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「クロノ」「ポケモン」「ワンダ」から「アイカツ!」まで,幅広い楽曲がオーケストラで奏でられる「『RADIO 4Gamer Tap(仮)』Special Concert」のリハーサルをレポート。演奏曲順も公開
この公演は,文化放送のインターネットラジオ局「超!A&G+」にて配信中の,動画付き番組「RADIO 4Gamer」(2010年4月〜2014年12月)および「RADIO 4Gamer Tap(仮)」(2015年1月〜)が10年目に突入したことを記念する初めての大型イベントであり,さまざまなゲーム音楽を東京交響楽団(指揮:水戸博之さん)の演奏でお届けするというものだ。
本稿では,公演に先駆けて行われたオーケストラのリハーサルをレポートしよう。
Music 4Gamer Presents
「RADIO 4Gamer Tap(仮)」
Special Concert
当日のプログラム
第1部
1.「聖剣伝説」より「Rising Sun」
2.「ワンダと巨像」より「荒ぶる邂逅〜巨像との戦い〜」〜「甦る力〜巨像との戦い〜」〜「静寂〜巨像との戦い〜」〜「力への畏怖〜巨像との戦い〜」
3.「文豪とアルケミスト」より「文豪とアルケミスト」
4.「アイカツ!」より「アイドル活動!」
第2部
トークコーナー(出演:岡本信彦さん,マフィア梶田さん,花江夏樹さん)
−休憩−
第3部
5.「STEINS;GATE」より「GATE OF STEINER」
6.「クロノ・トリガー」「クロノ・クロス」より「予感」〜「クロノ・トリガー」〜「CHRONO CROSS 〜時の傷痕〜」
7.「ポケットモンスター 赤・緑」より「〜オープニング〜」〜「マサラタウン」〜「トキワへの道-マサラより」〜「戦い(VSジムリーダー)」〜「自転車」〜「チャンピオンロード」〜「ラストバトル(VSライバル)」〜「〜エンディング〜」
8.「楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲」
9.「カノン」
10.「SF交響ファンタジー 第1番」
「Music 4Gamer」特設サイト
今回の公演は3部構成となり,第1部では「Music 4Gamer」#1から#4で演奏された中から「聖剣伝説」の「Rising Sun」,「ワンダと巨像」のバトル曲メドレー,「文豪とアルケミスト」のメインテーマ,「アイカツ!」の「アイドル活動!」といった具合に,各回の代表的な楽曲を披露。
いわばベスト版的な内容だが,どの曲についてもリハーサル中に指揮者の水戸さんが楽器間のバランスやニュアンスをチェックしていたので,以前聴いたことがあるという人もまた新たな気持ちで楽しめるはず。
第3部(第2部はトークパート)では,「STEINS;GATE」のメインテーマ曲,「クロノ・トリガー」と「クロノ・クロス」のメドレー,「ポケットモンスター 赤・緑」のメドレーを演奏する。ゲームと音楽双方の評価が高い名作の楽曲がそろっているので,聴き応えはバッチリだ。
また第3部では「楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲」「カノン」といったクラシックの有名曲2曲と,「SF交響ファンタジー第1番」も披露する。前者2曲はゲームやアニメなどで使われる機会の多い楽曲なので,なじみがあるという人も少なくないだろう。
そして「SF交響ファンタジー第1番」について蛇足だとは思うが説明しておくと,作曲家・伊福部 昭氏の手がけた特撮映画音楽のメドレー。誰もが一度は耳にしたことがあるだろう「ゴジラ」のメインテーマ曲を筆頭に,ときに不安を煽り,ときに壮大で勇猛なフレーズの数々がオーケストラの大編成を活かした大音量で次々に迫ってくる。
筆者の個人的な感想だが,非常にバリエーション豊かな演奏曲目となっており,どれか1曲でも気になる楽曲があるなら,会場に足を運んでも公演全体を楽しめるという感触を得られたリハーサルだった。
リハーサル終了後,指揮者の水戸さんに公演本番に向けての意気込みなどを語ってもらったので,それを掲載して本稿の締めとしよう。
4Gamer:
まずは,今回のプログラムについて感想をお願いします。
僕自身はたまにゲームを遊ぶくらいで,それほどゲームに詳しいわけではありません。だから実は,今回演奏する楽曲も初めて出会ったものがほとんどなんです。
でも,そんな僕ですら「何て魅力的なんだろう」「素敵なメロディやハーモニーに溢れている」と,純粋に好きになってしまう曲ばかりで,とても楽しいです。もし僕が実際にそれぞれのタイトルをプレイしていたら,もっと楽しめたでしょうね。
その意味では,各タイトルのファンの皆さんには,とても魅力的な演奏会になるんじゃないでしょうか。
4Gamer:
今回演奏するゲーム音楽の中で,とくに気に入った楽曲はありますか。
水戸さん:
「文豪とアルケミスト」です。あとは「クロノ・トリガー」のメドレーや「ワンダと巨像」のメドレーもいい曲ですね。ただ,そう言い始めると「聖剣伝説」の「Rising Sun」もいい曲ですし……うん,全部いい曲です(笑)。
4Gamer:
クラシックと比較して,ゲーム音楽はここが面白い,ここが意外といった部分はあるのでしょうか。
水戸さん:
例えば4楽章の交響曲だと,基本的には最初は活発,次に緩やかに,そして再び音楽が動き出し,フィナーレを迎えるという急緩急の構成が多いです。
その構成が,「クロノ・トリガー」や「ワンダと巨像」のメドレーの中には凝縮されているんですよね。短い1曲の中に,いろんな場面が描かれている。そういったドラマ的な構成は,僕らクラシック側の人間からしても違和感なく入っていける部分です。
4Gamer:
その一方で,完全なポップスの「アイドル活動!」があったり。
水戸さん:
そうなんです。これも解放感があって楽しいんですよね。どの曲にも違う魅力があるところが面白いです。
一口にリズミカルな曲と言っても,ゲームが違えば当然曲調も変わります。不気味な曲もあれば,「アイドル活動!」のように弾けるような楽しい曲もある。
プログラムを一見すると,異なるタイプの曲が羅列されているかのようですが,通して聴くと,同じ魅力を持つ曲がいろんな形や味付けで出てくる。聴いた人は,まるでビュッフェに来たかのような感覚になるんじゃないでしょうか。
4Gamer:
キッチリとしたコース料理ではなく。
水戸さん:
ええ,ビュッフェで和洋中,いろんなおいしいものを楽しめる。そんな構成になっていると思います。
4Gamer:
ありがとうございます。それでは,今回の公演に興味を持った人に,メッセージをお願いします。
水戸さん:
この演奏会には,いろんな方がいらっしゃることでしょう。普段,あまりクラシックになじみがない方や,オーケストラを生で聴くのは何年ぶりだろうという方もいらっしゃると思います。そういった方にも,ぜひ電子音や録音ではなく,東京交響楽団という素晴らしいオーケストラの生の響きを楽しんでいただきたいです。
また今回,「『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲」と「カノン」,そして「SF交響ファンタジー 第1番」というクラシックの曲も演奏します。これらの曲も,ゲーム音楽と同じ感覚で楽しんでいただけると嬉しいです。
多分ですが,この演奏会を通して聴いたら,クラシックに対する先入観がなくなり,純粋に音楽として楽しめるようになるんじゃないでしょうか。結局,「アイカツ!」も「ポケモン」も「クロノトリガー」もワーグナーも伊福部 昭も音楽に変わりはありませんから。
Music 4Gamer Presents
「RADIO 4Gamer Tap(仮)」
Special Concert
公演日:2019年5月19日(日)16:00開場 / 17:00開演
※19:00頃終演予定
会場:Bunkamura オーチャードホール
東京都渋谷区道玄坂2-24-1
出演:岡本信彦,マフィア梶田
ゲスト:花江夏樹
指揮:水戸博之
演奏:東京交響楽団
前売り料金:S席(1階席)8500円(税込) / A席(2階席)7000円(税込み) / B席(3階席)5500円(税込)
チケット一般発売:2019年4月6日(土)10:00〜
・東京音協オンライン
・チケットぴあ(Pコード:147-325)
※セブン-イレブン,チケットぴあ店舗(直接購入可能)
・イープラス
※ファミリーマート内端末「Famiポート」(直接購入可能)
・ローソンチケット
※ローソン,ミニストップ店内端末「Loppi」(直接購入可能)
・Bunkamuraチケットセンター
主催:Aetas株式会社
企画・制作:Aetas株式会社,株式会社文化放送
制作協力:株式会社フェイス
運営:Aetas株式会社
協力:株式会社東京音協,株式会社ノイジークローク
東京音協オンライン受付ページ
チケットぴあ受付ページ
イープラス受付ページ
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Bunkamuraチケットセンター受付ページ
「Music 4Gamer」特設サイト
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