インタビュー
「ラグナロクオンライン」運営インタビュー。2019年は「Yggdrasill」ワールドのさらなる発展とメインストーリーの拡充,そして新クラスの実装計画も
さて,ROの2018年と言えば,全ワールドのプレイヤーが集まれる新ワールド「Yggdrasill」がオープンし,そのワールド間でアイテムを移動できる新システム「ワールド倉庫」の追加,全ワールドのプレイヤーが露店を展開できる専用ワールド「Noatun」の開設など,利便性とプレイの多様性を大きく広げる新システムが次々と導入された年でもある。
とはいえ,その内容は道半ばといったところで,今年(2019年)も引き続き,システムやワールドを大きく発展させ,これまでとは違ったROを作り上げていくようだ。
では,どのように発展させていくのか。RO運営チームのメインスタッフである中村聡伸氏,山本兼寛氏の2人に,2019年の展望やアップデート計画,そして2020年にも及ぶロードマップを聞いてきたので,その内容を紹介しよう。
(2018年12月10日収録)
2018年は新種族ドラムで賑わったRO。紆余曲折を経てワールド倉庫と2つの新ワールドが実装
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。最初に,2018年がROにとってどのような1年だったのか,教えてください。
1番の話題は,ドラムの実装だったと思います。初心者向けのキャラクターという位置づけで,ROを始めたばかりの人でもBaseLv175を目指せるようにドラム育成サポートプログラムも実装し,さらに「ドラムスターターパック」も販売しました。
4Gamer:
ドラム実装で,新規プレイヤーは増えたのでしょうか。
中村氏:
ええ,かなり増えまして,4月の新規登録数は普段の月の倍以上でした。今でも「ドラムスターターパック」は人気があり,初めてだった方も,引き続き遊んでいただけているようです。これを踏まえて,3次職のシリーズを出していこうかと考えているんです。
4Gamer:
それは,ドラム用のパックを既存職業の3次職向けに合わせたもの?
中村氏:
そうです。最初に「修羅」のパックを発売する予定で,以降は職業別に毎月出していきます。特別なクエストがゲーム内で受注でき,さらに追加サービスが受けられるのは「ドラムスターターパック」と同じです。
4Gamer:
3次職用のパックは期間限定ですか。それとも永続的な販売なのでしょうか。
中村氏:
とくに期間を決めず販売していく予定です。2019年には13職業のパックが揃う感じですね。
4Gamer:
ドラムと違い,3次職となると何度か転職する必要もありますよね。ノービスから育て始めるような場合に,どういった特典があるのでしょうか。
中村氏:
パッケージにオマケとして転生チケットを封入しているので,すぐに上位1次職以降をプレイしてもらう形になります。分かりやすい例で言うと,ブースターチケットが一番近いですね。
4Gamer:
分かりました。そういえば,ドラムの実装時に最上もがさんをプロモーションに起用していましたが,反響はいかがでしたか。
中村氏:
最上さんのファンは,ROのプレイヤー層よりも若い方が多くて,普段とは違う方面から興味を持っていただけました。そのつながりで,新しい層にプレイしていただけたという感じですね。僕らとしても,面白い試みができたと思います。
もう1つ,2018年の大きなアップデートとして,ワールド倉庫の実装がありました。
「ラグナロクオンライン」にワールド間でアイテム移動ができる「ワールド倉庫」が実装
ガンホー・オンライン・エンターテイメントは本日,ファンタジーオンラインRPG「ラグナロクオンライン」にワールド間でアイテム移動ができる「ワールド倉庫」を実装した。普段,愛用の装備アイテムを異なるワールドでも使用できるようになり,プレイの幅がさらに広がる。
4Gamer:
当初は2月の実装が想定されていました。
中村氏:
実装が遅くなって申しわけありませんでした。テスト後に調整や不具合の修正などがあり,9月の実装になってしまいました。
4Gamer:
実装後にも不具合が起きて,一時停止となっていたようですね。
中村氏:
正確にはワールド倉庫の不具合ではなく,サーバーの混雑に対応しきれなかったことが大きいです。ある程度の予想を立ててサーバーの増強などはしていたのですが追いつかず。そこで,サーバーのさらなる強化を行い,プレイヤーさんに負荷分散のご協力をお願いした,ということなんです。
4Gamer:
では,露店用に「Noatunワールド」をオープンしたのは混雑対応のためですか。
中村氏:
はい,完全に負荷分散のためです。
山本 兼寛氏(以下,山本氏):
我々もそこまで負荷が掛かることは想定しておらず,想像以上に露店による負荷が大きいことが後から分かったんです。そこから紆余曲折あり,露店数を制限した上で,ようやく露店(Noatun)ワールドを開設できました。
4Gamer:
その結果,混雑は緩和されたのでしょうか。
中村氏:
ええ,緩和されました。
なお,このNoatunワールドですが,入場したらキャラクターがその場でマーチャントになり,育成の手間なく露店が出せます。なので,普段遊んでいるワールドのマーチャント系の職業の方は,露店スキルを取らずにスキルポイントを別に回せるようになりました。さらに,Noatunワールドでは「為替」を使うことで,通常ワールドの1000倍の価格まで取引が可能になっているため,ボスカードも出品できるようになるという2つのメリットが生まれたんです。
4Gamer:
有用な効果を持つボスカードは,ものすごく高価ですよね。
山本氏:
そうですね。そんな滅多に見られないようなカードも露店に並ぶようになりました。
中村氏:
残る改善点は,ワールド倉庫に対応するアイテムの種類ですね。現在は装備とカードだけですが,消耗品や収集品,クエスト,エンチャントに使うアイテムなども対応させていきたいと思っています。
山本氏:
収集品は,1ワールドで産出される量を計算したうえでバランスを取っているんですが,ワールド倉庫によって,全ワールドの収集品が1か所に集まる可能性も出てきます。そうなった場合の影響をチェックをしなくてはならず,対応が遅れています。
4Gamer:
流通するアイテムの種類が増えるので,これまで以上に大きな視野でバランスを考えなくてはならなくない,と。
そのほかにも,「全ワールド,全キャラクターで毎日メモリアルダンジョンを周回します」というプレイヤーさんがいないとも限らないですから。Yggdrasillワールドでイベントなどを行った時に,そういう人がどのようにプレイするのか,そしてそういった結果も想定してバランスを見なくてはいけないので,チェックに時間が掛かってしまうんです。
最近のイベントでは,1ゲームアカウントにつき1回という制限を導入させていただいたんですけど,これによって全ワールドで回らなくていいんだ,13キャラクター分やらなくていいんだ,となるようにしていけたらと思います。
4Gamer:
やればやるだけ得になるなら,できるだけ回ろう……と思いますよね。
中村氏:
我々もイベントの集計をするのですが,それを見ると13キャラ中,11キャラ程度は回っている,という傾向があるんです。
4Gamer:
平均だと思いますが,皆さんかなり回ってるんですね……。
中村氏:
そういうところも含めて,平等に1ゲームアカウントで1回のみ。その1回で10回分相当の報酬がもらえるとなれば,プレイの時間も短縮できますし,何度もやらずに済むので,プレイヤーさんにも負担なく楽しんでもらえます。ただ,これは時限式のフラグなので,永久実装のクエストなどには使えません。
4Gamer:
イベントによって形が異なるということですね。
中村氏:
そうですね。少なくとも,今までよりはプレイしやすくなる,楽にプレイできるようになると思います。
そして,Yggdrasillワールドについては,ワールド倉庫実装に合わせて攻城戦Yggdrasill Edition(以下,攻城戦YE)を4回開催させていただきまして,こちらも好評です。
4Gamer:
正式開催はいつ頃からになるのでしょうか。
山本氏:
2019年の正式開催を目指しているので,詳細はのちほど説明させてもらいます。
中村氏:
あとはイリュージョンダンジョンのシリーズですね。いま4つありまして,BaseLv170から入場できてどれもデスペナルティがありません。ですので,多くのプレイヤーさんにチャレンジをしてもらえています。
試行錯誤して何度もチャレンジできるダンジョンとして作ったのですが,現状でBaseLv170以上のキャラクターをお持ちのプレイヤーさんの3割に通っていただけています。ダンジョンによっては5割を超えているところもあります。
4Gamer:
結構な人気ですね。
中村氏:
また,2018年11月に実装した「深淵の回廊 ティアマト攻城戦」もかなりの人気を博しています。最初に導入した時は「難度が高い」という声が大きく,翌週のメンテを待たずに臨時メンテで調整するなどし,今ではパーフェクトクリアするワールドも出てきました。
4Gamer:
そんなに難度が高かったんですか?
山本氏:
高かったです。でも最終的には,緩和しなくてもクリアできるワールドは出ていたと思っています。とはいえ,クリアできるイメージが見えないと,チャレンジを辞めてしまう人も多いでしょうから。
4Gamer:
どこまで頑張ればいいのか分からないから早々に諦めてしまう,と。
山本氏:
ええ。少しでもプレイヤーの想定する「難しい」を超えてしまうとクリアへのモチベーションが落ちてしまいます。かといって簡単すぎると楽にクリアできてしまう。その両方を満たすバランス調整が難しかったです。
4Gamer:
今後も途中で調整を入れることはあるのでしょうか。
中村氏:
ティアマト攻城戦は,たくさんの方が同時に参加できるというコンテンツだったので,難度調整を細かく行ったという面があります。とはいえ,ROは難度をシステマチックに変更できないんです。例えば,プレイヤーさんのご意見に,「参加人数に応じてモンスターの数を調整してほしい」というのがあったんですが……。
4Gamer:
要望としては分かりやすいものですね。
中村氏:
はい。ですが,ROは支援全振り,攻撃全振り,防御全振りと個性豊かなキャラクタービルドができます。100人に参加してくださいといったところ,支援キャラばかりが集まる可能性もあり,それでクリアできるかというと,おそらく無理です。なので,ただ人数だけを見てモンスター数を増減させるのは,ROでは難しいことなんです。
また,「参加人数に上限を設けてほしい」という意見もありましたが,人数上限を設けると,今度は参加できなくなる人が出てしまいます。最終的に,リアルタイムで攻略状況を見て,手作業で難度調整するのが一番良かったんです。
Yggdrasillワールドで行われる攻城戦YEは2019年2〜3月にプレオープン
4Gamer:
それでは,2019年のロードマップについて教えてください。
2019年は,Yggdrasillワールドの展開を本格的に進めたいと考えています。
山本氏:
攻城戦YEの結果がある程度得られたので,2〜3月よりプレオープンとして,月に1回,定期的に攻城戦YEを開催します。その定期開催中にルールを詰めて,決定した後に正式オープンという形になります。
4Gamer:
通常ワールドの攻城戦はなくなるんですか。
山本氏:
「緊急招集」(砦にいるギルドマスターの元にメンバーを召喚するスキル)の問題がクリアできれば,通常の攻城戦をなくして,攻城戦YEのみになります。前回のテストでは,緊急招集が負荷の原因となることが分かっていたので使用を禁止していたのですが,負荷を極限まで減らせる方法が見つかり,もしかしたら大丈夫かもしれない,という状態なんです。なので,負荷と合わせて緊急招集の検証をしたいと考えています。
4Gamer:
少なくとも,その検証が終わるまでは通常ワールドの攻城戦も開催されるということでいいのでしょうか。
山本氏:
ええ。攻城戦YEのある週は開催されませんが,それ以外の週末に開催します。
4Gamer:
仮に,現在考えている緊急招集の対応がうまくいかなかった場合,プレオープンの状態で検証を続けることになるのでしょうか。
山本氏:
いえ,前回のテストで試した「拠点制圧」の方向で詰めて,正式オープンになると思います。
ともあれ,プレオープンの初月では,大きく2つのテストを考えています。1つは今お話しした,緊急招集がきちんと動き,ゲームとして成り立つかどうか。もう1つは,プレイヤーさんが育てたキャラクターで,自前の装備を持ち込んでの戦いがどうなるか,です。
4Gamer:
となると,しばらくはプレオープンという感じに?
山本氏:
そうですね。1か月ペースで修正部分を反映できるかどうか分かりませんが,毎月開催するのはお約束します。
あと,プレオープンからドラムも参加できるようになります。ドラムと攻城戦YEが同時スタートしていたこともあり,今までは使えない状態でした。また,ドラムは「うずくまる」というスキルでダメージを大幅にカットできるのですが,今回のテストでは「うずくまる」を禁止スキルに入れさせてもらっています。どうしても必要であるならば戻すと思いますが,なくても大丈夫だろうと考えています。
4Gamer:
高い耐久力で,さらにダメージをカットするスキルを使われると,対人戦では脅威ですよね。
中村氏:
先に攻城戦YEの話をしましたが,それ以外のコンテンツもYggdrasillワールドで展開していきたいと思います。
4Gamer:
どのようなコンテンツがあるのでしょうか。
山本氏:
コンテンツとしてはPvEですね。PvPをプレイしないプレイヤーさん向けに,モンスターハウスをYggdrasillワールド用に調整して,持ってきたいと思っています。合わせて,ティアマト攻城戦をYggdrasillワールドで定期的に開催したいと思っています。
4Gamer:
定期的というのは?
毎週〇曜日はティアマト攻城戦,みたいな形ですね。ティアマト攻城戦を全ワールドで集まってやりましょう,という形になると思います。全ワールドのプレイヤーが集まるので,バランスは少し変更する予定です。
4Gamer:
それは難しくするという方向ですか?
山本氏:
そうですね。ある程度,難しくしようと思っています。不定期のイベントではなく毎週開催されるものですし,モンスターハウスでもそうでしたが,徐々にクリアしていくことを楽しむプレイヤーさんも多いですから。
4Gamer:
クリア報酬はどうなるのでしょうか。
山本氏:
例えば,Yggdrasillワールドでティアマト攻城戦が開催された時に,イベント参加チケットのようなアイテムを渡して,通常ワールドで報酬と交換できるようにしようと思っています。
4Gamer:
なるほど。実装はいつ頃になるでしょうか。
山本氏:
これも少し難しくて,気持ち的には……春までには実装したいです。なお,ティアマト攻城戦がYggdrasillワールドで実装されても,通常ワールドの深淵の回廊週間は,ティアマト攻城戦も楽しめるような形になると思います。
4Gamer:
通常ワールドでもティアマト攻城戦は開催されるんですね。
山本氏:
はい,両方をお楽しみいただけます。また,Yggdrasillワールドにてオリジナルコンテンツも追加していきたいと思っています。2019年度内に間に合えばという形で,Yggdrasillワールドを盛り上げていきたいですね。
中村氏:
Yggdrasillワールドは,ある意味でMMORPGらしさを体験できるワールドに仕上げたいんです。通常ワールドでは季節イベントやストーリー楽しんでもらいながら,キャラクターの育成をしてもらう。そしてYggdrasillワールドに集まって遊ぶ,というプレイスタイルになればいいなと思っています。
4Gamer:
そしてお金が貯まったら,Noatunワールドで買い物,と。
中村氏:
そんな感じになってくれると嬉しいですね(笑)。
新エピソードと新コンテンツ「エッダ」でストーリーも充実
中村氏:
通常ワールドのアップデートについては,「Episode:TERRA GLORIA〜ルーンミッドガッツ王国の胎動〜」の続きとなる,「Episode17.1(仮称)」が,7月〜9月あたりで実装できる見込みです。
4Gamer:
2018年のロードマップでは,年内実装予定となってましたが,間に合いませんでしたか。
中村氏:
ようやく韓国で実装されたばかりですからね(苦笑)。ストーリーは,TERRA GLORIAに登場したリベリオンの偉い人や,研究所に現れた怪しい人たちも再登場します。そして,このタイガーマスク何者だよ,と。
4Gamer:
そもそも人なんですか?
中村氏:
そのあたりは,乞うご期待ということで。「エピソード17.1(仮称)」をイメージしたイルシオンという名称のロゴもあるので,日本でもそれを踏襲しようと考えています。また,イラストも1枚作ろうと思っているので,実装が迫ってきたころにご紹介させていただければと。
さらに,新エピソードとは別に,韓国で実装された「生体工学研究所のエッダ」が実装される予定です。
4Gamer:
エッダというと,北欧神話の叙事詩のエッダですか?
中村氏:
韓国のRO公式サイトでウェブコミックが連載されていまして,そこに生体工学研究所のキャラクター達が登場しているんです。それが元になったゲーム内コンテンツとなるので,物語としてのエッダでしょうね。
4Gamer:
「英雄の痕跡」みたいなものでしょうか。
中村氏:
ウェブコミックはエッダ用に作られた描き下ろしだと聞いています。日本で公開される時は,これも和訳して実装するつもりです。
生体工学研究所は,とくに二次創作で非常に人気の高いコンテンツで,ストーリー性やキャラクター性に惚れ込んでいるプレイヤーさんがすごく多いです。
我々もことあるごとにGravityに生体工学研究所をアピールしていて,それもあって作ってもらえました。今月(2018年12月)に韓国で実装されて,そのあとに翻訳などの作業が入りますが,日本では,2019年の後半ぐらいに大がかりなアップデートとコミック展開を合わせて行う予定です。
4Gamer:
そんなに大がかりなものなんですか。ミニエピソードくらいの規模だと思っていたのですが。
中村氏:
コミックだけで18編ほどあって,1編あたりのページ数も十数ページとかなりボリュームがあります。生体エッダのイメージイラストには,生体研究所のキャラクターと一緒に,研究者としてマッドサイエンティストのボルセブさんも一緒に描かれていて,彼らがどうして生体工学研究所に囚われてしまったのかといったお話が楽しめます。
4Gamer:
物語は18編で完結しているんですか?
中村氏:
はい,いちおう締めくくられます。
4Gamer:
そのストーリーが一気にまとめて実装される,と。
中村氏:
まだ中身を見てみないと分からないところもありますが,大がかりになりますと言われているので……まとめて実装されると思います。やはり生体工学研究所は人気のコンテンツなので,我々としても力を入れていきます。
4Gamer:
生体工学研究所は,ストーリーが語られていない部分があるからこそ,二次創作などで人気があったのだとも思いますが,どんな内容なのか楽しみです。個人的には,また生体工学研究所に上の難度が入るのかと思いましたけど。
中村氏:
高難度コンテンツとしては,新しいイリュージョンダンジョン「イリュージョン オブ テディベア」を予定しています。テディベアは,アインベフなどにいる熊のぬいぐるみのようなベアドールが主役となるイリュージョンダンジョンです。
4Gamer:
実装時期はいつ頃ですか?
中村氏:
2月くらいの実装を予定しています。
その前に「Episode9.2 決戦」の新カード実装を,2019年1月15日に行います。実は,「Episode9.2 決戦」のほかにも未実装のカードがけっこうありまして,グローバルマップの一部で実装されていないカードも合わせて入れます。ただ,ちょっとカードの枚数が多いので,2019年後半にも新カードを分けて実装していきたいと思います。
4Gamer:
「Episode17.1(仮称)」のときは,新カードは実装されないんですか。
中村氏:
同時,もしくはちょっと遅れて実装されることになると思います。「Episode9.2 決戦」のときはタイミングが合わず,カードの実装がだいぶ後になってしまったんです。その代わりというわけではないですが,イラストは全部描き下ろしになっています。もちろん,実装に合わせて入手しやすくなるイベントも走らせる予定です。
あとはシステムのアップデートで,2019年上半期中に絶対入れたいのが,ドラムの結婚ですね。いろいろ調べていたんですが,実はドラムと人間でも結婚できるだけじゃなくて,同性同士の結婚も可能になることが分かりました。
ただ,そこに関わる部分としてドラムを養子にできるようになるのですが,職業についてのシステムが変わるので,メモリアルダンジョンの改修も行わなくてはならないんです。
4Gamer:
結婚とメモリアルダンジョンの改修は別ですよね?
中村氏:
内部データ的には養子って職業なんですよ。そうなると,メモリアルダンジョンの入場制限に引っかかるんです。
4Gamer:
あー,なるほど。
中村氏:
本来は入れないのに入れてしまったり,入れるのに入れなくなったりするので,全てのメモリアルダンジョンをチェックしているところです。そのほかにもシステムの深いところをチェックしなくてはならないので,2018年内の実装は間に合わなかったんです。2019年の6月,ジューンブライドには間に合わせるつもりで,作業を進めています。
4Gamer:
なるほど。プレイヤーからは同性婚を望む声ってあったんですか。
中村氏:
今のところそういう要望はなかったですね。余談ですが,ROを通じてリアルで結婚された方には,リアルプレゼントとしてキャラクターの名前を入れた結婚おめでとうプレートをお送りしているので,いらっしゃればぜひ「WEBヘルプデスク」までご連絡ください。
4Gamer:
6月といえばオーケストラコンサートもその頃ですよね。コンサートに合わせて,ゲーム内でイベントなどを実施することは考えていないんですか。
中村氏:
新規で人をお誘いできるようなイベントをやりたいとは思っています。2019年早々に,アンケートで募集した1曲をお披露目できると思いますよ。
2019年末から2020年にかけて,テコンキッド系最上位職の星帝とソウルリーパー,そしてスーパーノービスの最上位職が実装へ
中村氏:
2019年後半には,その先のアップデートの準備を進める予定です。その1つがテコンキッド系の最上位職「星帝」と「ソウルリーパー」です。こちらが現在,韓国でのアップデート情報に載っているデザインです。
4Gamer:
星帝とソウルリーパーは,韓国で実装されているんですか。
韓国のSakrayサーバー(韓国のテストサーバー)に実装されて,昨年の6月に実装されました。以降,調整していましたが,そろそろ落ち着いてきたというところでしょうか。ただ,これから日本での調整が入りますので,2019年中の日本実装はちょっと難しいかもしれません。
中村氏:
これともう1つ,職業系のアップデートをGravityでやっていまして,BaseLvのレベルキャップを175から185へ開放し,スキルの調整を2019年後半に行う予定です。
山本氏:
スキルの調整は,2次職スキルの調整となります。
4Gamer:
上位2次職ではなく,2次職ですか?
山本氏:
ただの2次職です。例えば,プリーストのスキル「マヌグスエクソシズム」は悪魔と不死にダメージを与える範囲魔法ですが,これが単純に聖属性の範囲魔法になるといった感じですね。
ほかにも演奏系のスキルの仕組みを変えるそうです。昔のROのスキルはデータの負荷よりも処理のしやすさやスピード感を重視した作りでして,ものすごくラグに直結するものが多いんです。ティアマト攻城戦で「ストームガスト」などを禁止させていただいたのも,いわゆるそういうスキルだからです。
中村氏:
「ストームガスト」は15×15の範囲,その升目すべてにオブジェクトを発生させるんです。それを数キャラで重複させると……。
4Gamer:
ああ,すごい負荷になるでしょうねぇ……。
山本氏:
それらを改修して,分かりやすいスキルにしたりするという調整が韓国でスタートしており,それに合わせてBaseLvが185になります。ただ,スキルレベルも変更されていたりするので,本当にこれをそのまま実装するのかな,とも思えるのですが。
4Gamer:
習得するためのスキルポイントも変わってしまうんですか?
山本氏:
まだ不明な状態です。現在スキルレベルが最大5のスキルが,最大10になったりする可能性もありえるようですが,ちょっとどういう調整になるのやら。
4Gamer:
それは大事件ですね。2次職のスキルが上位2次職や3次職のスキル習得にも影響しますし。
山本氏:
それらを調整したうえで,レベルキャップ開放のときに日本ではどうするのかということを,これから考えてなくてはなりません。レベルキャップ開放とスキル調整を切り離せるのならば,先にレベルキャップを開放して,その後にスキル調整の導入ということになると思います。
中村氏:
ただ,レベルキャップだけ開放されても遊ぶモチベーションにつながりませんから,「上がったら新しいことができますよ」というコンテンツもセットで考えたいんです。そこも含めて目処が立つのが2019年後半ぐらいになると思います。
4Gamer:
レベルキャプ開放もスキル調整も,まとめて2019年後半に行うのでしょうか。
中村氏:
そもそも,星帝やソウルリーパーと,レベルキャップ開放と,どちらを先に入れないといけないのかという点も不明ですから。我々が実装したい順番にできればいいのですが,システム的な面でアップデートを前後させたり,順番を逆にしたりすると,大変なことになりかねませんから。
4Gamer:
その上,調整の手間がどれぐらいかかるかも不明となると,実装時期を見通すのは難しそうです。では,星帝とソウルリーパーについては,同時に実装されるのでしょうか。
山本氏:
同時になると思います。
4Gamer:
2クラス同時調整は,結構大変そうです。
複数の職業が同時に入るのは3次職以来ですが,2職業ならばなんとかなるでしょう。なお,星帝とソウルリーパーは,システム的には3次職になるのですが,「転生していない3次職」という扱いになります。日本では転生しないと3次職になれないんですが,韓国では転生しなくても3次職になれるんです。
4Gamer:
確か,2次職から直接3次職になれるんですよね。
山本氏:
はい。その場合は,上位2次職のスキルを持たない3次職となります。聖帝とソウルリーパーは,それと同じ特殊な扱いとなります。
4Gamer:
先ほどの2次職スキルの調整ですが,影狼や朧,テコンキッド系に影響はあるんでしょうか。
中村氏:
リベリオン実装時にガンスリンガーの調整を行いましたが,それに近い形で手が入ると思います。過去にも新職業を入れますと発表してから,けっこうお時間をいただいていたのですが,それと同じぐらいの時間は掛かってしまうと思います。
4Gamer:
2019年の今頃(12月)に,「もうすぐ実装できます」となっていてほしいですね。
山本氏:
今,星帝やソウルリーパーの話をしましたが,「じゃあスーパーノービスはどうなんだ」と懸念を抱いているプレイヤーさんもいらっしゃると思うので,その話もさせてください。
端的に言うと,まだ開発中ですが,2019年に韓国側でお披露目できるかもしれません。職業としてはスーパーノービスの上位職で,BaseLvが175,JobLvが65で,専用スキルが検討されています。
4Gamer:
ついに専用スキルが来ますか。
山本氏:
物理と魔法の両方のスキルをいくつか開発していると聞いています。
4Gamer:
2019年に韓国で発表となると,日本では2020年の1月頃に?
山本氏:
職業によって実装難度も違って,もしかしたら星帝やソウルリーパーよりも,スーパーノービスの上位職のほうが楽に実装できる可能性もあります。
4Gamer:
期待しています。それでは最後に,ROプレイヤーへのメッセージをお願いします。
中村氏:
2019年は,システム系のアップデートの合間に,Yggdrasillワールドでの遊びを導入していければと考えています。もちろん,季節イベントなども,新しい要素を加えつつ,継続していくのでご安心ください。Yggdrasillワールドの開設は,みんなで遊べる,みんなで遊ぶという昔ながらのMMORPGらしさを,より深く楽しめるものになっています。
ROを楽しんでいた方に,もう1度遊んでいただけるチャンスだと思っているので,2019年のROも楽しんでいただきたいと考えています。
山本氏:
1年間,Yggdrasillワールドをやってきて,問題もありましたが動かせるところまでは来ました。2019年こそはYggdrasillワールドをしっかりと軌道に乗せたいなと思います。
ティアマト攻城戦のような大規模PvEコンテンツを,Yggdrasillワールド専用で作ろうと考えているので,2019年末ぐらいまでには,何かしらお見せしたいです。そして,攻城戦プレイヤーには長らくお待たせしてしまっていますが,2019年の攻城戦YEへのご協力をお願いしつつ,お楽しみいただければと思います。
4Gamer:
本日はどうもありがとうございました。
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