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インタフェースも加わり,完成が見えてきた「Black & White 2」
前作がリリースされたのは2001年の3月のことで,「スムースな続編リリースでシリーズ化を狙う」という当初の構想とは裏腹に,すでに丸4年の年月が流れてしまっている。
しかし,2004年になってミラー氏が開発に参入したことでプロジェクトの進行も一気に引き締まり,より従来のRTSに近くて分かりやすいゲームプレイとなったのは,E3 2005のレポート「こちら」でお伝えしたとおりである。
6月末にはα版が完成しており,今回のデモンストレーションで使用されたのもα版で,E3で見たものと比べて随分と違う印象を受けた。発売日も,すでに報じられているように9月最終週,もしくは10月の第2週であることがモリニュー氏の口から語られた。
自由度の高さをアセット(asset)の豊富さでも補っているBlack & White 2では,一人一人の町の住人にも名前が付けられていることが分かった。モリニュー氏は6桁もの数の名前を用意したと説明していたが,これはランダムに生成させたり電話帳から拝借したりしたものではなく,Lionhead Studiosが持つコンタクトリストを中心に,ファンサイトの運営者や馴染みのゲーマー,さらには同社従業員の親類からペットの名前までを利用しているという。
つまり,筆者を含めた多くの日本人の名前も,日本民族の中に含まれている可能性が高い。モリニュー氏は,「姪っ子のエマやペットのケニーまで含めていて,ゲーム中で彼らの名前を見つけると,ゴッドハンドで移動させて同じ家に住まわせないと気が済まないんだよ」と語っていた。
ここ3か月は,少なくとも毎日3時間はBlack & White 2を実際に遊んでテストしているとのことで,モリニュー氏のこの作品に対する愛情も伝わってくる。
都市やクリーチャーの風貌は,すべてプレイヤーの遊び方次第で変わってくるのがBlack & Whiteの面白さだが,今回はさらに磨きがかかっている様子だ。ゴッドハンドを使って,クリーチャーを引っ叩いたりくすぐったりして調教する前作の機能はそのままに,プレイヤーのペットだけでなく町の守護神としての機能が強調されているようだった。クリーチャーがGoodのアライメントであれば歩く先々で花が咲き乱れるし,Evilのアライメントであれば草木は枯れて腐ったような,どす黒い大地となる。地面にズームアップすると,無数のアリが這い回っているという有様だった。
クリーチャーを中心に組織できる軍隊は,剣,弓,そして"Weapons of War"とモリニュー氏がサラリと流した三つの兵科で構成される。このWeapons of Warは,おそらく投石器のような兵器を指していると思われる。兵士は町の住人と切り離されているわけではなく,戦時に徴兵用のテントを建てると,住人達が作業を中断してワラワラと集まる仕組みだ。既存のストラテジーゲームのように,軍隊の育成には時間がかからず,プレイヤーの好みで瞬時に戦争体制に入れるのである。
RTSや育成,都市建設の要素はもちろんのこと,近隣の町からの移住など複雑なゲームメカニックが絡み合い,一つの洗練されたゲームが出来上がっているようだった。力作ながらも難解だった前作での経験が,Black & White 2には存分に生かされているようだ。あと1週間ほどでプレビュー版の配布も始まり,初秋へのリリースに向けた準備が整いつつある。(奥谷海人)
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