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[E3 2005#006]E3開幕直前に垣間見た完成間近の「The Movies」
Black & White2に関してはまた別の機会にお伝えしようと思うが,このたびThe Moviesに関する情報が得られたので,さっそく紹介しよう。
ややまったりと,しかし確実に完成へと近づいているThe Movies(「こちら」を参照)だが,その姿を久しぶりに見ることができたのは,現地時間16日昼からWilshire Grand Hotelで開催された"Activision International Round Robins"というイベントにおいて。
これはいわばActivision作品の,E3直前におけるプレビューイベントだったのだが,開始直前までちょっとした立食パーティが行われ,会場全体がリラックスムードに包まれていた。もっとも,二日後にはE3が開催されるわけで,いわば"嵐の前の静けさ"状態だったのだが……。
さて,発表会の時間がくると,さすがに会場内にも緊張感が漂ってきた。そして司会進行役のスタッフから,これから発表されるタイトルが列挙されると,そこかしこからざわめきが生じた。「ULTIMATE SPIDER-MAN」「SHREK SUPER SLAN」「Call of Duty 2」「X-Men Legends II:Rise of Apocalypse」「FANTASTIC 4」「Tony Hawk's American Wasteland」「The movies」「QUAKE4」などなど,パブリッシャーとしてのActivisionの底力を見せつける,実に豪華なラインナップなのだから,それも無理からぬことといえよう。
個別の作品に関してはそれぞれの記事をチェックしてもらうとして,ここではThe Moviesの追加情報などをお届けしよう。実際にスタッフが本作をプレイしている様子をスクリーンに映しつつ,壇上に立ったピーター自らが解説するというスタイルでデモンストレーションが行われたのだが,動作を見る限りでは,"ほぼ完成"といえる域まで開発は進んでいるように見えた。
ゲームは映画黎明期からスタートし,プレイヤーはクルーや俳優を雇用・運用して映画を制作しつつ,スタジオ経営を軌道に乗せていくこととなる。
それだけならば従来の箱庭シミュレーションと大差ないが,本作のすごいところは,"制作した映画を,きちんとした作品として公開できる"点にある。これまで行われてきたThe moviesの紹介イベントでもいくつかのショートフィルムが公開されてきたが,今回も,ホラー仕立てのコメディ作品が発表され,会場は大いに盛り上がった。
発表会用に作られた作品ということもあり,テンポや俳優たちの動き,カメラアングルなども実によくできていたが,なにより驚かされた(笑わせてもらった)のは,開発スタッフが吹き込んだと思われるオリジナル(?)ソングの存在。ゲーム中で制作できる映画に,プレイヤーが用意した音声が吹き込めるかもしれない,という話はあったが,どうやらその噂は本当のようだ。
従来の箱庭シミュレーションのような感覚で映画スタジオ経営を楽しむ。それだけでも十分魅力的な作品になりうるわけだが,それとは別に"より自由度の高い映画を作る"楽しみも用意されているところは,さすがピーターというべきか。経営シムでもなく,映画作成ツールでもない,新しい形のエンターテイメントが世に放たれるのも,そう遠い話ではないはず。ユーザー同士のコミュニティが成立すれば,国境を越えた自主映画祭の開催すら,決して夢物語とはいえないはずだ。
そのほか,アル中のスタッフをリハビリセンターに運んで治療したり,太りすぎてしまった元人気女優にダイエットをさせたりといった,具体的な操作やインタフェースを確認できた。丁寧に描かれた各種オブジェクトや,俳優やスタッフたちの表情豊かなアクションとも相まって,実に生き生きとした箱庭世界が楽しめるようになっている。「本当の映画スタジオに起こることはすべて体験できる」と,かつてピーターは語ったが,今回のデモンストレーションを目の当たりにしてみて,その言葉に少なくとも大きな偽りはないと確信できた。
……ただ,前述のとおり残念なことに,会場内でゲーム画面は撮影禁止,プレスキットの配布もなしという状況だったため,作品の外枠に関する情報は,いま一つ判然としない。しかし,E3期間中には,より詳細な情報をお届けできると思うので,The Moviesに興味のある人は,続報を楽しみにしていてほしい。(大路政志)
- 関連タイトル:
The Movies 日本語版
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