パッケージ
Diablo III公式サイトへ
読者の評価
68
投稿数:75
レビューを投稿する
海外での評価
89
Powered by metacritic
お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

LINEで4Gamerアカウントを登録
[GDC 2013]「オークションハウスはDiablo IIIに大きなダメージを与えた」。元ディレクターがGDC 2013で振り返る
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のムービー

メディアパートナー

印刷2013/03/29 14:40

イベント

[GDC 2013]「オークションハウスはDiablo IIIに大きなダメージを与えた」。元ディレクターがGDC 2013で振り返る

 「Diablo III」PC/Mac)の元ディレクターとして知られる,Blizzard EntertainmentのJay Wilson(ジェイ・ウィルソン)氏が,Game Developers Conference 2013で「Shout at the Devil: The Making of Diablo III」(悪魔に向かって叫べ:Diablo IIIの作り方)という議名で講演を行った。ここでは,2012年度の大ヒット作であり,それと同時に問題作でもあったDiablo IIIについての事後分析が行われたので,その内容をお伝えしよう。

画像集#001のサムネイル/[GDC 2013]「オークションハウスはDiablo IIIに大きなダメージを与えた」。元ディレクターがGDC 2013で振り返る

Blizzard EntertainmentのJay Wilson氏
画像集#002のサムネイル/[GDC 2013]「オークションハウスはDiablo IIIに大きなダメージを与えた」。元ディレクターがGDC 2013で振り返る
 PlayStation 4への移植が発表され,話題が再燃しているDiablo III。人気アクションRPGシリーズの最新作として,2012年5月15日にPC及びMac向けにローンチされ,第1週目で650万本,現在までに1200万本というのヒットを記録した。一方で,膨大な数のプレイヤー達からアクセスが殺到したにより,サーバーが不安定な状態が続くなど,さまざまな問題が露呈することになった。そんなことから,メディアとファンの評価の格差が高い作品の1つとしても知られる。

 そんなDiablo IIIで,その企画当初から7年にわたって開発チームを率いていたのがWilson氏だ。もっとも,それ以前のシリーズには関わっておらず,今回のセッションでも冒頭から,「私はDiabloシリーズの成功と名声を受け継いだだけなんです」と笑いを取っていた。
 そんなオリジナルクリエイターではないという立場から,ファンの中には当初から「Diablo IIそのままにしてくれ」と要望を出してくる人もいれば,「Diablo IIみたいにしないでくれ」と言う人もおり,コミュニティをうまくまとめきれないかもしれないという不安があったそうだ。ただ,修羅場を超えてきたWilson氏なだけに,「開発者の皆さんの中に,私のようにヒット作を受け継ぐ人もいるかも知れませんが,この業界ではそういった例はいくらでもありますから,恐れることはありません」と述べていた。そして氏は,「もし,グラフィックスだけを変えて同じゲームを作るのなら,それは“創造の死”だ」と続け,新しいフィーチャーを取り込んだり,前作を改良したりしていくのは,間違った判断ではないと断言する。

画像集#003のサムネイル/[GDC 2013]「オークションハウスはDiablo IIIに大きなダメージを与えた」。元ディレクターがGDC 2013で振り返る 画像集#004のサムネイル/[GDC 2013]「オークションハウスはDiablo IIIに大きなダメージを与えた」。元ディレクターがGDC 2013で振り返る

 そのうえでWilson氏は,Diablo IIIの新機能や調整で成功したこと,逆にうまくいかなかったことを,ヘルスシステムやクラス,スキル,アイテムのスタッツ(統計)などを例に解説していったが,なかでも最も興味深かったのが,ローンチ後に採用された,リアルマネートレードによる「オークションハウス」についてだ。
 オークションハウスはもともと,売買から生じる詐欺行為をなくし,より公平にプレイヤー間でやり取りできる仕組みを提供することを目的に作られたシステムだ。しかし,当初は「ほんの一握りのプレイヤーしかオークションを利用しない」「価格の高さが取引される金額やアイテム数の量を抑える」と考えていたらしく,結果的にはオークションハウスがローンチされるや,まったく見当違いの方向に機能してしまったとWilson氏は話す。

 現時点でオークションハウスにアクセスする人は全体の50%のユーザーにもなり,利用者数は一日で100万人ほど,取引量は月間300万件に及ぶという。ただ,本来のゲームの目的である「ディアブロを倒すために良いアイテムを入手する」のではなく,「取り引きをするためにクエストをこなしていく」という不本意な使われ方になってしまっているそうだ。Wilson氏は「オークションハウスはDiablo IIIに大きなダメージを与えた。止められるものなら途中で止めたかったが,(多くの人が利用しているフィーチャーである以上)簡単に止めることはできなくなった」と,その心境を打ち明けた。

画像集#005のサムネイル/[GDC 2013]「オークションハウスはDiablo IIIに大きなダメージを与えた」。元ディレクターがGDC 2013で振り返る 画像集#006のサムネイル/[GDC 2013]「オークションハウスはDiablo IIIに大きなダメージを与えた」。元ディレクターがGDC 2013で振り返る

 それでもなお,Wilson氏はゲームにオークションシステムを取り入れ,詐欺行為を減らすという仕組みを作ることは,1つの革命であり,その選択には満足しているという。ウィルソン氏は,講演の最後に「ゲームをさらに良くするための1つの大きな解決策がある」と述べていたが,今回その具体的な内容について触れられなかったのは残念なところだ。もはやWilson氏は関わっていないが,Diablo IIIの今後の奮闘に期待したいところである。

「Diablo III」公式サイト

Game Developers Conference公式サイト

  • 関連タイトル:

    Diablo III

  • 関連タイトル:

    Diablo III(Macintosh)

  • この記事のURL:
AD(最終更新日:2023/02/20)
Diablo III (輸入版)
Software
発売日:2012/05/15
価格:¥13,314円(Amazon)
amazonで買う
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:12月21日〜12月22日