待ちに待った期待作が,ようやくその全貌を現した。第3人称視点のハードボイルドアクションゲーム
「Max Payne」は,今年のE3でも注目株の一つ。映画「マトリックス」さながらのカメラモードやド派手なアクションを満載し,驚くほどディテールに富んだテクスチャーで映像美を実現している。ちなみにヘルシンキを本拠地にする開発元のRemedy Entertainmentの隣りのオフィスには,何とベンチマークでは有名な,あのMad Onlionが社を構えている。ご存知のように,先頃リリースされた「3DMark 2001」でも,デモ中にMax Payneのゲームエンジンを使って製作された映像が使われている。あのマトリックスもどきのデモ映像を,そのままゲーム化したような気持ちでいれば問題ないだろう。
Max Payne開発が開始されてからほぼ4年あまり。ストップモーションや視点変更を利用した演出の妙や,拳銃の相性番号まで読み取れるディテールの細かさなど,
ここ数年は技術面ばかりがクローズアップされ続けてきた。しかし10月の発売に向けてか,プロジェクトリーダーのPetri Jarvilehto(ペトリ・ヤルヴィレフト)氏は,ゲームの内容にも注意が払われていることを,今回のデモセッションでは強調していた。
デモで見せてもらった導入部分のムービーから判断する限り,ゲームエンジンを使ったシネマティックスやアメコミ風の挿入画を多用して,ストーリーがかなりドラマチックに展開していくようだ。タイトルと同名の主人公マックスは,ニューヨーク市警に勤務する平凡な警察官。ある日,マックスが帰宅すると室内が荒らされており,警察に連絡するも何故か全く応対してくれない。まるで映画を観ているように,プレイヤーはマックスが受けた悪い予感を共有し,2階で妻と子供が殺害されているのを目の当たりにすることになる。ゲームは,この事件の3年後からスタートすることになる。
映画的な演出はゲーム内でも生かされており,ヤルヴィレフト氏は
「レベルデザインがプレイヤーを引っ張っていく」と語る。つまり,プレイヤーの行く手を阻むように階段が倒壊し,それを乗り越えるために付近の柱を倒す,といった類の行動が求められるのだ。
このような演出が特に顕著なのが,全体のストーリーラインから見ると中盤あたりになるという"火事"のステージ。プレイヤーが登場すると同時に付近で爆発が起こり,プレイヤーは後退を余儀なくされる。敵と戦いながらもホールを進んでいくと,前方の部屋から炎が噴き出したので右の書庫に逃げ込むものの,すぐさま部屋中が燃え盛り,倒れる本棚の合間を潜り抜けるようにして階段を上がって……,という感じ。レベル製作システムの問題からプレイヤーには一つのルートしか与えられていないが,その不都合さを全く感じさせない見事な手法といえる。
ゲームのテンポはよく,とめどころもないアクションとシングル専用ゲームならではの重厚なストーリーが魅力的な,このMax Payne。なお主人公の顔グラフィックは,一見するとブルース・ウィリスがモチーフ(?)になっているように見えるが,実は
リードデザイナーのSam Lake(サム・レイク)氏自身であることは,あまり知られていない。下の写真で見比べてみてほしい。どちらかというと,シリアスサムの"サム"じゃないかという気もしてくるのだが……。
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