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20年の月日が流れるMMORPG「Ultima Online」の世界。かつてのブリタニア人が,初心に返るつもりで戻ってみたら変化に戸惑った
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印刷2017/09/04 12:00

プレイレポート

20年の月日が流れるMMORPG「Ultima Online」の世界。かつてのブリタニア人が,初心に返るつもりで戻ってみたら変化に戸惑った

画像集 No.026のサムネイル画像 / 20年の月日が流れるMMORPG「Ultima Online」の世界。かつてのブリタニア人が,初心に返るつもりで戻ってみたら変化に戸惑った
 1997年10月にサービスが始まったMMORPG「Ultima Online(ウルティマオンライン)」。まもなく20周年を迎える本作だが,現在もなおサービス運営が続いているということ自体が驚異的だ。

 それだけの月日が経った今,かつてブリタニアで生きてきた筆者としては,あの世界がどうなっているのか気になってしまう。公式サイトを見てみると,すでに日本でのサポートは終了しており,ゲームの開発/運営は北米を拠点とするBroadsword Online Gamesが続けているようだ。同社は,「DarkAge of Camelot」も同時に運営しており,会社の公式サイトURLがhttp://www.mythicentertainment.com/であることから分かるとおり,かつてのMythic関係者が立ち上げたようだ。機会があれば話を聞いてみたい気もする。

 さて,前述のとおり,筆者は1997年のローンチ後,まだ海外サーバーしかなかった1998年の春にUOを購入して,5年ほど楽しんだ,かつてのUOプレイヤーの1人だ。いま思えば,MMORPGの黎明期で,何もかもが手探りだったあの時代にプレイできたのは幸運でもあり,ある意味,不運だったのかもしれない。MMORPGが関係した実生活の失敗談を挙げれば……まあ,キリがないわけで。

それでも筆者にとってUOは,人生に大きな影響を与えた作品だ。いま4Gamerで編集者をしている経緯がそもそもUOに起因していたりするのだから,人生とは分からない(画像は過去のUO,おそらく1998年〜1999年頃のもの)
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 ともあれ,あれからさまざまなMMORPGをプレイしてきたが,やはり当時の体験は忘れられないものだ。もちろん,美化されたところが多々あることは否定しないが,当時の衝撃がそれほどまでに大きかった,というのは間違いない。

ちなみに,2007年10月の10周年では三夜にわたって「元GM覆面座談会」を掲載した。あれからもう10年なのか……
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 UOのことが気になったついでに,現在の状況を軽く調べてみたところ,8月15日の段階で,Publish 98(アップデートバージョンのようなもの)まで進んでいるらしい。もうすぐ100じゃないか,というか……自分が遊んでいたときは20に満たない数字だったように思うのだけど? もう変化しすぎて,自分の知っているブリタニアとは,かけ離れているのではないだろうか。

 「よし,せっかくの20周年だし,初心にかえるつもりでUOをプレイしてみるか」ということで,とりあえずUOで最初の目標となる「家を建てること」を目指して,新規キャラクターで遊んでみた。そんなわけで,本稿はUOの新情報を紹介しようという内容ではなく,家を建てるまでのリプレイ的な記事である。その点はあしからず。

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ブリタニアに降り立つ。かつて遊んでいたキャラクターもそのまま残っていた(それもすごい……)が,せっかくなので新キャラで進めることにする
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こちらは「UOSAクライアント」という,いわゆる3Dクライアントの最新版だ(UO公式サイトでダウンロードできるがテスト版と表記されている)。フィールド画面を高解像度で広く使えたり,UIが少し分かりやすくなっていたりと,きっと遊びやすくなっていると思うのだが……うーん,やっぱり遊ぶなら2Dクライアントかな!


ああ,懐かしのブリタニアよ!


 新キャラクターを作成して降り立ったのは,ブリタニアで一番大きな街であるブリテン(Britain)だ。この街であれば再スタートするのに都合がいいはずだ()。

※と筆者は思っていたのだが……。キャラ作成時に選択できる街のひとつに初心者向けの街「New Haven」(当時はHavenだったがイベントでなくなったらしい)がある。あとで調べて分かったのだが,銀行をはじめ多くのショップが近くに集中しているので人気なのだとか。恐らく現役プレイヤーの多くが,この街を拠点にしているのではないだろうか。どおりで(日中とはいえ)ほかのプレイヤーを街で見かけないはずだ……


 しかし,困ったのが操作をほぼ忘れていることだ。当時どうやって遊んでいたんだっけか……流れた月日を思い知らされる。たしか,マウスやキーボード,さらに左手デバイスなどのさまざまなキーにマクロを組み込んでいたような。当然,マクロの設定が保存されたファイルなどは残っていない。ともかく,“bank guard vender buy”のSayマクロでも追加しておこうか……?

武器は弓を使うことにした。1人で遊ぶということ,記事を書くためにある程度進めておきたいことを考えると,若干無理をすることもあるだろう。そこで,消費アイテムの確保が比較的に楽で,被ダメージを減らせる戦闘方法を選択したわけだ
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 一通りの設定が終わり,まずは街の近郊で動物やモンスターを相手に,操作を思い出すことに専念する。といっても,TABキーを押して攻撃モードにし,相手をダブルクリックするだけだ。ただ,弓の攻撃後にすぐ移動するとヒットしないという仕様が,攻撃した瞬間にヒットの判定が入るように変更されている……気がする。そんな変化を体感するためにも,やはり練習は必要か。ところで,キャラクターのステータスに命中や回避などの項目が増えていた。たぶん言葉どおり,“率”に影響しているとは思うのだが――まあ気にしなくても大丈夫だろう。

 こうして少し狩りをしたあと,記憶を頼りながらブリ1銀こと,ブリテン西側の銀行を目指す。とりあえず,狩りで増えたゴールドを銀行に入れておきたいからだ。

ゴールドを銀行にポイッと……ん?
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 「ん? お金が消えた? え,取り出せない? どういうこと(パニック)」

 画面をよく見たら“振り込まれました”というシステムメッセージが。実は銀行内に置いたゴールドは自動で“数値(銀行の預金残高だと思えばいい)”に変換され,取り出すときは特定の発言かBankerをクリックして,銀行コマンドを開いてから引き出す必要があるらしい。と言っても,そもそも買い物をするときは自動で銀行から引き落とされるので,持ち歩く必要すらないというのだから驚きだ。なんてハイテク。

 さらに,この銀行内のゴールドは,1サーバー内のキャラクター全体で共有されており,どのキャラでも出し入れは自由らしい。つまり,過去のキャラクターで稼いでいたゴールドが全額使えるので,なんと当面はお金に困らないということになってしまった。全額で10万ゴールド……び,微妙ではあるが。しかし……これだけあれば,もう家が買えてしまうじゃないか。

銀行コマンドの画面。ある買い物で使い切ったあとで預金が乏しい。一定金額を下回ると途端に不安になるのは現実と同様か……
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第5サークル以降のスクロールを求めてさまようブリタニアン


 とりあえずお金の心配がなくなり,そこそこスキルも育ってきた筆者のキャラクター。当初の「家を建てる」という目的は,今すぐにでも達成できてしまう。それはあまりにも味気ないので,もう1つ目的を追加することにした。それが「Recall」「Mark」の魔法を使えるようにすることだ。

 やはり遠出してしまうと,走って街に戻るというのはなかなか大変だ。そこで重宝するのが,「Rune」というアイテムに記憶した場所へワープできる魔法「Recall」となる。そして,Recallの飛び先をRuneに記憶させるための魔法が「Mark」だ。
 しかし,ここでひとつ問題が発生する。Recallは第4サークルの魔法で,Markは第6サークルの魔法だ。街にあるお店のNPCが販売しているスクロールは,第1〜第4サークルまで。つまり,Markはほかのプレイヤーから譲り受けるか,モンスターから奪い取る必要があるのだ。

 ところで,人が少なくなり空き地も増えたブリタニア。それでも,案外あちこちに家は建っている。それも大きな建物が多く,人が少ないからこそ逆に,自由なハウジング生活を楽しんでいる様子だ。PC Vender(プレイヤーが家に配置して,アイテムを売れるNPC)を回れば,Markのスクロールも見つかるかもしれない。

 いや,ここは自力で入手しよう。実のところ,当時遊んでいたキャラクターなら書写もできるので,すべての魔法が使えるフルスペルブックを用意できるのだが……ここは自力で集めてこそだろう。

 思えば,これが迷走の始まりだった。

 スクロールを手に入れるためには,どこに行くべきか。基本的に高位のスクロールは,魔法を使う,やや強めのモンスターが持っているはずだ。魔法を使うモンスターと言えば……LichやDaemon。いやいや,Resistスキルが全然育っていないから,あっという間にFlameStrikeとEnergyBoltで焼かれて死ぬだろう。まだ早い。やはり,Elemental系,Bone Mageあたりを狙うのが正しいルートだろうか。

 ひとまず,水エレことWater Elementalからいってみよう。たぶん,海を移動していれば見つかるだろうというわけで,船を購入(約1万ゴールド)。新しい仕様の船もあるらしいが,買ったのは昔ながらの船だった。

「forward」「left」などのSayコマンドで操作していたが,船頭をダブルクリックすると船をマウス操作で移動させられることに気づく。何これ,便利!
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 そして,見つけた水エレさん。「スクロールをよこせ!」と次々倒してみたものの,出てくるのはガーゴイル種族向けの装備品ばかりで,スクロールは一切出ない。前から落とさなかったっけ? ……覚えていない。

 出ないものは仕方がない。せっかく海に出たことだし,ダンジョンDeciteでBone Mageを倒そう。こうして,筆者は泥沼へと足を踏み入れることになる。

ちなみに騎乗しているペットは,いわゆるエセリアル・ラマ。アカウントの契約期間によってアイテムがもらえる「長期報酬」が有効だったので,この新キャラで入手した
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 Deciteに到着してダンジョンに入ってみると,懐かしいような,そうでないような……あ,そうか。現役当時は,ほぼ狩り場に直行(文字通りワープ)していたわけで,そんなに懐かしいと思えるはずもない。ともあれ,目指すは地下2階のBone Mage部屋だ。地下1階のモンスターは動きも遅く弱いので,平和そのもの。さっさと移動して,やってきました地下2階。そして大量のモンスター。迫り来るモンスターを引き離して奥まで行ってみようと思うも,魔法を一気に受けてあえなく力尽きた。

「oooOo oOooOo」(訳:ですよねー。分かってた) 人がいない=ターゲットになるのは自分だけなので,一気に魔法が飛んでくるわけだ。死に方は違うが……かつてフェルッカ(トランメルと分かれる前の話だが)で,ネズミやらハーピーの群れに囲まれて,身動きが取れずに死んだトラウマが蘇った
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 さて,幽霊になった筆者のキャラクター。Deciteを出て,壁沿いに南下し,山道を進めば復活できるアンクがあったはずと,ひた走る。無事復活を果たしたのはいいのだが……どうしたものか。船はミニチュア化すると“Blessed”化(死亡しても復活時に手元に戻る)されるので,そのまま帰ろうと思えば帰れるのだが……「一か八か荷物回収に行ってみるか!」。

船をミニチュア化せずに危険地帯に行く場合は,鍵(や大事なアイテム)に“保険”をかけておくものありだ。こうしておけば死んだときに死体ではなく,手元に鍵が戻ってくる
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 より深みに突入した感もあるが……実は以前によそ見をしていて,うっかりOgreに殴り殺された経験があり,そのときに“死体をダブルクリックするだけで荷物を全部回収できる”仕様を知っていたのだ。便利すぎる……。

 なので,死体の場所に戻る→荷物を回収する→地上に戻ろうとする→死ぬ→アンクに走る→復活→死体の場所に……を繰り返せば,たぶん回収できると思うのだ。

荷物を回収して出口の方向にダッシュ! これだけ移動できた(画面右側が新しい死体)。これを繰り返せばいつかは生きて出られるはずだ
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 ……結果だけみれば回収はできた。拾っては数歩で死ぬ,を繰り返したので,めちゃくちゃ時間はかかったのだが……。ともあれ,「これぞ,UOの醍醐味だよ!」と独りごちて,誰もヘルプを呼べないことに寂しさを感じつつ,Decite島をあとにしたのだった。

 さて,スクロールが見つからなくて困った。このあとYewの街付近でLichに挑んでみたものの,やっぱりこんがりと焼かれるし,攻撃してもLichのHPが回復して倒しきれない。モンスターもMPを持っているので,しばらく経てば弱い魔法しか使ってこなくなるのだが,MPが回復するのはプレイヤーと同じなので,放っておくとHeal系の魔法でもりもりと回復されてしまう。アンデッド系のくせに回復魔法が効くのはどうかと思う!(もしかしてNecromancy……死霊魔術とかいうものだろうか) これはダメだと次の手を考えることにした。


狩り場を求めて再び海を往く。目指すは懐かしの島


 その後,山岳地帯で見かけたAir Elementalから第5サークル以降のスクロールを発見。ここか!? と一瞬歓喜したものの,フィールド上では出現数が少ないため効率がよくない。そこでダンジョン「Shame」へ向かってみたのだが,仕様が変わっていて,見たことがない赤ネームのモンスターが出現する。もう,どこに進めばいいのかよく分からない。「Covetous」のLevel 2()もいきなりタワーディフェンスみたいなゲームが始まるし,どこで狩りをすればいいの!

※2番目のエリア。ここは山岳地帯にある洞窟で,地下ではなくダンジョン内を経由しつつ山道を登っていくイメージだ

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突然始まったタワーディフェンス(っぽい何か?)。え,何が起こってるんですか? 自分はどうすればいいの!?
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というあいだに終わっていた

 迷いに迷って,The 2nd Age(正式な名称はLost Land)のフィールドに移動。高位のスクロールを落とすモンスターを探して,森林地帯の北にある砂漠地帯に行ってみることにした。ここには通称「蛇砦」という蛇人間(ophidian)が棲息する場所があり,うかつに足を踏み入れると大量の(しかも強くて足が速い)蛇人間に追いかけられるというトラウマ間違いなしの地帯だったはずだ。しかし,そこにいるMage系からスクロールが取れるかもしれない……。

無理だった。1匹を釣ろうして複数に襲われる。そして逃げたところでスタミナ切れ(荷物持ちすぎのところにデバフを受けて重量オーバー)
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 もっとキャラクターを鍛えて,結局Lichを倒すのがいいのだろうか……と思いつつ,荷物の回収がてら何気に倒したWybern(ワイバーン)の死体から第6サークルのスクロールを発見。魔法使わないくせに。

 「これだ!」

 まさに天啓。筆者はかつて,ワイバーンを大量に倒して稼いでいたことがある。そう,T2Aの海にはワイバーンが大量に住まう島があるのだ。しかし,倒したあとにアイテムを得ようとして,うかつに陸地に移動すると間違いなく襲われてしまうだろう。
 殴られるだけならともかく,ワイバーンの強い毒(弱い解毒薬だと解除できない)を受ける可能性がある。弓矢で距離をとって攻撃すれば……と思ったが,ワイバーンの攻撃がかすり,運悪く毒を受けてそのまま死ぬ可能性は十分にあるし,そもそも沸きが早いので荷物を拾う隙を見つけるのも厳しい。

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 そこで……島から少し離れた場所で待機し,海にふらふらと飛んできたやつを狙撃して(海に降りたワイバーンは動けない)そのまま倒すというチキン戦術を決行だ! 陸地にいるワイバーンを弱らせて,海に飛んで逃げるのを待つ手もあるが,自動反撃によって陸地で倒してしまい,アイテムを回収できないともったいない。

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海で身動きがとれないワイバーンを狙撃! 狩り放題だ!
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と調子に乗って,うっかり船にワイバーンを乗せて死んでしまうの図。ああ,昔も同じことをやったな……

 そうこうして,何匹のワイバーンを倒したかは分からないが,気がつくと第7サークルまでの魔法が揃ってしまった。一番最後に出たスクロールがMarkだったというあたり,物欲センサーの存在を感じずにはいられない。ともあれ,これで大きな目的のひとつは達成だ。Markの魔法を安定して成功させるには若干のMageryが足りないが,少なくとも家を建てる場所とメインの街の2か所をMarkできればいい。

その後,画面撮影のためブリテン近くを移動中に倒したガーゴイルから,ひょっこりMarkのスクロールがドロップした。そうか,お前も持っていたか……あの苦労はいったい
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 そんなわけで,今回の最終目的である「家を建てる」ことにしよう。いろいろ狩りをしているあいだに10万ゴールドほど増えており,予算は20万ゴールドだ。


ついにマイホームが完成……?


 立地はとくに考えていなかったのだが,過去に筆者が建てていた家の場所(実際はTranmmelとFellucaで違うが)が,空き地になっているのを発見した。「戻ってきた」という今回の記事で家を建てる場所としては,最適ではないだろうか。

 さて,家を建築するためのアイテムは前もって買っていたのだが,どの家を建てるべきか。昔ながらの完成された家も建てられるが,せっかくなので,土台だけを設置して,扉や壁,床を自分でカスタマイズしたほうが面白そうだ。うん,ここはカスタマイズ可能な土台にしよう。
 障害物が邪魔でなかなか設置できなかったものの,土台の設置は完了。さあ,ここに壁を作り,階段を作り,2階を……とやっているうちに,価格が跳ね上がっていることに気がついた。まだ2階を作り始めたところなのに,すでに20万ゴールド超。

 「予算オーバーだ,これ」

 想像以上に家のカスタマイズにはお金がかかる。もっといろいろ設置したいのだが,お金がなくては始まらない。家を増築するためには,お金を稼ぐほかない……。
 ちなみに,現在の仕様だと一度建てた家を破棄した場合,建てたときに使った費用は全額戻ってくるようだ。建て替えや引っ越しが比較的簡単(荷物の移動などはあるとしても)なのは嬉しい。ハウジングを楽しみたいという,UOではとくに多いプレイヤー層に向けて,さまざまなアップデートが行われてきたということではないだろうか。

思い描いていた理想
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1F
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2F
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3F
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屋上

予算上の現実
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予算内に収めるために,削りに削ってこうなった。身の丈に合った土地(土台)を購入すべきだったか。いや,今後の拡張性を考えれば……

 家の完成と言えるのは,まだこれからといった感じだが,ともかく目的は達成できたので,今回はここまでとしよう。ところで,モンスターから得られるゴールドが昔よりも増えていたように感じていたのだが,実際,2004年頃に増えたらしい。単にプレイヤー数の関係でモンスターとの遭遇率が高い=獲得ゴールドが増えるということかと思ってたんだけど。それでももう,13年も前の話なのね……。


古きサンドボックスの世界には,新しいお宝も埋まっていた


 それにしても,筆者がプレイしなくなってからの15年間,さまざまな変化があったものだ……。本題ではあまり触れなかったが,そのひとつがマジックアイテムのトレハン要素だろう。

 当時のマジックアイテムといえば,そこそこ貴重で,Vanquishingとまではいかなくても(もったいなくて使えない),ForceやPowerなどのダメージ強化効果やSilverなどの特定モンスターへの“特効”が付いているか,そして指輪にTeleportが付いているかくらいを気にしていた。

 現在は,モンスターからさまざまなマジックアイテムが頻繁に入手でき,ステータス値の補正はもちろん,特殊なオプションが付いているものも存在する。命中率を上げたいから,この武器とあの指輪にしようだとか,オプションを見比べて装備を考えるのが実に楽しい。中にはMageryが下がってしまうけど,武器を装備したまま魔法が使えるマジックアイテムもあったりと,ユニークなものも少なくないようだ。
 気がつくとアイテム集めが楽しくなってしまい,自分が使わない武器や防具まで鞄に詰め込み,うっかり重量オーバーで動けなくなることもあった(蛇砦における主な死因)。

今回のプレイで手に入った弓。まだ弱い筆者のキャラにとっては,非常に頼もしかった
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 ほかにも,徳システムや徳之島などのまだ見ぬフィールド(敵の強さも分からないので今回は回避した),ネクロマンシー(Necromancy)や忍術(Ninjitsu),武士道(Bushido)といったスキルなど,触れられなかった要素は多い。そのすべてにしっかりと触れようと思うと,やることが多すぎてキリがないだろう。ともあれ,筆者が知らない要素の数々をいつか体験してみたいものだ。



 以上で今回のリプレイを締めたいと思うが,UOと今の最新ゲームを比較すれば,さすがに物足りない部分が多々あるのは間違いない。何かにつけてチマチマと準備に時間がかかるのも,今となっては受け入れられづらい要素だろう。
 ただ,筆者にとってはそんな体験にも故郷に帰ったような懐かしさがあり,この面倒さもまたUOにハマれた魅力だったのかなと思い出せた。これから新規で始めることをオススメするのは難しい作品だが,かつてブリタニアで生活していた読者であれば,この20周年を機にプレイしてみる……ブリタニアを再び訪れてみるというのもいいのではないだろうか。

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