FPS「Gore」の開発元，新作タイトルの開発資金出資者を募集

　2003年に発売されたFPS，「Gore: Ultimate Soldier」を覚えているだろうか。GoreはSF世界を舞台にしたタイトルで，爽快感のあるゲームプレイが特徴だった。
　そんなGoreの開発元，4D Rulersが今回，新作タイトルの開発資金出資者を募集している。

4D Rulersは，「Important Announcement」として出資者募集のメッセージを公式サイトに掲示している

　4D RulersのオーナーであるJoel Huenink氏が同社サイトに掲載したコメントによれば，マルチプレイ専用FPSの開発に必要な資金4万ドル（約470万円）を，広く一般に募るという。出資者には最大で150％の割当金が支払われるほか，βテスト参加や，専用フォーラムへの参加といった特典も用意されるようだ。
　ちなみに新作は，ゲーム内広告で収入を得る形になるようで，その広告費から割当金を分配する予定とのこと。ゲーム自体は無料で配布される予定になっている。なかなかギャンブル性が高そうだが，公式フォーラムを見てみると，「ゲームのプリオーダー代」くらいに考えて50ドル程度の出資を行う人が多いなか，一部には数千ドルを出資する人もいたりするのを確認できた。実際，4D Rulersによると，公募開始から3日間で，世界中のゲーマーから2万7000ドルを調達できたという。

　新作ゲームの開発資金を一般のゲーマーから出資してもらうというのは，それほど多くは聞かない手法である。それだけ4D Rulersが切羽詰っていると見るか，ゲーム開発への意欲（執念かも）とみるかは微妙なところだが，果たしてゲームが無事に完成し，すべての出資者に約束どおりの金額が振り込まれるのか，非常に興味深い。
　このやり方がうまくいけば，規模の小さなゲームスタジオが新作タイトルを開発するときの資金調達方法として，ポピュラーなものになる可能性を秘めているだけに，今後の動向に注目したいところだ。（朝倉哲也）