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RWC2007 日本代表ギルドはUrdrワールドの「punch」。決勝リーグ全勝で頂点に立つ
4Gamerでは,決勝リーグ後半戦に当たる6月24日の試合を観戦してきた。リーグの進捗につれて,優勝まであと何勝……という具体的な数字が固まっていくこともあり,「RWC」日本特設ワールド「RWC2007」は緊張と活気に満ちていた。会場には,予選トーナメントで敗退したギルドのメンバーもちらほら現れ,「今のはどっちが勝った?」「どこが優勝しそうなの?」と決勝リーグの行方を気にしたり,プレイヤー同士が戦術やステータスの割り振りについて,あれこれチャットを交わしたりする姿も見られた。
所属ワールドが異なれば,ゲーム内で出会うことはないわけで,ワールドの枠を超えてトッププレイヤー同士が交流できるこの場を,存分に楽しんでいる様子がうかがえた。
予選ブロックはトーナメント方式で行われたが,日本代表ギルド決定戦についてはA〜Fのブロックの優勝ギルドによる総当たりリーグ戦が行われる。予選トーナメント同様Zeny(ゲーム内通貨)判定は行えないため,勝利数が並んだ場合は,決勝リーグ全体を通して戦闘不能になったメンバーの少ないほうが勝ちとなる。
RWC2007日本代表ギルド決定戦でポイントとなったのは,ジプシーの「マリオネットコントロール」だ。これはパーティメンバーの1名に,ジプシーのステータス値から2分の1を分け与えるというスキル。RWC2007のメンバー構成では,ハイウィザードに対してこのスキルを発動することで,DEX/INT値を極限まで上げられる。
その結果,大魔法「ストームガスト」の詠唱時間をほぼゼロにしたうえで,与ダメージも引き上げられるとあり,予選トーナメントも中盤あたりからマリオネットコントロールを使用するギルドが目立ち始めたのだ。
ただし,スキル発動中のジプシーは通常攻撃以外の行動ができないため,この戦術は実質6名で戦うことを意味する。これまでどおりの堅実な戦術で試合に臨むか,使い慣れないマリオネットコントロールを急きょ採用してでも,新戦術の有効性に賭けるか,悩んだギルドは多かったようだ。
なお,RWC2007 世界チャンピオン決定戦のレギュレーションでは,マリオネットコントロールの使用は可能だが,使用したときの効果が非常に高く,ギルドの戦術を大きく変えてしまうため,バランスに問題がないか,そして引き続きマリオネットコントロールを使用できるのかを,ガンホー・オンライン・エンターテイメントから大会主催者であるGravityに問い合わせ中である(2007年6月29日現在)。日本代表ギルドとなったpunchのメンバーにはぜひとも,今後マリオネットコントロールが使用禁止になる可能性も考慮に入れつつ,本番に備えてほしい。
24日に行われた全7試合のうち,いくつかの試合をピックアップしてお伝えしよう。予選のときと異なり,各ギルドへのインタビューは必ずしも個々の試合に関する話題ではないので,その点に注意しつつお読みいただきたい。
■第1試合 punch vs. Team DT
どちらも相手の実力を知っているだけに,試合はランドプロテクターを挟んだストームガストの撃ち合いという,慎重な始まり方。punchのハイウィザードの真後ろにはチャンピオンが控え,ランドプロテクターに穴を開けるガンバンテインの効果で,敵が凍るチャンスをじっと待っている。凍結したパラディンに攻撃をしかけ,狙いどおりに脱落させたものの,カウンターを喰らって相討ちとなってしまった。
しかし,punchは一人欠けたハンデをまったく気にする様子もなく,凍結したままのTeam DT側プロフェッサーを「ユピテルサンダー」でしっかりと戦闘不能に。ランドプロテクターの保護を失ったTeam DTはたちまち全員が凍結状態に陥り,punchはプロフェッサーまでもが前面に出てきて「スパイダーウェブ」を放つという,余裕の戦いぶりでTeam DTに勝利した。
■第2試合 Hunters vs. Penrir
これを迎え撃つHuntersは,そのギルド名にふさわしくスナイパーをメンバーに採用。ストームガストのダメージと凍結を恐れてランドプロテクター上に固まる相手に対し,スナイパーが「アローシャワー」や「シャープシューティング」を連発していた。
このままPenrirが押されると思いきや,Penrirのロードナイトとチャンピオンの素晴らしい連携がHuntersの動きを乱し,まずは守りの要パラディンを戦闘不能にした。Huntersはこの試合のダメージディーラーであるスナイパーが必死に応戦するも,ロードナイトをはねのけることがでないまま,ジプシーとスナイパーを失い,一気に試合はPenrir優勢へ。最後はHuntersのクラウンを阿修羅覇凰拳で落として,Penrirの勝利となった。
■Penrir ミニインタビュー
A:予選トーナメントですでに話題になっていた,マリオネットコントロールを使ったハイウィザードの超威力は不安でしたね。
Q:練習期間と予選リーグを通して,新戦術への対策は練っていますか?
A:Penrirとしてはこれを採用せず,残りの試合もやっていくつもりですが,試合前から情報戦が始まっているので油断はしません。それにしても,(編注:この時点まで全勝の)punch負けてくれないかなぁ……。
Q:やはり強敵でしたか。実際に当たってみて。
A:punchさんが最も積極的に新戦術を使っていますが,そうでなかったらいい勝負ができたんじゃないかな,とは思います。
Q:残り2試合(編注:インタビュー時点で)ですが,現時点で上位ギルドに食い込む自信を聞かせてください。
A:残り2試合は勝ちます。絶対勝ちます。
■Hunters ミニインタビュー
A:初戦でTeam DTに負けたところで,精神的に崩れてしまったかなと思います。一応Team DTメンバーを一人倒したし,勝てると思ったんですが負けてしまって,勢いがなくなってしまいました。
Q:日本代表ギルド決定戦全体で,一番印象深かったギルドや試合を挙げてもらえますか。
A:マリオネットコントロールを使ってくるギルドはやっぱり脅威で,とくにpunchはずっとジプシー&ハイウィザード構成で練習していましたから,この戦い方がすごくうまかったと思います。
Q:ふだんもHuntersというギルド名で活動しているんでしょうか。RJC出場経験などがあったら教えて下さい。
A:SaraでもHuntersで活動していますし,今年のRJC2007に「PreciousLove」というギルドで予選に出ています。一回戦敗退でしたけれど。構成を変えられないRJCではなかなか勝てませんでしたが,このRWC2007では臨機応変に対応できたと思います。
Q:ではRWC2007へ参加した感想をお願いします。
A:練習用マップがあるおかげで,どこのギルドもすごくうまくなりましたね。メンバー構成も変えられるルールのおかげで,いろいろ練習できたのもよかったです。うちのギルドはSaraワールドとIrisワールド出身の混合で新規も古参も,みんな一緒にやってきたから,結束力はあります。次のイベントにも出場したら,もっともっとうまくなって,勝てると思ってます。
Q:こういった特殊なGvG練習用マップがふだんから欲しいですか?
A:練習用マップは常に開放してほしいですね。Saraワールドを捨てかねないくらい嬉しいです。
■第3試合 Stella cadente vs. Penrir
互いのランドプロテクターが重なり合うほどの接近戦がしばらく続いたが,やがてStella cadenteの3名が凍結。Penrirはこのチャンスを逃さず,阿修羅覇凰拳で最初の犠牲者ハイウィザードを落とし,続いてチャンピオンも戦闘不能に。
勝利を確信したのか,Penrirは猛攻を開始すると同時に,クラウンが「運命のタロットカード」を連発する余裕すら見せ始めた。このスキル,敵キャラ1体にスタンや呪い,防具を一つ破壊といった効果を付与するというものだが,14種類の効果のうちどれが出るかは完全にランダムだ。追い詰められたStella cadenteは次々メンバーを失い,あとは最も防御の固いパラディンが落ちれば全滅というところで,実に意外な展開が。
状況は7対1。防御に回る必要もなくなり,Penrirの攻撃キャラクター3名が一斉攻撃をかけ始めたというのに,このパラディンが一向に落ちない。逆にスキル「プレッシャー」「リフレクトシールド」で反撃を試みるなど,しぶといことこの上ない。通常の試合では直接攻撃に回ることのないクラウンまでもが,「ミュージカルストライク」で戦闘に参加したにもかかわらず,Stella cadenteのパラディンはなんと残り2分を耐え抜き,結局試合時間終了まで生き残った。
このあと,生存者だけが転送される待合室ではPenrir側も,さすがに「なんで倒れないの!?」と驚きつつ質問。それに対しては「そっちのメンバー構成を見て装備を考えた」「プレッシャーで相手を抑えて,欠員勝ちを狙った」との答えが。さすがに回復アイテムの残りは80個とぎりぎりだったそうだが,事前情報で対策を練れば,ここまで善戦が可能という例を見せてくれたパラディンプレイヤーには,拍手を送りたい。
■第4試合 Stella cadente vs. Imperial Knights
開始早々に隅へ追い詰められてクラウンを失ったImperial Knights。プロフェッサーがメンバーに含まれているのにもかかわらず,なぜかランドプロテクターが展開されず,当然の結果として凍結を繰り返す。ディボーション(献身)を受け持つパラディンも落ち,Stella cadenteが一人も欠けることなく勝つように見えた。
だが状況が圧倒的に不利ななか,Imperial Knightsは残るチャンピオン,ハイプリースト,ハイウィザード,チェイサーが素早く後退してStella cadenteの猛攻をしのぎ,逆にハイプリーストを戦闘不能にするという,予想外の奮戦を見せた。ハイドとクローキングを巧みに操り,ハイプリーストの素早い支援で散り散りになりつつも,時間切れまで粘ったImperial Knights。試合終了のアナウンスが流れた時点で,なんとStella cadenteも生存者が4名まで減っており,予選トーナメント決勝リーグで初の再試合が組まれる結果となった。
前回の予選レポート記事でお伝えしたとおり,再試合はハイプリーストを抜いた6対6で行い,最初に戦闘不能キャラクターを出したギルドが負けとなる。その一瞬だけ最大火力を発揮して,誰か一人を狙えばよい再試合は,メンバー構成やステータス値のバランスを練りに練る通常の試合と大きく異なるわけだ。
再試合を告げるメッセージがRWC2007ワールドに流れると,次の試合をのんびりと待っていたプレイヤー達も少なからず驚いたようで,イズルード中央にプレイヤーキャラクターが集まり始めた。「クリエイターのアシッドデモンストレーションで瞬殺でしょ」「ハイプリーストがいない以上,寒いジョークで凍結を狙うべき」「心臓に悪い試合だなぁ」などなど,PvP好き達のチャットが盛んに飛び交い,イズルードはにわかに活気づいた。
6対6の再試合では,お互いの職業構成に大きな変化は見られなかった。Stella cadenteが,ランドプロテクターからはみだしたImperial Knightsのクラウンを凍結させてから戦闘不能にし,1分少々と短い試合時間で決着をつけた。
■Imperial Knights ミニインタビュー
A:決勝リーグはやはりどこも強いですね。5試合行ったなかでは,Team DTがとても強かった印象があります。
Q:自分達のギルドとここが違う……と強さを実感したのはどんなところでしょう?
A:やはり状況に合わせた対応の早さでしょうか。
Q:Imperial Knightsとしては事前の練習どおりに動けましたか。
A:緊張は毎回しますね。そのせいもあってか,なかなか練習どおりに動けず,負けが続いてしまいました。
Q:ちなみに過去のRJCなどには出場していますか?
A:RJC2005とRJC2007の予選に出場しました。RJC2005には「Holy Pollution」というギルド名で出場し,ブロック決勝でPenrirに敗れました。毎回こういったGvGイベントには参加していますから,初出場のギルドよりは勝手が分かりますし,そこでの経験は少しずつ生かされてると思います。
Q:最後に,RWC2007というイベントの感想を一言お願いします。
A:イベントは毎回楽しませてもらっています。今回は初めて決勝リーグまで来ましたので,1勝は目指したいです。
■優勝ギルドはpunch:「マリオネットコントロールが禁止されても…」
日本特設ワールド「RWC2007」は7月3日から再オープンされ,日本代表ギルド決定戦に参加した全ギルドが,出入り可能となっているはずだ。日本代表ギルド決定戦に出場したギルドは,日本代表が世界最強の栄冠を手に凱旋できるよう,ぜひとも積極的に練習相手となってほしい。
最後にpunchへの優勝インタビューを掲載しよう。なお,8名全員が特設ワールドに残ってインタビューに答えてくれたので,punchの回答は複数メンバーによるものであることを,先にお断りしておく。(ライター:麻生ちはや)
Q:punchのみなさん,おめでとうございます。さっそくですがRWC2007日本代表ギルドになった,喜びのコメントをお願いします。
A:ありがとうございます。余裕でしたね!
Q:決勝リーグ全勝という結果は素晴らしいですね。
A:うちのギルドの計画は,最初から6−0(人)で勝つというものなので,大体うまくいったのかな。
Q:マリオネットコントロールを使っていましたが,事実上一人欠けても余裕ということですか。
A:ええ。あるクラスのキャラクターのステータスやスキルを調整して,最初から相手も一人確実に落とす作戦ですから,実質6名という戦いはなんの問題もありません。
Q:その作戦どおりにすべてがうまく進んだと。
A:そうですね,想定通りでした。
Q:RWC2007 世界チャンピオン決定戦におけるマリオネットコントロール使用の可否については未定となっていますけれども,もし使用禁止になっても勝てますか?
A:別の職業構成,つまりジプシー&ハイウィザードでマリオネットコントロールを使うのとは違う構成も,実はこっそり用意していました。世界チャンピオン決定戦で使えなくなっても大丈夫ですよ。
Q:では,予選から決勝リーグまでを通して,試合には勝ったが苦戦したギルドなどはいますか?
A:決勝リーグの初日2回戦で戦ったPenrirですね。いざ試合が始まってみたら事前の情報と違うメンバー構成で,こちらのパラディンが割と早いうちに,アシッドデモンストレーションで倒されてしまい,あせりました。
A:一応,相手の動きが崩れたのを確認してから,こちらも前に出たので何とか持ち直しましたが,まさかパラディンが落ちるとは思っていなかったので,ひやりとはしましたね。
Q:予想外の展開に対しても素早く対応できたと。
A:Penrirのほうが3人凍結で,2人が睡眠というステータス異常の状態でしたから,結果的には余裕でした。
Q:海外のROプレイヤーがどんな戦い方をしてくるのか,言葉の問題もあって情報収集が難しいですが,どこがどう攻めて来ても勝つ自信はありますか?
A:ええ。結果は同じだと思います。
A:無事韓国に行ければ優勝できると思います。
Q:ところでpunchはフィールド上でのPK行為が可能な唯一のワールド,Urdr出身ですよね。Urdrでプレイする魅力を,この機会にぜひ。
A:通常マップでもPvPができることと,Urdrだけのボーナスのおかげで,レベル上げが楽なことですね。そのぶん対人戦に集中できます。PvPで相手をしてくれるプレイヤーが,ほかのワールドに比べると多いので,練習量と経験も結果的に増えます。
Q:では最後にみなさんから,RWC2007 世界チャンピオン決定戦に向けた抱負をお願いします。
A:僕たちの絆の強さで優勝したいと思います!
A:優勝して日本に経験値2倍イベントを持ち帰りますので,ぜひUrdrワールドに来てください。
A:優勝しますよー。
A:他国のROプレイヤーとお友達になりたいです。
Q:本日はありがとうございました。あらためておめでとうございます。
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