UBI Soft社のブースでは，PlayStation2版ではあったものの，期待の高まるアクションアドベンチャー「Prince of Persia：The Sands of Time」のプレイアブルなデモが展示されていたので，試してみた。
　「Prince of Persia」は，1989年にリリースされて，2Dながらもなめらかなアニメーションが素晴らしい出来だった横スクロールタイプのアクションゲームで，当時としては珍しい200万本という大ヒット作品となったわけだ。その4作めとなるThe Sands of Timeは，その名作シリーズの名に恥じない仕上がりになっていた。

　The Sands of Timeの良さは，操作が簡単でありながらも無限に感じられるほど多彩なアニメーションが用意されていることだ。
　キャラクターが動いている映像を見ただけでは，壁にぶら下がったままの状態で反転ジャンプしたり，鉄棒で回転してみせたり，さらには壁を横っ走りながら遠くのプラットフォームにジャンプしたりと，かなり複雑な操作をしているように感じられるのだが，実際には方向キーとジャンプキーだけでほとんどの動作が行える。また操作に失敗してもさほど気にならず，もっとうまくできるように挑戦したいという気持ちになれる。
　戦闘はナイフと剣の2種類を使用できるが，こちらも回転しながら攻撃したり，大きなモンスターの体を駆け上って攻撃を加えたりと，香港映画のカンフーアクションのような軽快ささえ備えているのだ。複数の敵に囲まれていると自動的に立ち回ってくれるし，防御さえも複数のアニメーションが用意されている。ララ・クロフトが悔しがるような運動量なのだ。
　カメラ視点もボタン一つで変更できるが，こちらはズーンという効果音と共に切り替わっていくのが，最近の映画を思わせる味付けになっている。このような演出は，ゲームのオリジナリティとして重要な要素といえるだろう。
　またThe Sands of Timeを語るうえで欠かせないのが，"時間を巻き戻せる"というシステム。宝剣で敵を倒すたびに溜まっていくエネルギーを使い，数秒間（アクションゲームでの数秒は結構長い！）時間を戻せてしまうのである。ただでさえ難度が高いこのシリーズ，このシステムは非常に魅力的だ（このシステムについては，ページ下にリンクを張ったE3でのムービーを見れば一目瞭然だろう）。

　The Sands of Timeのストーリーは，タイトルと同名の秘宝が持つ魔力によって宮殿の人間が次々と砂の化身へと変身していくという内容で，宝剣によって魔力の影響を逃れたプリンスが，その謎を解明していくのである。
　本作では，インドのマハラジャの娘だったフェラというプリンセスが登場し，ストーリーの展開や状況の説明をしてくれる重要なサブキャラクターの一人になっている。
　発売は，2003年11月の予定だ。（奥谷海人）

→E3 2003で撮影したムービーは，「こちら」（10.9MB：5分8秒）
→E3 2003でのレポートなど「Prince of Persia：The Sands of Time」の当サイト内の記事一覧は，「こちら」

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