寺と秘宮の2門派が追加され,合計4門派でプレイ可能となる。

武器には要求されるステータスが存在する。ただし,これは装備するために必要なステータスではなく,100%使いこなすためのステータスなので,不足していても装備は可能だ。不足している場合には,攻撃による武器の破損度合いが高くなる
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 これら門派の選択は,キャラクターを作成する段階で行うのではなく,のちに入門するかたちとなる。キャラクター作成では,男女の性別,8種類用意された顔,3色7種類の髪型,見た目の異なる3種の服装といった選択を行える。
 また,キャラクターのステータスである「筋力」「気力」「知恵」「健康」「敏捷」の五つに,初期ボーナスとなる「気」10ポイントを割り振る必要がある。実際にプレイした感じでは,筋力や敏捷といったパラメータは武器を装備する際にも影響するので,この段階で振っておくのは悪い選択ではなさそうだ。

 また,キャラクター作成でもう一つ重要なのが,開始地域の選択だ。今回プレイしたのはサービス開始時のバージョンと基本的には同じで,丐幇と緑林盟の二つの門派しか存在しないバージョンである。開始地域は「天津」「泰山」の二か所から選択できる。天津が丐幇の本部に隣接した村,泰山が緑林盟に隣接した村となっているためだ。

キャラクターは最大3人まで作成可能。男女の性別に顔,髪型,衣装の選択が可能。初期ステータスの分配もここで行う
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 作成当初のキャラクターはどちらの門派にも属していない「浪人」であるため,どちらから開始してもそれぞれの門派のNPCやPCから攻撃を受けることはないし,(始めてすぐには)どちらの本部にも入れない。
 浪人の間に,勇気を出してフィールドを駆け抜ければ,お互いの村の間を行き来できるが,当然のことながら,村と村の間にはレベルの高い敵も存在するので,うまくすり抜けられるかどうかといった運も必要となる。
 そのため,もし誰か友達と一緒に遊ぼうとするなら,先にどちらで始めるかということくらいは決めておいたほうがいいかもしれない。

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天津は丐幇の本部がある。丐幇はいわゆる乞食から商人までの町人が元となっている門派のため,村にいるNPCなどもそういった風貌だ
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泰山は緑林盟の本部。緑林盟は義賊が元となった門派で登場するNPCの多くが,山賊風だったりどこかしら無骨な雰囲気をかもし出している

入門によって自分の進む道を見つけ出せ


天津ではレベル4,泰山ではレベル6から,それぞれの村にある門派の入門を推薦してもらえるクエストが発生する。元弟子だった2人のNPCを紹介されクエストが進む
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 本作の操作方法は,マウスクリックによる移動とターゲッティング,ホットキーを使用したスキル発動や回復アイテムの使用などと,オーソドックスなスタイルだ。ただし,戦闘をするためにはTabキーを押して戦闘モードに切り替える必要があるので,最初は戸惑うかもしれない。戦闘モードで商店などのNPCをクリックしても攻撃することはないのでその点は安心してもらってもかまわないが,街中や街道をガードNPCが巡回しており,そのNPCには攻撃を仕掛けることが可能なため,誤って攻撃しないように,戦闘時以外は切り替えたほうがいい。敵のドロップしたアイテムを拾うにはマウスクリックかスペースキーを押す。基本的な操作についてはこの程度を覚えておけばいいだろう。

 作成したキャラクターは,浪人として九龍争覇の世界に降り立つことになる。先に述べたとおり浪人はどこの門派にも属さないため,白道でも黒道でもなく,すべてのキャラクターにとって中立という扱いになる。

 もちろん,気になるのは門派の存在だろう。門派には,それぞれ4種類ずつの職(職責)が用意されている。また,浪人のあいだは,すべての種類の武器スキルを習得できる(門派のものと比べて弱い)のだが,門派に所属すると習得できる武器スキルが限定されてしまう点も知っておいたほうがいいだろう。現状確認できている点を説明すると,丐幇では棒,拳脚,法輪の3種類,緑林盟では斧,槍,法輪の3種類だ。

緑林盟の盟主黒山大虎于鉄は,義賊といっても山賊の親分のような風体。そばに女性をはべらせて豪快に笑う。とはいえ,そこは義賊で,気のいい一面も見せてくれる。門派に無事入門できたら門派称号が貰え,称号を付けるとキャラクターも強化される
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入門を果たすと,装備面でも変更が加えられる。色々な効果を持ったステータスアイテムを装着する,アイテムスロットが解除され,さらなるキャラクターの強化が行えるようになる
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 例えば,天津で開始したけれど斧を使いたいと思った場合には,危険なフィールドを駆け抜けて泰山へ赴く必要がある。スキルを習得してまた天津に戻るということも可能だ。ただし覚えておかなければならないのは,泰山で斧や槍のスキルを習得して天津に戻ったとして,丐幇に入門した場合は,緑林盟のスキル,つまり斧や槍のスキルをこれ以上習得することはできないし,強くなるためには丐幇で拳脚や棒といったスキルを習得する必要性が出てくるので,得策とは言いがたいだろう。また,一度入門した門派から,別の門派には移動できない。
 そのため,できるなら開始地域を決める段階で入門する門派,使いたい武器などを見定める必要がありそうだ。
 現時点での丐幇と緑林盟で就ける職責は,以下のとおりなので参考にしてもらいたい。

それぞれの門派には,4つずつの職責が存在する。入門している門派のすべての武術に精通するハイブリッドな職責から,最前線で戦うタイプ,後衛タイプと分かれている。
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 このように,九龍争覇では,門派の中に職責が存在する。九龍争覇の中でプレイヤーが扱えるのは人間なのだが,システムとしてのイメージでは,ファンタジーMMORPGをプレイしてきた人にとっては門派は種族的なものと考えた方が理解しやすいかもしれない。
 門派に入門するには,ある程度のレベルが必要だ。といってもそれほど遠い未来の話ではなく,丐幇ではレベル4,緑林盟ではレベル6になると,門派への推薦状をもらえるクエストが発生する。このように,門派によって入門できるレベルが異なっていることも気に留めておいてほしい。なお,職責に就くにはレベル25になる必要があり,こちらはちょっと先の話のようだ。

クエストを持っているNPCは頭の上にマークが表示されるほか,マップ上にも表示される。レベルが上がるごとにこれらを確認してクエストを精力的に受けるといいだろう。また,クエストによっては,敵が街中に現れるものもある。間違えて巡察を殴らないように注意が必要だ
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成長が存在する武功と奥義


 九龍争覇でいうところの,武功と奥義はいわゆるスキルのことで,奥義はスキルポイントを消費して武器を使うときの能力を上昇させ,その武器の攻撃力を上げるというものだ。スキルポイントはキャラクターのレベルが上がれば1ずつ増えていく。
 門派によって使う武器が異なるため,どこかに入門してしまうと,その門派で使える奥義しか上げられなくなる。
 また,武功はいわゆる技やアクティブスキルといったものだ。浪人時代から各開始地域の練武館で武功を習得することができ,基本となる武器を使う型のようなものと,必殺技を覚えることが可能だ。
 型については修練後,実際にその型を勉強するために,ちょっとした遊び心が垣間見える“ミニゲーム”を行うことで身につけられるようになっている。

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練武館に行くと,初期の武功を修練することができる。門派によって覚えられる武術の種類は異なる。型と技のどちらも覚えられるのでまとめて覚えてしまおう
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レベルが上がると奥義(武器基本スキル)ポイントが1ポイントずつ貰える。使用する武器や武功に合わせて奥義も上げておくと攻撃力が上がることになる

 例えば,練武館の横に建ててある木人を模した練習用の器具に向かって攻撃を仕掛けると,左右に振れる玉をターゲット枠内でクリックするという課題が出される。それを10回程度繰り返すと,武功レベルの上がった次のコンビネーション攻撃のモーションも練習できるなど,段階的な修練をミニゲームで表現しているのだ。
 ミニゲームといっても,簡単なものなので気負う必要はないが,行わないと基本の型も修練できないので,避けられない要素というわけだ。

九龍争覇の中では様々な場面でミニゲームが登場する。最初に覚えるのは「養生導引術」という回復武功。NPCに離しかけ説明を受けてからマウス操作で簡単にミニゲームを行う。武功の型も修練後1度ミニゲームをクリアしなければ本当に覚えた事にはならない
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 習得した武功は,使えば使うほどジワジワとレベルが上がる仕組みになっている。例えば型であれば,その型で戦うことで自動的に修練値が増えていきレベルが上がるといった具合だ。序盤では武功レベル3で,次はレベル6でとコンビネーションが増えていき,1回の攻撃で与えられるダメージも増えていくので,型のレベルが上がるのが嬉しく感じられるだろう。
 また,その都度使用しなければならない必殺技系の武功にも同様にレベルがあり,レベルが上がればダメージも上がるようなので,できるだけ使うようにしたいが,こちらはやや育ちが遅いので気長に見ていくしかない様子だ。

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武功の中でも技については,戦闘中に使うと技の名前が表示され大きなダメージを与えることができる。使うことで技の経験値も貯まり技のレベルを上げることも可能だ
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型にもレベルが存在する。レベル1の状態では基本の型は武器によって2発攻撃するものが,型のレベルが3になるとコンビネーション攻撃により,武器による2発ののち蹴りを2発追加で行うなど見た目もダメージ総量も大幅に変わることになる

対人戦は現状小規模なもののみ


職責ごとの武功を習得するためには,門派貢献度というものが必要になる。それぞれの門派のNPCに寄付などを行えば貢献度を上げることができるので,余裕があるときは貢献しておくほうが良さそうだ
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 ここまでが,とりあえず九龍争覇の基本的なプレイ内容だ。実際にプレイした感じでは,緑林盟はフィールドにいる敵の密集度合いがかなり厳しく,同程度の敵の群れの中に,ずば抜けてレベルの高い敵が多く混ざっている。また,やたらと強い敵の真っ只中にクエストNPCが立っている場所もあったりと,序盤の難度がやや高めといった印象だ。それに対して丐幇は比較的穏やかな土地柄なので,最初に両方でプレイしてみて,自分にあっているほうを選ぶのがいいかもしれない。

 レベル上げやクエストのために幾度も狩りを行ってみたが,敵に囲まれる場面によく出くわした。もちろん,ある程度走って逃げればそれ以上追って来なくなるので,うまく敵から逃げながら戦えばいいのだが,レベルの高い敵が混ざっているときは少々面倒なので,その点は心に留めておいたほうがよさそうだ。

クエストにも登場するが,フィールドにはボスや中ボスというランクの通常とは異なる敵も登場する。中ボスクラスになるとターゲットウィンドウに龍の飾りが付いたり,レベル表示がされないなど様子が変わるようだ
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 さて,もちろん九龍争覇の要素としてはこれだけではなく,武侠MMORPGらしくPvP要素として,個人対個人のPvP「比武」が用意されている。参加可能なレベルは25で,必然的に門派入門と職責選択後に行える対人戦ということになる。仕様としてはPKも存在するが,短い浪人時代にPKを行うことも少ないだろうし,門派に入門すればある程度レベルが上がらないと別の門派のプレイヤーに会うことはないので,序盤のうちは気にしなくてもよさそうだ。
 PvPの練習をしたいなら,比武を利用して模擬戦のようなこともできるようなので,レベルが上がったら積極的に参加してみるのがいいかもしれない。

 また,独特なシステムとして,名品や収集品を集めるというものがある。敵が稀にドロップする名品を集めると,特別なアイテムが手に入るというもの。名品のジャンルもさまざまで,ジャンルごとに集める種類は多く,これがプレイヤー間での売買の対象になる可能性が高いと思われる。手に入れた名品は,名品ウィンドウに登録でき,一つのジャンルをすべて揃えると,そのジャンルの特別なアイテムがもらえるというわけだ。
 また収集品は名品とは異なり,取り扱っているNPCによって収集するものが異なっており,収集品と交換することで,より良いアイテムが手に入る。対応しているNPCは収集品に関するウィンドウに表示されているので,そのNPCのもとに届ければアイテムがもらえるわけだ。


NPCにより収集を頼まれるアイテムはざまざま。全てをそろえてNPCの元へ持っていけば,店で売られているのとは異なる特別なアイテムが手に入る。敵を倒して稀に手に入る名品は,名品リストに登録していき,それぞれのジャンルを集めきると特殊なアイテムが入手可能だ
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 このほか,戦闘中に敵の攻撃によって“傷”を負うと,実際の体力(HP)がその傷のポイントを差し引いた分までしか回復しなくなり,薬や薬師による治療が必要になる。また,ダメージを受けることで徐々に溜まって行く憤怒ゲージがMAXになれば,一時的に攻撃力が跳ね上がる「怒りモード」が発動できるシステムも存在する。もちろん,ここでは紹介しきれないような内容もまだまだあるので,実際にプレイして体験してもらいたい。


全体的にやや狭い印象



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 今回プレイした感触では,序盤のうちは武侠モノということもあって独特の雰囲気があるものの,慣れてしまえばオーソドックスなMMORPGと同様にプレイできるだろう。武侠物が苦手という人でも,最初は違和感があってもすぐに馴染めるのではないだろうか。
 PvPに関しては個人対個人と小規模で,大規模な対人戦は今のところ存在しないなど,武侠MMORPGにありがちな対人戦を前面に出したタイトルという印象は持たなかった。とはいえ,武術を前面に押した本作なので,今後,対人戦の要素は増える可能性もあるし,職責に就いてからほかの門派と衝突する場面も多くなると思うので,高レベルでの印象はまた違ってくるだろう。
 しかし,それまでは普通のMMORPGとしてキャラクターの成長を実感しながら育てられるタイトルといえそうだ。

 ただ気になったのは,フィールド上の狩場がやや狭く感じられるなど,全体的に世界が狭く感じた点だ。一人で狩りをしていたテストプレイと違い,実際には何百倍もの人がその場にいることを考えると,序盤の狩場争いはかなり厳しいものになるかもしれない。
 最初に書いたように,サービス開始当初に2門派,課金アイテムの販売が始まる段階で4門派でのスタートとなり,予定している6門派になるのはまだ先のようなので,門派が出揃うまでの間に,既存の門派で腕を磨いておいてはいかがだろうか。
  • 関連タイトル:

    九龍争覇

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