「EVE Online」の懸賞金システムと「DUST 514」のクローズドβテストに関する情報が明らかに。両タイトルの開発者に詳細を聞いてみた

　2012年11月22日，CCP Gamesとネクソンは「EVE Online」と「DUST 514」の発表会をアイスランド大使館で開催した。この発表会では，EVE Onlineの次期大型アップデート（エクスパンション）「RETRIBUTION」とDUST 514のクローズドβテストに関する情報が説明されたのは，以前お伝えした通り。発表会終了後に，EVE Onlineのシニアライター グイティ・フリドリクソン氏と，DUST 514のエグゼクティブプロデューサーであるブランドン・ラウリーノ氏に，短い時間ながらお話を聞けたので，その内容をお伝えしよう。

「EVE Online」公式サイト

「DUST 514」公式サイト

4Gamer：
　本日はよろしくお願い致します。最初に，RETRIBUTIONで実装される懸賞金システムについて質問させてもらいます。懸賞金制限はありますか。

グイティ・フリドリクソン氏：
　最低金額自体の設定はありますが，上限はありませんので，好きなだけ懸賞金をかけられる仕様にはなっています。

4Gamer：
　となると，「相手が憎ければどんどん懸賞金をつぎこめる」というわけですね。

グイティ・フリドリクソン氏：
　そうなりますね。もちろん，先立つものが必要なので，懸賞金をかけるほうも大変ですが。

4Gamer：
　最低金額はどのくらいでしょうか。

グイティ・フリドリクソン氏：
　10万ISKです。そこまで高くはないので，プレイし始めたばかりの人でも利用できるでしょう。


4Gamer：
　なるほど。ちなみに，一番高い懸賞金はどれくらいになると予想していますか。

グイティ・フリドリクソン氏：
　対象が非常に大きなコーポレーションやアライアンスとなれば，数百億から数千億ISKといった規模になるかもしれません。

4Gamer：
　それだけの規模の懸賞金がかけられると，大きな組織の運営にたずさわっている人達の立場も危うくなるかもしれませんね。

グイティ・フリドリクソン氏：
　ええ，王様のように存在するコーポレーションやアライアンスにとっては非常に影響があるシステムになっています。

4Gamer：
　実装されたあとにプレイヤーがどういった行動を起こすのか，非常に興味深いですね。


グイティ・フリドリクソン氏：
　では，テストサーバーに実装してある懸賞金システムをみせましょう。

4Gamer：
　ぜひお願いします。

グイティ・フリドリクソン氏：
　懸賞金システム実装後は，懸賞金の高いプレイヤーなどを表示できるようになります。

4Gamer
　えーっと，これ金額が凄いのですが，一十百千万……1兆！　1兆ISKの賞金首って凄いですね。

グイティ・フリドリクソン氏
　まぁテストサーバーですからね（笑）。とはいえ，テストサーバーは実際にプレイしているプレイヤーのデータをコピーして稼働させているので，これくらいのお金が回る可能性はあります。

4Gamer：
　そういえば，懸賞金は一括で支払われないとのことでしたが，支払い方法をあらためて教えてください。

EVE Onlineシニアライター グイティ・フリドリクソン氏

グイティ・フリドリクソン氏：
　懸賞金はプールされ，ターゲットに与えた損害に応じた額が支払われることになります。例えば，ターゲットが高価なモジュールを装備した戦艦に乗っているときに撃沈させると，より多くの懸賞金がもらえます。つまり，懸賞金をかけられたプレイヤーはプールされた金額がゼロになるまで狙われる可能性があるわけです。

4Gamer：
　なるほど。そのシステムであれば，脇からひょっこり現れてトドメを刺した人に大量に賞金がいってしまって揉めるなんていうことはなさそうですね。

グイティ・フリドリクソン氏：
　ええ，そうなります。ちなみに，賞金を稼ぐことで生活をしているキャラクターのリストも表示できます。「スター・ウォーズ」のボバ・フェットのように賞金稼ぎとして名を馳せたいプレイヤーが目指す場所といった感じでしょう。「EVE Online」は35万以上のアカウントが登録されていて，全員が同じサーバーでプレイしているので，ここに掲載されることは非常に名誉なことです。

4Gamer：
　ただ，派手に稼ぎすぎると狙われてしまいそうですね。

グイティ・フリドリクソン氏：
　ええ，賞金稼ぎが狙われるというのもドラマチックで面白いでしょう。


4Gamer：
　現実感にあふれていておっかないですね（笑）。ところで，EVE OnlineとDUST 514では同じコーポレーションに所属できますが，DUST 514のプレイヤーが所属しているコーポレーションに懸賞金がかけられとどのような影響がでますか。

グイティ・フリドリクソン氏：
　非常に面白い質問ですね。ですが，DUST 514に関することに私から返答することはできません，ここはブランドンに任せましょう。

ブランドン・ラウリーノ氏：
　DUST 514はクローズドβテストの段階ですので，EVE Onlineとの連動部分に関してはまだお話できないことが多いです。今回は12月中に日本語でスタートさせるCBTについてお話しましょう。


4Gamer：
　分かりました。実は海外でのクローズドβに2012年9月下旬まで参加していました。当時はマッチングされにくかったのですが，現在のバージョンでは改善されているのでしょうか。

ブランドン・ラウリーノ氏：
　いまは大丈夫ですよ。ただ，北米や欧州でのコアタイムが日本とは微妙に合わないので，日本からプレイすると時間帯によってはマッチングされにくいかもしれません。

4Gamer：
　技術的な問題が解決していると聞いて安心しました。時差の関係でプレイヤー数が減ってしまうというのは，さすがに仕方ないですからね。
　ところで，ちょっと気の早い質問かもしれませんが，DUST 514は，EVE Onlineと同様に，定期的に大型アップデート（エキスパンション）がリリースされるのでしょうか。

DUST 514 エグゼクティブプロデューサー ブランドン・ラウリーノ氏

ブランドン・ラウリーノ氏：
　もちろんです。DUST 514に関しては，「ゲームをリリースしてからパッチがでるまでに時間がかかる」ということはありません。私達はつねに新たなパッチを用意して，製品を更新させていきつつ，新たなエキスパンションの準備も進めています。
　では，ここで実際にプレイしてもらいましょう。現状のビルドではゲームのロードに時間がかかり，地形やテクスチャの読み込みも遅いですが，次のビルドでは大幅に改善されます。

4Gamer：
　おお，本当ですか。結構な待ち時間だったので日本のゲーマーから厳しい目で見られそうだったで，ちょっと安心しました。それにしても，無線環境なのにバリバリと敵を倒せるのは気持ちがいいですね。レイテンシーに厳しいFPSなはずなのに。

ブランドン・ラウリーノ氏：
　オンラインFPSにおけるラグは一番の問題になりますが，テストにテストを重ねた結果といえるでしょう。ちなみに今プレイしているのは海外サーバーにポケットWi-Fiで接続しています。問題なくプレイできていてちょっと安心しました。

4Gamer：
　ポケットWi-Fiで接続していたとはビックリです。


ブランドン・ラウリーノ氏：
　私も今そう聞かされて驚いたところです（笑）。それにしても上手ですね。βテストではフィッティングを何でやってましたか。

4Gamer：
　アサルト系の武器を持って敵陣に切り込む感じですね。

ブランドン・ラウリーノ氏：
　まさに兵士！

4Gamer：
　こういったゲームは誰かが敵陣に突入しないと勝てないですよね。だから，自分が率先して突撃している感じです。あと，端っこのほうでチマチマと狙撃をしているのは性に合わないというのもあります。

ブランドン・ラウリーノ氏：
　ああ，だからさっきスナイパーをバシバシと倒しに行ってたんですね。スナイパーはこのゲームでは非常に危険な存在です。ゲーム内のマップが本当に広いので隠れる場所が多く，スナイパーを嫌っている人もかなりいます。そのためにもバランスの調整は慎重に行います。

4Gamer：
　ちなみに，DUST 514はキーボードとマウスの操作に対応していますが，以前プレイしたバージョンでは正直なところ使い物になりませんでした。その問題は解決したのでしょうか。

ブランドン・ラウリーノ氏：
　現在調整中で，次のビルドではマウスの設定を変えれるようにしています。

4Gamer：
　PCゲーマーからすると嬉しい情報ですね。


ブランドン・ラウリーノ氏：
　FPSの基本部分はマウスとキーボードでの操作が向いていますが，乗り物の操作はコントローラがいいでしょう。また，スナイパーライフルでの精密射撃は，PlayStation MOVEがオススメです。

4Gamer：
　ここまで遊べるとさらに先のスケジュールが気になりますね。

ブランドン・ラウリーノ氏：
　βテストを行いつつ，毎週のように小さなバランス調整を実施している段階ですので，その先の具体的なスケジュールはまだお話できません。

4Gamer：
　では，どの段階でEVE Onlineとの連動に関するテストを行うのでしょうか。

ブランドン・ラウリーノ氏：
　それは近日中に行おうと思っています。

4Gamer：
　現在は地上戦のみですが，敵艦に乗り込めるようになるなんていう計画はありますか。

ブランドン・ラウリーノ氏：
　それは近日中……ではなく，先になると思いますが計画はあります。自分が楽しみにしているコンテンツのうちの一つですので，実現したいですね。

　
4Gamer：
　SF好きとしてはたまらない要素です，ぜひ実現してください。ほかにも計画中のものがあれば教えてください。

ブランドン・ラウリーノ氏：
　現在考えている新たな要素として，環境が悪化している惑星の中に兵士を投入するというものがあります。これは戦闘するというよりも，探検と表現したほうがいいかもしれません。劣悪な環境の星ですので，移動するための乗り物から出るとダメージをうけるかもしれませんよ。

4Gamer：
　聞いているだけでワクワクしてきますね。それでは最後に，日本の読者へのメッセージをお願いします

ブランドン・ラウリーノ氏：
　DUST 514は無料ですので，気軽に遊べます。日本のゲーマーにも楽しんでもらえるゲームにしますので，期待していてください。

グイティ・フリドリクソン氏：
　EVE Onlineは，宇宙をテーマにした世界観が好きであれば，本当に遊んでほしいゲームです。DUST 514との連動要素もあるので，DUST 514をプレイするつもりの人は，いまのうちにEVE Onlineを遊んでおいたほうがいいでしょう。

4Gamer：
　ありがとうございました。

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「DUST 514」公式サイト