「Wizardry 8」が完成したという情報が出回って，はや数か月。海外では，雑誌やPCゲーム情報サイトに向けて配布されたプレスコピーと呼ばれる評価版により，プレビュー記事を見ることができる。しかしながら，PCゲームのメイン市場ともいえるアメリカでいまだに販売元が決定していないために，今もってゲームが発売できない状態が続いており，全世界のファンをやきもきさせている。
　そんな中，PCゲーム情報サイトのDaily Telefragが，Sir-Tech CanadaのディレクターIan Currieとのインタビュー記事を「ここ」に掲載しており，そこでなぜ「Wizardry 8」が発売されないのかを語っている。

　Ianによれば，「Wizardry 8」の販売元に対しては，次回作である「Wizardry 9」と合わせての契約を求めているとのこと。これが，各社と契約の合意に至らない最大の要因であるようだ。アメリカにおいても，大手PCゲーム販売元はコンシューマゲームに力を入れているために，まだ出来上がってもいない「Wizardry 9」をも含めた契約というのはかなり厳しいというのが現実。では，Sir-Tech Canadaがなぜ「Wizardry 9」をも含めた契約を欲しているかといえば，「Wizardry 9」の開発費用を捻出するためらしい。Sir-Tech Canadaでは，この抱き合わせによる契約が上手くいかないようなら「Wizardry 8」単独での契約に切り替えるということなので（単独契約なら，かなり締結の見込みがあるようだ），噂にのぼっているような「Wizardry 8」発売中止というような事態にはならないだろう（まあ，これは希望的観測ではあるが）。
　先ごろ人員整理（いわゆるリストラ）を行ったSir-Tech Canadaはかなり金銭的に追い詰められているようで，もしこのまま数週間たっても契約問題などの金銭的問題の解決がつかない場合は，会社の閉鎖もありうると語っている。

　日本でも根強い人気を誇るWizardryシリーズの最新作であり，期待もかなり高まっているだけに，この契約問題を一日でも早く解決して，作品にお目にかかりたいものだ。