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  • CCP Games
  • 発売日:2012/03/29
  • 価格:月額14.95ドル
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[GDC07#24]2007年5月にサービス開始4周年を迎える「EVE online」,日本語版は8月にスタート予定
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印刷2007/03/09 23:51

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[GDC07#24]2007年5月にサービス開始4周年を迎える「EVE online」,日本語版は8月にスタート予定

 SF MMORPG「EVE Online」は,空間移動手段が確立された,はるか未来の宇宙を舞台にしたタイトルだ。準備段階を入れると,開発がスタートしてから10年以上の月日が経っている。現在でこそ会員数約16万人(ただし,中国でのサービスはこの人数に含まれない),同時接続者数約3万人とサービスは軌道に乗っているが,そこに至るまでの道のりは決して平坦ではなかったという。
 そんなEVE Onlineの歴史が,本作の発売元/開発元であるCCP Games CEOのHilmar Petursson(ヒルマー・ピエトルソン)氏と,同社CTOのHalldor Fannar(ハルドール・ファナー)氏の講演で明らかにされた。まずは,本作の歴史を振り返るところから紹介しよう。

CCP Games CEOのHilmar Petursson氏(左)と,同社CTOのHalldor Fannar氏(右)


 EVE Onlineは,まず1996年にデザインドラフトの基本プロットが完成した。それをMMORPG化することを目的として1997年にCCP Gamesが設立され,デザインドキュメントが完成するまで約1年,ゲームとして動くものを作り上げるまでに,さらに3年ほどかかっている。
 EVE Onlineは宇宙を舞台にしたMMORPGのため,ゲーム世界の規模が大きく,どのプログラム言語を使うのかを決めるまでにも時間がかかっていた。さまざまな言語を試して,結局はPythonが採用されることになったのだが,この試行錯誤を繰り返していた期間は,1年以上もあったそうだ。
 ここから先も彼らの苦労話が続くのだが,そもそも明確なスケジュールを決めていなかったために,各工程に遅れが生じていたことに気がつき(!),ようやくスケジュールをしっかり立てたという。
 「……この段階までスケジュールがちゃんと決まっていなかったのか!」というツッコミを入れたくなったのは,筆者だけではないはずだ。まあ,二人の話ぶりからするに,EVE Onlineのかなりの部分を,勢いに任せて作っていた気配が感じられる。

 そんなこんなで立てられた計画に沿って,最初にリリースされたのがα版の「Opera」。これは,とても2000年に作られたとは思えない出来映えで,なんというかまあ1980年代のゲームを彷彿とさせる,懐かしさにあふれたグラフィックスのものだった。
その3か月後に完成したバージョンである「Sputnik」では,一応3Dにはなっているものの,いまのEVE Onlineとは似ても似つかないお粗末なレベルだった。
 その次のバージョンの「Phoenix」は,2001年のE3に何がなんでも間に合わせることを目標に開発が進められた……のだが,悲しいかな,Phoenixがちゃんとできあがったのは,E3終了後の6月。E3の会場に持ち込んだのは,未完成版のPhoenixだった。両氏いわく,このときはまさに祈るような気持ちだったとのことだ。
 そこから1年をかけて完成させたバージョンの「Emerald」を,2002年のE3に出展。Emeraldは,かなり現在のEVE Onlineに近いものになっていた。このバージョンは,4Gamerで取材記事を掲載したことがあるので,古くからの読者は覚えているかもしれない。
 さて,その後「Gemini」というバージョンが完成し(それでもまだα版だったのが),2003年の5月には正式サービスにこぎつけた,というのがEVE Onlineの歴史である。
 なお,最初はかなり行き当たりばったりに進んでいたEVE Onlineの開発も,さすがに現在は計画的に進められている。2008年初頭にはDirectX 10に対応したアップデート「Ambulation」が実装される予定だ。



 これだけの年月がかかった一番の要因は,行き当たりばったりの計画……ではなく(いや,多分にそれもあるだろうが),会員がどれだけ増えようと,“一つの世界”でプレイできる環境を作り上げるためのネットワーク関係の設計と調整である。この思想は現在でも受け継がれており,16万人を超える会員すべてが同じワールドでプレイしている(中国は別サーバーでの運営となる)。
 そんな紆余曲折を経たEVE Onlineだが,正式サービス開始後の足取りは順調で,2003年末にはSimon & Schusterに譲った販売権を買い戻し,2004年1月からクライアントのダウンロード販売を開始した。オンラインゲームとダウンロード販売という形式が功を奏したのか,2004年の9月には会員数が5万人を超え,現在では会員数16万人を数えるほどになったというわけだ。また,2007年1月14日には同時接続者数が3万4420人を記録したという。

 両氏は,EVE Onlieが順調に会員数を増やした理由としては,「全員が同じ世界で遊べるため,コミュニティを形成/維持しやすいこと」「拡張に関しては無料ということ」の二つを理由として挙げていた。
 より多くのプレイヤーに快適に遊んでもらうには,ネットワーク関連の設備投資も必要になり,現在アクティブなサーバーは195台あるとのこと。ちなみに,その重さは合計で2.5トンあるという(だからどうしたといわれると,それまでなのだが)。
 確かに,16万人が暮らしているゲーム世界というのは,日本のちょっとした地方自治体よりも規模が大きいコミュニティである。いろいろな人とコミュニケーションがとれる可能性があるというのは,一つの魅力といえるだろう。



CCP GamesのCMO,Magnus Bergsson氏
 講演終了後,CCP GamesのCMOであるMagnus Bergsson(マグナス・ベルグッソン)氏に話を聞いたところ,以前お伝えした日本語版は,8月頃のリリースが予定されているそうだ。
 クライアントが日本語に対応し,ゲームインタフェース,ミッション内容などほとんどが日本語で表示されるようになる。アイテム名は,ほかの国のプレイヤーと取引を行うときに不都合が起きないように,わざと英語のままにしてあるという。このあたりの心配りもなんともにくい。
 そしてまだ詳細は決まっていないが,サポートも日本語で行われる予定だ。いままで本作に興味がありながらも,英語でのプレイに躊躇していた人などは,もうしばらくの辛抱だ。

 EVE Onlineは,開発に時間はかかったが,すべてのプレイヤーが同じ世界で遊ぶという基本コンセプトは守られている。結果として,新興企業の1作めのオンラインゲームとしては,順調すぎるほどの歩みを見せている。2006年11月にWhite Wolf Publishingと合併し,現在は新たなMMORPGを開発しているという。こだわりを捨てずに開発を続けるCCP Gamesが,次にどんなゲームを世に送り出すのかにも注目していきたい。(noguchi)

  • 関連タイトル:

    EVE Online

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