「Bloodrayne」は1930年を舞台にし,超人的なパワーを秘めたコールサイン"ブラッドレイン"という女性が主人公。その背景については詳しく語られなかったが,影で世界をコントロールする超政府によって育てられ,その潜在能力を使って殺人マシーンとして訓練を受けてきたシークレットエージェントで,人類の害になると考えられた組織に敢然と立ち向かっていくことを任務とする。Bloodrayneの物語では,'30年に労働者階級の不満に取り入って台頭したナチスの軍団が,世界を狂気に落とし入れるためにグールの製造に取りかかっているという情報を超政府がキャッチし,ブラッドレインがドイツ内部に送られることになるのだ。
ドイツとアンデッドを結び付ける発想が「Return to Castle Wolfenstein」に似ているが,Bloodrayneは第3人称視点で進められるゲームとなる。このゲームで特徴的なのが,ブラッドレイン自身の高度な身体能力で,
手首に鋭く大きなブレードを固定しており,何mもの高さへとジャンプしたり,回し蹴りや左右への飛び込みジャンプなどはお手のモノ。素のままでもナイトビジョンやズームビジョンなどの視覚的能力を持っているだけでなく,激しい攻撃となったときなどには,物事のスピードを遅く見せるようなことも可能になる。これによって"Max Payne"のような効果を得るため,弾丸の嵐をいとも簡単に潜りぬけてしまうのだ。さらには,敵の首や動物の屍骸に噛み付いて血を吸い取ることで,傷ついた自分の体を癒すことだってできるのである。
PC版の展示はあったがカメラの動きがまだ調整されておらず,主人公を操作するのに苦労したため,会場ではXbox版を試してみた。ただしアクションの種類が多いためか,押さなければならないボタンが,少し多過ぎる気もする。とはいえアクションが多めのゲームに仕上がっていて,爽快なアクションが好みのプレイヤーに打ってつけだ。とにかく,血さえあればヒットポイントが回復していく彼女だが,ゲーム中でも馬乗りになったり前から羽交い締めにして血を吸い尽くすなど,かなり大胆なポーズで行う。
ブラッドレインは,ブレードを腕に結びつけることで手のひらはオープンな状態になっている。自分でゲームを触ってみたところ,右手に銃を持ち,左手からはチェーンで接続されたナイフを発射して敵を仕留めることも可能だった。血の供給が減ればブラッドレインのヘルスも降下してしまう分,殺傷力が一時的に大幅に向上して,誰も止められないような状況になってしまうとのことだ。マップデザインは,彼女の跳躍力を表現するためか高い天井の場所が多く,キックすることで破壊してしまう壁も少なくない。
Bloodrayneの発売元は,アメリカではここ最近ゲームの販売を手掛け始めたMajesco社。ゲームエンジンは,Terminal Reality社の独自開発によるInfernalエンジンを使用している。Nocturneからさらに進化させた,現実的なコートやカーテンのような衣服の揺れの表現が素晴らしい。
なおこの2002年の第4四半期に向けて開発されているBloodrayneは,残念ながら画面分割型のマルチプレイヤーモードしかないらしい。(Okutani)