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懐かしのMMORPG体験ツアー第3弾。初心者向け体験ツアーって言ってるのに「ラグナロクオンライン」で超高速レベリングに挑む
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印刷2019/12/10 12:00

企画記事

懐かしのMMORPG体験ツアー第3弾。初心者向け体験ツアーって言ってるのに「ラグナロクオンライン」で超高速レベリングに挑む

 日本オンラインゲーム協会(JOGA)が企画した「PC MMORPG 魅力再発見PTツアー」も,早いものでもう第3弾。1回終わるごとに「ああ終わったー」なんて一息つく間もなく,どんどん違うMMORPGの世界に連れて行かれる編集部の鼬です。

 改めてこの企画を説明すると,現在もサービスが続く4つのMMORPGを,まったくプレイしたことのない編集部スタッフが体験してみるというもの。第1弾では「リネージュ」,第2弾では「メイプルストーリー」を体験し,もらった武器を全部蒸発させたり,ガチャを引いたらちっともレアアイテムが出なかったり,ダンジョン内でモブに袋叩きにされたり,これでもかと言うほどに歴史あるMMORPGの洗礼を受けている。

 今回体験するMMORPGは,12月1日に17周年を迎えたガンホーの「ラグナロクオンライン」(以下,RO)だ。遊んだことのある知り合いも多いので,「RO」について聞いてみると「ネトゲの闇は全てROで見てきた」とか……。

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 MMORPGの歴史で辿ろうとするなら,それも案外おかしな話ではないのだろうなと思う。その頃サービスしていたMMORPGと言えば「ウルティマ オンライン」や「EverQuest」,「リネージュ」,「ファイナルファンタジーXI」など,見るからに大人向けの作品ばかり。そんな中で登場した「RO」は,他の作品と全く毛色が違っていたこともあり,若年層のプレイヤーが集まりやすかったという。おまけにネットが普及し始めたタイミングなので,ほとんどの人が“インターネット初心者”だ。どんな会話をして,どんな遊び方をしていたのか,今からでは想像すら難しい。そりゃ何があってもおかしくないでしょ。

 筆者はというと「RO」のことをほとんど知らない。知ってることと言えば「お兄ちゃんどいて!」とかそっち系の話ばかりである(こういうネタだけは伝わってくる現象は,なんなんでしょうね)。

 今回は運営チームの中村聡伸氏(以下,中村氏)が付きっきりで「RO」のイロハを教えてくれるということで,ガンホー本社へと向かった。

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[2019/09/20 12:00]

「ラグナロクオンライン」公式サイト


新種族「ドラム」を体験
初心者が超高速レベリングに挑む


 筆者がガンホー本社を訪れたのは2019年11月11日。プレイヤーならご存知のとおりで,新生ワールド「Urdr」のオープン記念フェスティバルが行われている真っ最中だった。記念フェスティバルでは「獲得経験値+200%」,「超高速キャラクター育成を完全サポート」なんて謳ったイベントが開催されており,中村氏がそれを熱心に説明してくる。しかも今日は大規模PvEの「ティアマト攻城戦YE」も開催されるそうで……。

 中村氏今日はこれから自分のキャラクターを作って,BaseLv150まで育ててティアマト攻城戦YEに挑みましょう

 他のMMORPGもやっているとレベルの感覚がおかしくなるが,現在「RO」のレベルキャップは175である。今から始めますという者をつかまえて,その手前の150にしろというのだから,思わず「はい?」と聞き返してしまった。こうしてガンホー本社に到着した午前10時から,「ティアマト攻城戦YE」がはじまる午後3時まで,初心者による超高速レベリング体験が幕を開けるのだった。これ,初心者向けの体験ツアーですよね……!?

 まずはキャラクターの作成だが,今回は2018年4月に登場した,ネコのような見た目をした「ドラム」を使っていく。職業は「サモナー」のみだが,スキルが扱いやすく,戦い方もシンプルということで,まさに初心者向きの種族だ。

今まで人間しかいなかった「RO」の世界に突如として現れたドラム。登場時にはガンホー社内もかなりざわついたとか。ちなみに,歩く姿がとても可愛い
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 キャラクターメイクをササッと済ませて「RO」の世界に降り立つと,さっそくチュートリアルがはじまった。「RO」のサービス当初はチュートリアルなど無かったそうだが,今ではこうして初心者のための導線がしっかり用意されている。

 操作方法は移動先をマウスでクリック,スキルやアイテムはショートカットに入れてキーボード操作なので,以前体験した「リネージュ」と同じ操作感だ。「RO」の面白い点はマップがセルでできているので,カーソルの置かれた場所がマス目として見えること。初心者にとっては3Dの中にマス目が見えるという,視覚的な面白さだけなのだがスキルの発動範囲などもセルでキッチリ設定されているので,ゲームを攻略する上でこの「マス目」は重要な要素になっているそうだ。

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 チュートリアルはサクサク進み,スキルをいくつか覚えることになった。スキル名を見ていくと,「かみつく」「ひっかく」などネコっぽい物がいくつかある。しかし,その先にある「マタタビランス」「イヌハッカメテオ」あたりから頭が「???」となってきた。これも猫っぽいと言えば猫っぽいが……(イヌハッカは猫が好きなハーブのこと)。

 「新鮮なエビ」「大トロ」「マグロシールド」「エビパーティー」,ここでもう頭が完全に混乱した。マグロシールドに至っては英語で「Tuna Party」って書いてある。脳内ではシーフードに狂喜乱舞するパーティーピーポーならぬパーティーキャットが再生される状態である。

Tuna Party!!!!
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 ドラムには支援系,魔法系,物理系の3つのスキルツリーが存在し,プレイスタイルに合わせて取得するスキルを決めていくことになる。「新鮮なエビ」とか「大トロ」とか,その響きだけで使ってみたくてたまらないのだが「それは支援系のスキルツリーで,ソロプレイには向かないので今はダメです」とピシャリと中村氏に止められてしまった。さようなら新鮮なエビ……。

 ソロプレイで進めるなら序盤は魔法系の「プラント」スキルツリーで攻めるべし。ということで,「マタタビランス」をLv5まで取得し,受けるダメージを80%軽減する「うずくまる」と一緒にショートカットキーに設定する。初心者でもさすがにわかるが,ガチで効率的な進め方をさせようとしてますよね?

「RO」には属性の概念があるので,有効な属性で攻撃するのが一番効果的だ。「マタタビランス」はスキルのLvごとに属性が変わってくるので,Lv5まで取得すると5属性の攻撃手段を得られて万全な状態になる
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 チュートリアル後には「ドラム育成サポートプログラムという経験値が稼げるクエストが用意されている。NPCに話を聞いて回ったり,モンスター討伐やアイテムの納品など,クエストの内容はさまざまだ。クエストの詳細は常に確認できるし,マップ上にマーカーが設定されていたり,異なるエリアの場合は目的地前まで転送してくれたり,びっくりするほど新設設計になっている。

※ドラム育成サポートプログラムはドラムのみ受けられるサポート

 いくつかクエストをクリアすると,BaseLvはもう80越え! まだ3時間ぐらいあるし,これはBaseLv150も狙えるかも? お次は期間限定で復刻されているイベント「ミミミのミッションマスター」で経験値を稼ぐことになった。使えるものはなんでも使うこの感じ,嫌いじゃない。

※2019年10月29日〜2020年1月28日の期間限定で開催

 「ミミミのミッションマスター」は,初級から超級まですべてクリアすると5,750,000,000EXPが手に入る育成サポートイベントだ。桁が多すぎてよくわからないが,ひらがなだと「ごじゅうななおくごせんまん」らしい。1アカウントにつき2キャラクターまでに制限がされるほどなのだから,かなりぶっ飛んだ育成サポートなのだろう。

イベントエリアには露店も出てすごい賑わい。そしてやっぱり自分のキャラがどこにいるか分からない
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 ミッション内容は先ほどのドラム育成サポートプログラム同様に様々なものが用意されているが,【初級】と書かれているだけで推奨Lvなどの説明は一切ないため,どこまで挑めるのか若干怖い。そんなビビりな筆者の横で「大丈夫大丈夫。行きましょ」と進めてくる中村氏,前回,前々回で学んだ筆者はなんとなくわかっていたが,この流れは死亡フラグだろ。

 まずは内容が一番わかりやすい討伐系ミッションを進めて行くとしよう。フィールドに点在するモンスターをただ狩るだけなのだが,どうやら他のプレイヤーに狩られてしまったのかお目当てのモンスターがなかなか見当たらない。そうこうしているうちに,気づけば他のプレイヤーの手が届いていないだいぶ奥地へと進んできた。他のプレイヤーの手が行き届いていないということは,モンスターがたくさんいるということで……。

「RO」でも初めての敗北を味わうのだった。これが「RO」の床の味か
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 もうこの画面を見た後は,会議室でしばらく笑うしかなかった。さっきまで全然いなかったくせに,ちょっと奥に進んだだけで10体以上に囲まれるなんて思いもしない。ちなみに,デスペナルティはレベルアップに必要な経験値の1%なので,今はまだそこまで痛くはなかった。

 1回倒されたらもう何も怖くない! どんどんミッションに挑んでいき,初心者の筆者でも【中級】あたりまでは討伐ミッションをクリアできた。しかし,経験値がまだまだ足りないので,他のミッションも進めて行くことにした。

 「RO」の中でも人気の高い「生体工学研究所」へ侵入するためのクエストは,まるで謎解きゲームのようだった。今回は時間が無いので,横にいる中村氏に全部答えを教えてもらったが,それでも結構な時間が掛かった。暗号の解読や謎を解く順番,テキスト入力では漢字やカタカナまで完全一致で入力しなければならない。これをほとんどのプレイヤーがクリアしているというのだから驚きだ。

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 そして,ストーリーを楽しみつつダンジョン攻略をするメモリアルダンジョンにも挑んでみる。先ほどの「生体工学研究所」もそうだったが,「RO」ってドロドロしていたり,けっこうエグい話が多い気がする(筆者はこの手の話が大好物である)。メモリアルダンジョンは今やソロで挑めるようになってはいるが,パーティで攻略することが前提なので,この後大量のモブに袋叩きにされて途中退場させられたなんて恥ずかしくて言えない……。

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 さて,そうこうしているうちに「ティアマト攻城戦YE」がはじまる30分前となった。結果としてはBaseLv130までは上がったものの,目標のBaseLv150には届かなかった。しかし,初心者がアカウント作成から4時間半でBaseLv130になるのだから,今なら恐ろしいスピードでレベリングできることは証明できた気がする。でもこれ,そういう企画でしたっけ。


プレイ時間4時間半で大規模PvE「ティアマト攻城戦YE」に挑戦


 ここからはYggdrasillワールドのコンテンツを担当している運営チームの山本兼寛氏(以下,山本氏)も同席して,「ティアマト攻城戦YE」に挑戦していく。残念ながら筆者のキャラクターはBaseLv150に到達していないので,予め用意してもらったキャラクターを使用して参加することになった。

 「ティアマト攻城戦YE」は,全ワールドのプレイヤーが集まって遊べる「Yggdrasill」ワールドにて行われる大規模PvEで,全200フロアあるダンジョンを,参加したプレイヤー全員で協力して1時間半以内に攻略するというもの。

 難易度はEasy(BaseLv1以上),Normal(BaseLv130以上),Hard(BaseLv150以上)と3種類用意されているが,参加人数が少ないと全フロア攻略ができないので,一番人が集まるHardに参加するのが良いそうだ。

 月曜の昼とあって,さすがに参加人数は少ないようだが,それでもざっと250人ぐらいはいるだろうか? 10分ほど遅れて入場してみると,すでに序盤のフロアは攻略されて先行組がまったく見えない。やっと追いついたかと思えば,画面にはプレイヤーがすし詰め状態で,自分のキャラクターがどこにいるかもわからない。えーと,どれがモンスターなんですか?

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 前線で戦うなどという無謀なことはできないので,支援系スキルを持って後ろから観戦させてもらうことにした。支援系スキル,つまりやっと「マグロシールド」が使えるわけだ! 「マグロシールド使っていいんですか!? マグロシールド使いますよ!?」と会議室で騒ぎ出す筆者だったが,使おうとした次の瞬間,誰かからマグロシールドが。「RO」の世界あったけぇ……,けど自分で使ってみたかった。その後もあとをついて回ると,誰かしらが支援系スキルを付与してくれる。その節は本当にありがとうございました。

 かなり手慣れた様子で進んで行く先行部隊だが,人が少ないこともあって実は苦戦しているようだった。どうやら壁役を務める「修羅」という職業のプレイヤーがいないので,誰が先に進むか悩んでいるらしい。運営チームの中村氏と山本氏は思わずニヤニヤしながらその後の動向を見守っていたが,なんというか運営vsプレイヤーの一幕を見られたような気がして,個人的には面白かった。

 この日はゲームが重かったこともあり,入場タイミングのズレなどで部隊が壊滅するシーンもあった。「RO」にはヘイトの概念がないので,壁役のプレイヤーが最初に進まなければモンスターが暴れまわって大変なことになるのだとか。

「こっちのルートは敵が強いんですよ」と言われて見学しに行った監獄・地下牢フロア。小部屋にモンスターがみっちり詰まっているのが見えて一瞬でヤバい場所だとわかった
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 しばらくすると,ピンチを聞きつけてか「修羅」のプレイヤーが登場。「ティアマト攻城戦YE」で壁役を務めるには相当な装備と練度が必要で,それができるのはほんの一握りのプレイヤーだけらしく,山本氏はべた褒めしていた。

 実装から約半年が経って皆さんだいぶ慣れてそうですねー,なんて話していると「そろそろ次の難易度“Inferno”を実装しようか検討しています」と中村氏から怖い話題が飛び出した。慣れて来たとは言えまだ壊滅するし,攻略時間がギリギリな回もあるって話だったのに,Inferno(地獄)なんて……。プレイヤーの皆さん頑張って下さいとしか言えない。

 そうこうしている間に,いよいよ最終フロアへの進行がはじまった。今まで散り散りに攻略していたプレイヤーが1フロアに集まって,ボスへ総攻撃をかける。山本氏から「次にこういうギミック来ますよ」と言われて,画面を凝視しているのに何が起きているのかまったくわからない!

気づいたら死んでました
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 筆者以外にも倒れているプレイヤーがいたので,やはりそれだけ敵は強いのだろう。しかも,最後の最後にはボスが全体範囲攻撃をするのでフロアにいるプレイヤーが全滅。

 プレイヤーを全滅させてくるなんて,なかなか見たことがない映像だったのでかなりの衝撃を受けたが,これは決まったギミックらしい。すぐさま後続部隊が突入し,ボスの体力を削り切って大勢が床に倒れている状態で「ティアマト攻城戦YE」は攻略されるのだった。

終了後のスクリーンショットを見てみると,時刻が16時24分。終了まであと6分というのは,そこそこギリギリの戦いだったようだ
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 さて,こうして約6時間半「RO」をプレイしてみたが,体験ツアーなのに何故だか駆け抜けた達成感がある(笑)。今回使った「ドラム」は戦い方がシンプルな上に序盤から覚えるスキルがかなり強力なので,とても快適に遊ぶことができた。それにチュートリアルや,ドラム育成サポートプログラムがあるおかげで,MMORPG特有の「ここからは自由に遊んでください」といった放り出され方もなかったので,ゲームを順序よく遊びたい筆者には大変ありがたかった。

 17年も続いているMMORPGなのに,これだけあっという間にレベルを上げられるのも凄いと思う。今回はたまたまタイミングよく期間限定イベントに参加できたが,常設のドラム育成サポートプログラムでもBaseLv175までの道のりがしっかりサポートされている。それに,2020年1月にはレベルキャップ解放が予定されており,そのタイミングでも期間限定イベントが実施され,一気にレベルを上げるチャンスが来るようなので,今から始める人も,久々に遊んでみようという復帰プレイヤーでも,先行プレイヤーに追いつけそうだ。

 最近のアップデートでは初のボイス付きNPC(CV:花江夏樹さん)が登場したり,プレイヤーから人気が高い「生体工学研究所」のストーリーをさらに掘り下げたりとアップデートが多方面に及んでいるのことにも注目したい。さまざまなコンテンツが追加されて行くので,プレイヤーによって自分好みの遊び方ができそうだと思った。

 さて,いよいよJOGAが企画したツアーも残すところ1タイトルとなった。最後ぐらい,最後ぐらい死なずに終わりたい……。
  • 関連タイトル:

    ラグナロクオンライン

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