Vivendi Universal Gamesのクローズドブース内で,プレス関係者から最も熱い視線が注がれていたのが,これから紹介する
「Homeworld 2」(以下,HW2)である。
前作
「Homeworld」は,
宇宙空間における全方位戦闘をRTSというジャンルで見事に表現し,
1999年の「Game of the Year」および「the Best 3D Space Game」を獲得した,SF RTSの金字塔的な作品。広大な宇宙空間を舞台に繰り広げられる,スターシップ同士のド派手な戦闘描写に惚れ込んだユーザーも一人や二人ではないだろう。
HW2は,そんなSFファンの期待を文字通り一身に集める,今年度の超期待作である。
実際にHW2のゲームプレイ画面を見るまで,HW2について筆者が個人的に気になっていた部分が2点あった。新しいグラフィックエンジンによる表現力の強化がどれほどのモノなのか?と,優れていたけど"完璧"ではなかったインタフェースの改良についてである。筆者も前作で惚れ込んだクチであり,HW2に大きな期待を持っていたものの,なかなか情報が出てこない状況から,多少なりとも不安を募らせていたのだ。
しかしながら,前者の心配事に関しては,ブース内のデモ機で動くHW2のプレイ画面を見た瞬間に払拭されることとなった。要するに,ただ一言
「これは格好いい!」だったのである。
ズームアップすればするほど見えてくる艦船の細かいディテール,砲撃の時の砲台の挙動,編隊を組んで戦う戦闘機,レーザーやミサイルといった派手な攻撃のエフェクトなど,流石に前作から4年が経過しているだけあり,グラフィックスに関しては新しいテクノロジーの恩恵を存分に享受できている様子。質感たっぷりの宇宙船が画面狭しとばかりに動き回る要素を眺めていると,なんて良い時代になったんだと感動せざるを得ない。
たださすがに,
これだけハイクオリティのグラフィックスでプレイするにはかなりのスペックが必要らしい。試しにデモ機のマシン構成を聞いてみたところ,担当者はちょっと言いづらそうにしながら,
Pentium4/3GHz,1GBメモリ,Geforce FXという構成だと教えてくれた。確かに"快適に動作する"というのも大きな売りではあるが,その逆に"クオリティを追求する"という方向性も大きな売りになり得るハズ。HW2には,ぜひクオリティ追求の方向性で突き進んでもらいたいところだ。
またインタフェース/ゲームプレイについても多くの改良が図られたらしく,戦闘機の自動小隊化やユニットをグループ選択している状態での移動速度,敵襲に対する自動反撃のルーチンを含めたAIの強化など,
前作で不便に感じた部分には一通りのてこ入れが施されているようだ。常に向上心を持っている開発側の姿勢には,まったく頭の下がる思いである。
ちなみに聞くところによると,
発売は2003年の第3四半期。現在は,対
戦面も視野にいれたバランス調整に取りかかっている最中だという。
日本とのパイプ役でもあるVivendi Universal Games Japanも,HW2は積極的に押していきたいというような姿勢。かなり出来の良さそうな作品なだけに,日本語版などの可能性も大いに期待できるのではないだろうか?(TAITAI)