プレイレポート
期待のMMORPG,「Warhammer Online」のプレイレポート第二弾は,注目の「シナリオ」についてだ
現在,北米でクローズドβテストが実施され,世界中でその動向が注目されている大作MMORPG「Warhammer Online: Age of Reckoning」(以下,WAR)。前回の基本システム編に続き,今回はWARのメインコンテンツとなるRvRについてレポートしよう。
なお前回の掲載から少々時間がかかってしまったが,これは実はスクリーンショット掲載の許可がなかなか下りず,最終的に許可されたのが掲載した7点のみだったからである。実は許可が下りるまでの間に1回アップデートが行われており,今回掲載するスクリーンショットのユーザーインタフェイス(UI)は現在採用されているものとわずかに異なる。加えてテスターの意見によっては,次回アップデート以降もUI周りには変更が加わる可能性が高く,スクリーンショットの掲載に強い制約がかかるのも,そういったことが理由になっているようだ。
まあ,WARの現状について興味を持っている読者の皆さんはなんでも知っておきたいところだろうが,そうしたディテール部分についてはサービス開始時にガラリと変わっているかもしれないことをご了承願いたい。今回のレポートも前回同様,日本のエレクトロニック・アーツ社内で行ったプレイに基づくものだ。
「Warhammer Online」プレイレポート第一回
ゲームの核となるRvRの注目ポイントは,
18対18の「シナリオ」
シナリオとは「インスタンスゾーンで行われるRvR」のことで,定員はシナリオごとに異なるが,現在のところ18人対18人程度が基本となっている。ゾーンによってルールなどの異なるさまざまなシナリオが用意されており,参加プレイヤーは同レベル帯のみで構成される。
UIのシナリオウィンドウから参加意思を表明しておけば「待機状態」になり,両軍の人数が揃うまで別のことをしていてもかまわない。シナリオにはソロで参加してもいいし,グループでまとめて参加することも可能だ。シナリオ開始時にあらためて参加するかどうかの確認があり,参加するならそのままインスタンスゾーンに召喚されるし,何かしら都合が悪ければキャンセルできる。今後はNPCを加えてバランスを図るシステムとなる予定とのことで,「頭数が揃うまでロビーで待機」といった退屈な状況が発生しにくいシステムはありがたいところだ。
インスタンスゾーンに移動すると,残り時間と各軍のスコアが画面右上に表示され,どちらかの軍が先に所定のポイントを取得するか,制限時間いっぱいになるとシナリオが終了する仕組みだ。シナリオでは「シナリオパーティ」と呼ばれるグループに参加できるが,これに参加することで(通常のパーティのように)ほかのメンバーのHPとAP(アクションポイント)が画面上に表示されるため,味方のプレイヤーがお互いに協力して戦っていくには,パーティへの参加が不可欠となる。パーティに入ってバフなどをもらったなら,いよいよシナリオ開始だ。カウントダウンが“0”になると同時に,あらかじめ用意されている拠点をいち早く獲得するために,プレイヤー達がいっせいに走りだす。
もちろん敵軍も同じように拠点を目指しているから,途中で血みどろの戦いが始まるのである。タンク役のプレイヤーが敵軍の懐に斬り込むなか,遠距離攻撃系のプレイヤーは見晴らしの良いポジションを確保し,回復役プレイヤーは相手の視界を避けるように建物の蔭に身を潜める。攻撃魔法や弓矢は距離と視界が関係するため,位置取りは非常に重要だ。死んでも数十秒後に開始地点で復活できるが,戦場を一人で移動することはとても危険。味方同士の連携がキモとなるシナリオはRvRの縮図といってよいだろう。敵プレイヤーを倒すごとにポイントが入り,その量は拠点を押さえているほど高くなるのである。
あとはもう,戦って戦い抜くだけだ。これは燃える。
勝敗がついたあとには「パブリック・クエスト」よりもさらに詳細な結果が表示される。倒した人数,ダメージ量,回復量,名声値,とどめの一撃を与えた回数など,それぞれほかのプレイヤーと比較しながら閲覧可能だ。そのため,より高い記録を目指してシナリオをやり込むことも可能になっている。エレクトロニック・アーツの担当者によれば,「シナリオをプレイせずしてWARを語るなかれ」だそうだ。なるほど。
シナリオは,1ゾーンにつき1〜3種類ほど用意されており,もちろん今後の追加実装もあるだろう。それぞれのシナリオにはWARの世界観に基づいたバックストーリーが設定されており,それらは知識の書で確認できるのだ。
常に攻防が繰り広げられるPvPエリアの「拠点」について
シナリオ以外に筆者が興味を惹かれたのは,PvPエリアに複数置かれた「拠点」の攻防戦だ。拠点は一つの「砦」と複数の「オブジェクト」で構成される。
拠点での攻防戦は当然ながら,占拠している軍(すなわち守備側)と攻める軍(攻撃側)の間で行われるのだが,加えて砦とオブジェクトに守備側の味方となるNPCが配置される。重要なのは,砦を占拠する前にオブジェクトを攻略しておくと,占領した側がいろいろ有利になるという点だ。ちなみに,配備されるNPCの中には複数のパーティで挑まないと倒せない強力な「ロード」「チャンピオン」なども存在するから厄介。
攻撃側が守備側のプレイヤーとNPCを蹴散らし,砦の上部にいるキープ・ロード(城主)を倒せば占拠成功となり,晴れて攻守交替になる。砦の上部には商人NPCが配置され,そこでしか購入できないアイテムもあるとのことで,攻城戦のモチベーションも高くなる。なんでも,クローズドβテストのピークタイム時には短時間で攻守が二転三転することもあるそうで,かなり盛り上がっている。
さらに,拠点では攻城兵器の存在も確認できた。攻城兵器は「パッド」(土台)と呼ばれる限られた場所にしか設置できないが,特殊なスキルなどは必要なく,材料さえ揃っていれば誰でも作成が可能だ。デストラクション軍の場合,グリーンスキンは投石器,ダークエルフはバリスタといったように外見が異なるが,作成についての種族的な制約はない。
使用時には画面が照準モードへ変わり,敵に狙いを合わせて発砲するという感じになる。また,砦門の前など特定の場所にあるパッドには,ラム(破城槌)など特殊な攻城兵器が設置できる。ラムは4人まで操縦を助けることができ,人数が多ければ多いほど破壊力が増す。攻撃側が攻城兵器を使用すると,守備側のプレイヤーとNPCがワラワラと寄って来て破壊しようとするのだが,それを蹴散らして追い討ちをかけるのもなかなか痛快だ。
対して城門上のパッドには,煮えたぎる油を下の敵に浴びせかけるという,なかなか非人道的な兵器が作成でき,ラムを使って城門を破ろうとする敵兵に地獄を見せてやれる。こうした攻城兵器を使いこなして攻城戦を制するわけだ。オブジェクトや砦の占拠はゾーンの支配に大きな影響を及ぼす。こうした活動を積み重ねることでどちらかの軍がゾーンを支配すれば,占領軍にはバフなどの効果が与えられ,次のゾーンでも優位に立つことが可能になるわけだ。
細かい気配りが対人戦を盛り上げるWAR
そのほか,PvPエリアには適正ランクが設定されており,高ランクのプレイヤーが低ランクのエリアに(たいてい,低レベルのプレイヤーをどうかしようというよからぬ思いを抱いて)立ち入ろうした場合,強制的に「チキン」に変身させられるという設定がある。
外見は文字通りのニワトリになり,ほとんど無力なうえ,いったんチキン化するとPvPエリアを離れてから元に戻るまで,けっこう時間がかかるといったデメリットが発生する。これはほんの一例だが,WARでは従来のMMORPG,あるいは対人戦で生じていた問題の多くに何かしらの対策を講じているような印象を受ける。最後発なのだからまあ当然だが,いろいろと細かい気配りがなされているのだ。
最後に気になる日本でのサービス展開について。エレクトロニック・アーツによれば,いまだにはっきりとしたサービス予定は決まっていないとのこと。うーん,残念。
とはいえ,今回はプレイ時間の関係や,今後もアップデートが繰り返されるという点からかなり駆け足の紹介になってしまったことをお詫びしつつ,今後も継続して何かしら新情報をお伝えしていけたらと思っているので,ぜひお楽しみに。
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Warhammer Online: Age of Reckoning
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