「Medal of Honor:Allied Assault」は,第二次世界対戦の陸戦をテーマにしたスクワッドベースの3Dシューティングゲームである。開発を担当しているのが「Wage of Sin」の2015(ちなみに社名)で,Quake3エンジンの能力を最大限にまで引き出して製作されている。
会場でのムービーデモは,とにかく迫力ある戦渦で見る者を魅了し,
今年のE3でも最長の行列ができたほどの注目作だ。映像は,映画「プライベート ライアン」さながらのノルマンディー上陸作戦。プレイヤーは,1師団の兵士マイク・パウエルとして,上陸用舟艇でオマハビーチへ運ばれる場面から始まる。舟艇の扉が開いた途端に,ドイツ軍の掃射銃で攻撃され,目前の兵士が倒れていく。その様子は驚くほどの臨場感で,プレイヤーは敵の攻撃を受けながらも,即座に進行しなければならない。
この間プレイヤーは,マシンガンの音や爆音で掻き消されそうな司令官のがなり声で指示を受け,ミッション遂行のために命をかけて突進していく兵士の感情が伝わってくるような錯覚を受けるだろう。Half-Lifeで開拓されたストーリーとインゲームムービーを使ったゲームの進行が多用されているが,瞬時の判断で言われるがままの行動を取らなければならない。防空壕の攻略でも,となりの司令官に「味方の援護をするのだ!撃て!」と言われれば,仲間と物陰から身を乗り出して銃を乱射し,次の号令で再び同じ行動を取る。周囲には煙が立ち込め,耐えず爆発音が反響している。その様子を見ているだけでも
自分がその混沌の中にいるかのような気分にさえなってくる。
Medal of Honorは,20種以上のミッションで構成される7種のキャンペーンからなっている。血のオマハビーチを再現しているほか,雪の降るフランスの村では敵スナイパーの奇襲にさらされ,ドイツ軍のタイガー戦車の登場で絶望的な雰囲気に包まれたと思った瞬間に,味方のP-51ムスタングが飛来するなど,ドキドキするような演出が満載となっている。
ゲームには,第二次世界対戦で使用された22種に及ぶ武器に加え,敵の戦闘機や戦車だけでも18種が用意されている。もちろんデスマッチやキャプチャー・ザ・フラッグなどのマルチプレイヤーモードも付加される予定で,E3では発表されることのなかったTeam Fortress 2を尻目に,
戦争モノシューティングゲームの新たなスタンダードとして認められることになるかもしれない。要注目だ。
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