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[GDC 2010]「EVE Online」に追加されるアバターは超高品質? CCP Gamesによる「APEXを使った衣服シミュレーション」
Game Developers Conference 2010,現地時間3月11日のセッションで,EVE Onlineのデベロッパ兼パブリッシャであるCCP Gamesは,「APEX」(Applied PhysX Extension)による衣服のシミュレーションに関する講演を行ったのだが,そこでEVE Onlineに追加される予定のアバターが登場してきたので,紹介してみたい。
「キャラクターに,布をシミュレートした衣服を着せる」こと,それ自体は目新しいものではないが,なかなかの完成度に仕上がっている。
「具体的に何をやっているのか」は,正確に把握しかねる部分もあるのだが,デモを見る限り,おおむね,
- 衣服を選択し,物理運動をする面をブラシで塗って指定し,
- 衝突判定をする部分をブラシで指定して,
シミュレーションを実行するだけで実現できるようだ。
壇上では,かなり適当にブラシでポリゴンを塗っていたのだが――「実際の作業では丁寧にやるように」と注意はしていた――最終的に,そこそこ身体にフィットして動いていたので,かなり簡単に指定できるようである。
(3)裏面も塗れば,これでひとまずできあがり |
(4)Maya上でシミュレートすると動きが分かる |
(5)ブラシで塗った部分は,ぼかしを使うことで強度を調整することもできるので,ここでエッジをぼかしておく |
(6)人体のモデリングデータに着せて,歩かせたところ。脚が盛大に服からハミ出ている |
(7)裏面だけを塗って,衝突判定を付けているところ(だと思う) |
(8)やっぱり脚が服からはみ出してしまう |
今後の課題として挙がっていたのは,「MMOゲームでは山ほどの人が出てきて,それぞれが服を着ていることを想定せねばならない」ということ。LOD(Level of Detail,遠くにあるオブジェクトの描画処理を端折ること)を導入する必要があるとしていたが,まあ,それはそうだろう。
しかし,一番大変そうなところはAPEXがやってくれており,かなりのクオリティで実現できているので,あと一息というところではないだろうか。EVE Onlineの世界に,このクオリティのアバターが溢れる場面を早く見たいものだ。
おまけ
本セッションでは,ムービーの撮影が許可されなかったので,四つばかり,クロスシミュレーションの効果が分かりそうな連続写真をGIFアニメーションに加工してみた。実際にはもちろん,非常に滑らかな動きで,地形などにも忠実に反応して自然に動いている。あくまで参考程度だが,雰囲気を掴んでもらえれば幸いである。
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